Microsoftが2025年10月にWindows 10のサポートを終了することを発表しているにもかかわらず、最新のSteam調査によるとWindows 10のユーザーが増加していることが明らかになった。調査結果によれば、Windows 10は全体の53%を占め、Windows 11を上回るシェアを獲得している。
この背景には、厳しいシステム要件によるWindows 11への移行困難や、現行OSに満足しているユーザーの多さがあるとみられる。特に中国のゲーマー層の影響が大きく、簡体字中国語のユーザーが急増していることと連動してWindows 10の利用者が増加していると考えられる。
Statcounterのデータによると、中国ではWindows 10の利用率が55%を超え、Windows 11の2倍以上のシェアを記録している。サポート終了後もWindows 10は引き続き使用可能だが、セキュリティ更新が停止するため、サイバー攻撃のリスクが高まることが懸念される。今後、ゲーマーがどのような選択をするのか、またMicrosoftが新たな対策を打ち出すのかが注目される。
Windows 10ユーザーが増加した背景とWindows 11の課題

Steamの最新調査によれば、Windows 10の利用者が53%に達し、Windows 11を超えるシェアを記録した。この増加の背景には、Windows 11のシステム要件の厳しさがある。Windows 11ではTPM 2.0や特定のCPUが必須とされ、多くのPCが対応できない状況にある。このハードルの高さがアップグレードの足かせとなり、結果としてWindows 10の利用継続が選択されている。
また、Windows 10に対するユーザーの満足度の高さも要因の一つだ。Windows 10は安定性に優れ、従来のアプリやゲームとの互換性も確保されている。特にゲーム用途では、Windows 11に移行するメリットが少なく、あえて環境を変える必要がないと判断するユーザーが多いと考えられる。
一方で、MicrosoftはWindows 11の普及を進めるため、今後何らかの施策を講じる可能性がある。すでにWindows 11ではAI機能の強化が図られており、今後も新機能が追加されることで移行の動機付けが行われるかもしれない。しかし、現時点ではWindows 10がユーザーにとって最適な選択肢であり続けている。
中国市場の影響がWindows 10の増加を後押し
Steamの調査によると、簡体字中国語を主言語とするユーザーが20.88%増加し、全体の半数に達した。この急増がWindows 10のシェア拡大に大きく影響を与えている。中国では、最新のPC環境を求めるよりも、コストパフォーマンスの高い既存の環境を維持する傾向が強い。
Windows 10はすでに十分な安定性を持ち、ゲームの動作にも適しているため、多くのユーザーが新OSに移行する必要性を感じていないと考えられる。さらに、昨年発売された『Black Myth: Wukong』のような中国発のゲームが注目を集め、Steamの利用者が増加したことも一因とみられる。
このような新規参入者の多くが既存のWindows 10環境を使用しているため、全体の割合が上昇した形となっている。Statcounterのデータによれば、中国ではWindows 10のシェアが55.14%に達し、Windows 11の26.47%を大きく上回っている。このような状況を踏まえると、今後も中国市場の動向がWindowsの利用傾向を大きく左右する可能性がある。
サポート終了後のWindows 10利用と今後の展望
Microsoftは2025年10月14日にWindows 10のサポートを終了する。この日を境に、セキュリティ更新や技術サポートが提供されなくなるが、OS自体の利用は継続可能である。しかし、セキュリティの脆弱性が放置されることによるリスクが指摘されており、特にオンライン接続を必要とするゲーマーにとっては深刻な問題となる可能性がある。
一方で、Windows 10がサポート終了後も一定の期間使われ続ける可能性は高い。企業向けには有償の延長サポートプランが提供される可能性があるほか、過去のWindows XPやWindows 7と同様に、ユーザーがサポート終了後もしばらく使い続けるケースが想定される。
また、Microsoftが今後どのような移行策を打ち出すかも注目される。Windows 11の普及が停滞すれば、より移行を促す施策が取られる可能性がある。例えば、システム要件の緩和や、新機能のさらなる追加などが考えられる。現在のWindows 10ユーザーがどのタイミングで移行を決断するのか、Microsoftの対応次第で大きく変わることになるだろう。
Source:PC Guide