Appleは、新たにM3チップを搭載したiPad Airを発表した。従来のM1モデルと比較し、処理速度が2倍に向上し、グラフィック性能も強化されている。本モデルではApple Intelligenceを採用し、AIを活用したライティングツールや画像編集機能が利用可能となった。また、iPadOS 18が導入され、Siriのテキスト入力対応や新機能「Genmoji」などの拡張が実施された。
同時に発表された新型Magic Keyboardは、従来よりも大型のトラックパッドを備え、14キーのファンクションキー列を搭載。Smart Connector経由で接続され、USB-C充電にも対応する。11インチと13インチの2モデルが用意され、価格はそれぞれ599ドルから、799ドルからとなる。予約は本日開始され、3月12日より販売開始となる。
M3 iPad Airの進化とApple Intelligenceの新たな役割

Appleが発表したM3 iPad Airは、従来のM1モデルと比較して飛躍的な性能向上を果たしている。M3チップの搭載により、CPUとGPUの処理速度は約2倍に強化され、特にグラフィック性能の向上が顕著である。この進化により、デザインや映像制作などのクリエイティブ用途でも、より高度な作業がスムーズに行えるようになった。
さらに、M3チップには動的キャッシュ技術が採用されており、負荷の高いアプリケーションを使用する際のパフォーマンス向上が期待できる。加えて、M3 iPad Airでは、Apple Intelligenceが初めて導入された。これにより、AIを活用した新機能が利用可能となり、文章作成を支援するWriting Toolsや、写真編集に役立つClean Upツール、手書き画像の補完が可能なImage Wandなどが提供される。
特に、Genmoji機能によってユーザー独自の絵文字を生成できる点は、表現の自由度を高める要素となる。AppleはこれまでiPadの位置付けを「PCに代わるデバイス」として強調してきたが、今回のApple Intelligence導入は、その方向性をより鮮明にするものといえる。
新型Magic Keyboardの進化とiPadのPCライクな利用
M3 iPad Airと同時に発表された新型Magic Keyboardは、従来モデルと比較して大幅な進化を遂げている。新モデルでは、大型のトラックパッドが搭載され、MacBookに近い操作性が実現された。また、新たに14キーのファンクションキー列が追加され、輝度や音量調整といった操作がより直感的に行えるようになっている。
これは、キーボード入力を主体とするユーザーにとって利便性の向上を意味し、タブレットとノートPCの垣根をさらに縮める要素となる。さらに、新型Magic KeyboardはAppleのSmart Connectorを活用して接続され、Bluetoothを使用することなく安定した通信が可能となっている。
加えて、USB-C充電ポートが搭載されており、充電中でも快適に使用できる仕様となった。これらの進化を受け、iPad AirはノートPCの代替デバイスとしての立場を強めているといえる。特に、近年のiPadOSの進化と合わせ、iPadをラップトップのように活用するユーザー層の拡大が見込まれる。
Appleの今後の展開とM4 MacBook Airへの期待
今回の発表では、M3 iPad Airが中心となったが、一部ではM4 MacBook Airの登場が期待されていた。Appleのティム・クックCEOがX(旧Twitter)で「空気中に何かがある」と投稿したこともあり、新たなMacBookの発表を予想する声もあった。
しかし、現時点ではM4 MacBook Airに関する発表は行われておらず、今後の動向が注目される。Appleは近年、MacとiPadの機能融合を進めており、iPadOSの進化やApple Intelligenceの導入がそれを裏付ける。M4チップを搭載したMacBook Airが登場すれば、さらなる性能向上が期待され、Appleのプロダクト戦略において新たな方向性が示される可能性がある。
特に、省電力性能とパフォーマンスの向上を両立するM4チップの詳細が明らかになれば、今後のApple製品の進化を占う重要な要素となるだろう。
Source:Mashable