アルファベットはGoogleの人事部門やクラウド部門を対象に新たな人員削減を通知し、3月初旬には自主退職プログラムも提示する方針を明らかにした。コスト削減を最優先としつつ、2025年には750億ドル規模のAIインフラ投資を計画しており、事業効率化と技術革新の両立に挑む構図である。
第4四半期決算は売上高が前年同期比11.8%増の965億ドルに達したものの、市場予想にはわずかに届かず、株価は7.3%下落した。EPSは予想を上回る好結果だったが、積極的なAI投資が投資家心理に不透明感を与えた点は否めない。
アナリストの大半は引き続き「強い買い」を維持し、平均目標株価は218.47ドルと現在水準から約28%の上昇余地を示唆している。AI競争の激化や事業効率化策の行方が、今後の株価動向を左右する重要な要因となる可能性が高い。
アルファベットが進める人員削減とAIインフラ投資の対極戦略が示す経営判断の背景

Googleの親会社であるアルファベットは、2024年に入り人事部門およびクラウド部門を中心に新たな人員削減を実施する方針を打ち出した。対象となる正社員には3月初旬から自主退職プログラムが提示される見通しで、効率化を加速させる動きが明確化している。最高財務責任者(CFO)アナット・アシュケナジ氏が強調する通り、コスト抑制は最優先課題と位置づけられている。
一方で、アルファベットはAI関連インフラへの積極投資を進めており、2025年には750億ドルに達する設備投資計画を掲げる。データセンターやサーバー、ネットワーク整備を含め、AI時代に対応する基盤強化に余念がない。2024年第1四半期だけで最大180億ドルを投じる計画も公表済みであり、短期の収益圧迫要因となる可能性もある。
コスト削減と投資拡大という相反する施策の同時進行は、成長戦略と効率化策を両立させる難しさを物語る。従業員削減による組織のスリム化とAI分野への積極投資は、次世代の成長基盤構築に向けた布石と捉えられるが、市場からは短期的な収益見通しに対する慎重な視線も注がれている。
市場予想を下回った第4四半期決算とAI投資が生む投資家心理の揺らぎ
2024年2月4日に発表されたアルファベットの第4四半期決算は、売上高が前年同期比11.8%増の965億ドルと成長を示したが、事前予想の967億ドルにはわずかに届かなかった。一方で、EPS(1株当たり利益)は2.15ドルと市場予想の2.12ドルを上回り、前年同期比31.1%増という堅調な伸びを見せた。
成長の柱である広告事業は売上高725億ドルと全体の75%を占め、前年同期比でも10.6%の増加を記録した。検索関連の売上高は540億ドルに達し、12.5%の成長率を示しているが、こうした安定事業の堅調さだけでは投資家心理を下支えするには至らなかった。
特にAIインフラへの巨額投資計画が収益圧迫への懸念を呼び、発表直後の株価は7.3%下落した。短期的な利益確保と長期的な競争力強化の両立という経営の舵取りが、今後の投資家心理を左右する重要な焦点となることは避けられない。
割安感が残るGOOGL株と高まるAI競争が示す今後の評価軸
アルファベットの株価は過去52週間で23.1%上昇し、ナスダック100指数の12.9%やS&P500指数の15.1%を上回る好パフォーマンスを記録している。それにもかかわらず、予想PERは18.93倍にとどまり、アマゾンの33.1倍、マイクロソフトの30.01倍と比較して依然割安な水準にある。
AI分野では中国のスタートアップ「DeepSeek」が低コストモデルを発表するなど競争環境は急激に変化しており、テクノロジー大手による巨額投資の妥当性が問われ始めている。アルファベットが進めるAI強化策は不可避だが、コスト競争力を備えた新興勢力が台頭する状況では、単純な資金投入だけでは優位性を維持できないリスクも浮上する。
51人のアナリスト中39人が「強い買い」、平均目標株価218.47ドルと高評価を維持する一方で、短期的な株価動向はAI競争や業績変動に左右される可能性もある。割安感に加え、今後のAI戦略の方向性と競争環境が、投資判断の重要な基準として注目されていくことになる。
Source:Barchart.com