Appleの新型スマートフォン「iPhone 16e」の分解動画が公開され、その内部構造に関する詳細が明らかとなった。特に注目されるのは、バッテリーの大型化と修理のしやすさだ。報道ではバッテリー容量が3,961mAhとされていたが、実際には4,005mAhとわずかに大きく、前モデルと比較して444mAhの増加が確認された。
この容量拡大は、内部構造の再設計によるものとされるが、分解映像ではカメラモジュールの小型化が主な要因である可能性が指摘されている。また、iPhone 14とスクリーンコネクターが共通しており、互換性があることも発見された。この点は、修理や部品交換のコスト削減に寄与する可能性がある。
さらに、A18プロセッサの搭載によりパフォーマンスが向上する一方、チップが深く埋め込まれたことでCPUの修理難易度は上昇しているとの分析もある。スクリーンやバッテリー、カメラの交換が容易であることから、全体的な修理のしやすさは高評価を受けている。今後、さらなる専門的な分解レビューがどのような見解を示すのか、引き続き注目される。
iPhone 16eのバッテリー強化とその背景

iPhone 16eのバッテリー容量が4,005mAhであることが分解によって明らかとなった。これは従来の報道で伝えられていた3,961mAhを上回る数値であり、iPhone 16と比較すると444mAhの増加にあたる。この変更により、バッテリー駆動時間の向上が期待されるが、Appleが公式に発表している使用時間には変化が見られない。
このため、単純な容量増加だけでなく、エネルギー効率やソフトウェアの最適化が関与している可能性がある。このバッテリー増加の要因として、内部構造の変更が挙げられる。Rewa Technologyの分解レポートでは、iPhone 16eのカメラモジュールが小型化されたことが指摘されており、その結果としてバッテリーの収納スペースが拡大されたと考えられる。
従来のiPhoneでは、カメラユニットの占める面積が大きく、バッテリーの配置に制約があったが、この設計変更によってより大容量のバッテリーを搭載する余地が生まれた可能性が高い。一方で、バッテリーの大型化には発熱や充電時間の増加といった課題も伴う。
AppleがMagSafeを採用していない点も、この端末のターゲット層を考慮した戦略と見ることができる。ワイヤレス充電の利便性よりも、長時間駆動の実現を重視した結果と考えられる。今後、ユーザーの使用感や第三者によるバッテリーテストを通じて、iPhone 16eの実際の駆動時間がどこまで向上しているのかが検証されることになるだろう。
iPhone 14との互換性と修理のしやすさ
iPhone 16eは外観こそiPhone 16に近いものの、分解によってiPhone 14との部品の互換性が確認された。特にスクリーンコネクターがiPhone 14と同一であることが判明し、実際にスクリーンを交換したところ正常に動作したことが報告されている。通常、Appleはモデル間のパーツ互換性を厳しく制限しており、異なる世代のデバイスでスクリーンが問題なく機能するのは異例といえる。
この互換性は、修理市場にとって大きな意味を持つ。Apple純正のディスプレイ修理は高額であり、サードパーティ製の修理業者にとっては部品調達のハードルが高かった。しかし、iPhone 16eとiPhone 14のスクリーンが互換性を持つことで、修理費用が抑えられ、修理業者にとっても利便性が向上する可能性がある。
ただし、Appleが今後のソフトウェアアップデートでこの互換性を制限する可能性も否定できない。また、修理のしやすさという観点では、Rewa Technologyの分解レポートで肯定的な評価がなされている。特に、スクリーン、バッテリー、カメラの交換が比較的容易であることが確認された。
これはAppleが近年進める修理しやすい設計の一環と考えられ、米国での「修理する権利(Right to Repair)」の流れを受けた対応の一部と見ることもできる。今後、iFixItなどの専門メディアによる詳細な修理スコアが発表されれば、iPhone 16eの修理可能性についてさらに深い知見が得られるだろう。
A18チップの進化と修理の難易度
iPhone 16eにはA18プロセッサが搭載されており、従来のモデルと比較して処理性能が向上している。しかし、Rewa Technologyの分解によると、このチップは従来のiPhoneと比べて深く埋め込まれており、修理の難易度が上がっていることが指摘されている。これは、Appleが最新チップの熱管理や効率性を考慮して設計した結果と考えられる。
A18チップはエネルギー効率に優れ、発熱を抑えつつ高いパフォーマンスを発揮する設計となっている。しかし、従来のプロセッサと比べて分解が難しくなったことは、修理業者やエンジニアにとっては懸念材料となる。特に、基板上での密度が高まったことで、一部のコンポーネントの交換が困難になっている。
また、チップの交換が難しくなることで、長期的な視点での修理可能性にも影響を与える可能性がある。Appleは近年、純正部品の提供を制限し、自社の修理プログラムに参加する業者のみに公式部品を供給する方針を強めている。このため、今後のiPhone 16eの修理動向や、非公式の修理業者がどのように対応するのかも注目されるポイントとなるだろう。
Source:Tom’s Guide