MWC 2025にて、ZTE傘下のNubiaが新たな折りたたみスマートフォン「Nubia Flip 2 5G」を発表した。昨年の初代モデルと比較し、デザインやスペックが進化しながらも、プレミアム機種と比べて依然として低価格を維持している点が注目される。

本モデルは、3インチのOLEDフロントディスプレイと6.9インチ・120Hz対応のAMOLEDメインディスプレイを搭載し、重量は193gと軽量化。カメラは50MPの広角レンズと32MPのセルフィーカメラを備え、落下耐性も向上している。さらに、MediaTek Dimensity 7300XチップセットにAI機能を統合し、リアルタイム通話翻訳やGoogle Geminiとの連携を実現した。

価格は前モデルから上昇し、欧州では699ユーロ(約730ドル)で販売予定。米国や英国ではさらなる価格変動の可能性がある。Nubia Flip 2 5Gは、Samsung Galaxy Z Flip 6の強力な競争相手となるか、その動向が注目される。

Nubia Flip 2が採用した最新仕様 デザインと性能の進化

Nubia Flip 2 5Gは、前モデルから多くの改良が加えられた。最大の変化は、円形フロントディスプレイの廃止と、3インチのOLEDスクリーンへの変更である。これにより、通知の視認性が向上し、より多くのアプリ操作が可能となった。メインディスプレイには、6.9インチの120Hz対応AMOLEDパネルを採用し、スムーズな操作感と鮮やかな表示を実現している。

また、重量は初代モデルの209gから193gへと軽量化され、持ち運びの負担が軽減された。加えて、1.2mの落下耐性を確保し、耐久性の面でも進化を遂げている。カメラ性能も向上し、50MPの広角カメラと2MPの深度センサーを背面に搭載。前面には32MPのセルフィーカメラが配置され、撮影の自由度が広がった。

このスペック強化により、Nubia Flip 2 5Gは市場において競争力を高めたといえる。ただし、これらの改良に伴い価格が上昇している点には留意が必要である。初代モデルは599ドルで販売されていたが、新モデルは欧州で699ユーロ(約730ドル)と発表された。米国や英国では価格設定が異なる可能性もあるが、コスト面でのバランスが市場の評価を左右するだろう。

AI機能を統合したDimensity 7300Xチップセットの実力

Nubia Flip 2 5Gに搭載されたMediaTek Dimensity 7300Xは、パフォーマンスと省電力性のバランスに優れたチップセットである。このプロセッサは、日常のアプリ使用に加え、ゲームやマルチタスクにも対応できる処理能力を備えている。また、AI機能が標準で組み込まれている点が特徴的であり、これがスマートフォンの使い勝手を大きく向上させる要因となっている。

特筆すべきAI機能のひとつが、リアルタイム通話翻訳機能である。これは、異なる言語間の通話においてリアルタイムで翻訳を行い、円滑なコミュニケーションを支援する。また、Google Geminiとの統合により、音声アシスタントや検索機能の精度が向上し、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待される。

一方で、このチップセットの採用によるバッテリー持続時間への影響は未知数である。バッテリー容量は4,300mAhであり、33Wの急速充電に対応するが、AI処理の負荷がバッテリー消費にどの程度影響を与えるかは実際の使用環境によるところが大きい。高性能化と省電力のバランスをどのように保つかが、今後の市場評価のポイントとなるだろう。

Nubia Flip 2が市場にもたらす影響と今後の展開

折りたたみスマートフォン市場は、Samsungが圧倒的なシェアを誇る中、他のメーカーも次々と新モデルを投入している。Nubia Flip 2 5Gは、価格を抑えつつも高機能を備えたモデルとして、この市場に新たな選択肢を提示している。しかし、Samsung Galaxy Z Flip 6やOppo Find N2 Flipといった競合機種との差別化がどこまで可能かが、今後の普及を左右するだろう。

最大の強みは、その価格戦略にある。フラッグシップモデルと比較して安価でありながら、十分なスペックを備えている点は、多くの消費者にとって魅力的である。一方で、SamsungやOppoは、ブランド力や独自技術を背景に、高価格帯でも販売を伸ばしている。価格だけでなく、ブランドの信頼性やアフターサービスの充実度も重要な要素となる。

今後の焦点は、Nubiaがどの市場に重点を置くかである。欧州価格が発表されたものの、米国やアジア市場での展開がどのようになるかは不透明だ。競争が激化する折りたたみスマートフォン市場において、Nubia Flip 2 5Gがどのような評価を得るのか、引き続き注目される。

Source:TechRadar