AMDが開発を進める次世代APU「Medusa Point」に関する新たな情報が明らかになった。搭載アーキテクチャはZen 6となるが、GPU部分には当初期待されていたRDNA 4やRDNA 5ではなく、実績あるRDNA 3.Xが強化されて採用される見通しである。中国のSNS「Weibo」でリーク情報を発信する「Golden Pig Upgrade」が伝えたものだ。

この判断の背景には、ノートPCや携帯型ゲーム機向けAPUとしての最適化を重視するAMDの戦略がある。最新のStrix PointやStrix Haloにも採用されたRDNA 3.5 GPUの流れを継承しつつ、発熱や消費電力を抑え、冷却性能に優れる構成を目指すとみられる。レイトレーシング対応の高性能ゲーム機能よりも、軽量かつ効率的なプラットフォーム構築が優先されることになる。

RDNA 3.X強化によるGPUコア数の増加も視野に入っており、特にエントリークラスや低価格帯ノートPCでは外部GPUを不要とする性能向上が期待される。RDNA 4や5が見送られる背景には、次世代アーキテクチャの成熟度やコスト面の事情も影響している可能性がある。



AMD「Medusa Point」に採用されるZen 6とRDNA 3.Xの詳細 既存技術を磨き上げる次世代APUの設計方針

AMDが2025年以降に投入を予定している「Medusa Point」は、Zen 6アーキテクチャを採用する次世代APUとして注目を集めるが、GPUには予想されていたRDNA 4やRDNA 5ではなく、強化型のRDNA 3.Xが採用される見通しである。この情報は中国SNS「Weibo」において、「Golden Pig Upgrade」がリークした内容を基にしたものだ。

Zen 6はAMDのプロセス技術やコアアーキテクチャにおいてさらなる進化を遂げるとされており、同時にGPU部分ではRDNA 4以降の最新技術を見送ることで、既存のRDNA 3.Xアーキテクチャを磨き上げる方針に切り替えられる。この判断はノートPCや携帯型ゲーム機向けのAPUに特化した性能最適化を追求するAMDの戦略を色濃く反映したものと言える。

特にStrix PointやStrix Haloに搭載されたRDNA 3.5ベースのGPUは、低消費電力かつ高効率を実現しながら、ミドルレンジ帯でも一定のゲーミング性能を確保する設計となっている。Medusa PointではRDNA 3.Xの強化を継承しつつ、GPUコア数の増加や最適化によって、省電力と発熱抑制を軸とした設計がさらに強化される可能性がある。

RDNA 4や5を見送る背景には、新アーキテクチャの成熟度や製造コスト、モバイルデバイス向けのバランスを慎重に見極めるAMDの姿勢がうかがえる。最新技術を追い求めるのではなく、成熟した技術を高効率化し、次世代APUとしての完成度を高める狙いが込められていると考えられる。

RDNA 4や5を採用しない戦略的判断とモバイル市場での優位性を狙うAMDの思惑

AMDが「Medusa Point」においてRDNA 4やRDNA 5ではなく、RDNA 3.Xを強化して採用する方針を示したことは、単なる技術的な選択に留まらない。Strix PointやStrix Haloに続く製品として、ノートPCや携帯型ゲーム機市場において、消費電力や発熱を抑えつつ、外部GPU不要の性能を確保することが、重要な戦略目標になっている。

特に携帯型ゲーム機向けAPUとして、消費電力と冷却性能のバランスは最重要課題の一つである。RDNA 3.5を搭載するStrix Pointでは16基、Strix Haloでは40基ものGPUコアを搭載し、エントリークラスの外部GPUに匹敵する性能を実現してきた。Medusa Pointでは、RDNA 3.Xをベースにさらなるコア数増強や電力効率改善が期待されるが、これはモバイルデバイス市場での競争力強化につながる要素となる。

また、RDNA 4や5のような最新アーキテクチャは、高性能GPUとしての技術的優位性はあるものの、消費電力や冷却面での課題も多い。特にモバイル向けAPUとしては、その導入によって全体の設計コストやサイズに影響が出る可能性がある。RDNA 3.Xの熟成と最適化を進める方が、AMDの戦略的意図に合致するという判断が働いたとみられる。

RDNA 4や5の投入タイミングや市場適用先についても、デスクトップ向けとモバイル向けで分ける可能性があり、Medusa Pointでは敢えて次世代GPUを見送り、安定した市場投入を優先したという見方もある。ノートPC市場における競争激化や、携帯型ゲーム機向け需要の拡大に応じた柔軟な戦略変更として、今後の動向が注目される。


Source:TweakTown