パランティア・テクノロジーズの株価が急落し、年初来高値から30%以上下落している。この背景には、トランプ前大統領による国防費削減計画が影を落とし、投資家心理を冷やしている事実がある。しかし、ウィリアム・ブレアのルイ・ディパルマ氏は、過度な売り込みが進んだ可能性を指摘し、同社の格付けを「マーケットパフォーム」に引き上げた。
同氏は従来、割高なバリュエーションに対する警戒感から慎重な見方を示してきたが、AI技術への根強い関心や政府による効率化ニーズを考慮すると、同社が軍事費縮小下でも大口契約を維持する余地があると分析している。また、米国の政治家による株式保有状況が、将来性への一定の信頼を示唆している点も見逃せない。
ディパルマ氏は依然として売上成長鈍化によるバリュエーション低下の可能性を警戒しており、強気転換には至っていないものの、市場がリスク許容度を高めれば、125ドル超の水準回復の可能性にも言及している。
パランティアの株価急落とウィリアム・ブレアによる格上げの背景

パランティア・テクノロジーズの株価は、2024年2月に記録した125ドル超の水準から30%以上下落している。背景には、ドナルド・トランプ前大統領が発表した今後5年間の国防費削減計画があり、同社の主要収入源である政府契約への影響が懸念されている点が大きい。軍事支出の縮小は、パランティアの米国防総省向け事業に直結し、投資家心理の悪化につながっている。
こうした状況下、ウィリアム・ブレアのアナリストであるルイ・ディパルマ氏は、これまで同社のバリュエーションを警戒し弱気姿勢を維持してきたが、株価下落により割高感が一定程度和らいだとして格付けを「マーケットパフォーム」へ引き上げた。AI技術への高い関心が続く中、同社に対するAIプレミアムも依然維持される可能性があると指摘している。
加えて、ディパルマ氏は、パランティアの持つデータ分析ソフトウェアが政府機関の効率化を支援し、予算削減下でも新規・継続契約を確保する可能性に言及した。これは単なるコスト削減ツールではなく、安全保障や政策判断にも不可欠なインフラとなりつつある現状を踏まえた見方と言える。
米軍事費削減の影響とAIプレミアム維持に向けたパランティアの戦略
パランティアが直面する米国の国防費削減は、同社の政府依存度の高さを考慮すれば、決して看過できないリスク要因である。同社の収益構造において政府向け案件が占める割合は依然高く、軍事予算の縮小が契約規模の圧縮や新規案件の停滞を招く可能性がある。この点は2025年以降の業績見通しにおいて特に注目すべき論点となる。
一方、パランティアの強みであるAI技術とデータ分析能力は、政府による効率的な予算執行や迅速な意思決定を支援するための不可欠なツールとして位置づけられつつある。特に、防衛分野以外の官公庁や自治体レベルにおける需要拡大が、軍事予算縮小による影響を一定程度緩和する可能性がある点にも目を向ける必要がある。
AIプレミアムの維持には、単なる技術先行ではなく、予算効率化や透明性向上といった政策的要請への対応力が不可欠となる。政治動向や政策転換に柔軟に対応し、AI活用を通じた実効性を示すことで、市場の期待感を維持できるかが、今後の株価形成を左右する重要なポイントになる。
パランティア株への政治家の積極関与と市場コンセンサスが示す現在地
パランティア株を巡る投資動向には、2025年に向けた米国政治の影響も見逃せない要素として浮上している。現時点で、米国の複数の政治家が同社株を大量に保有しており、これは単なる投資判断にとどまらず、国家安全保障や政府ITインフラ政策への深い関与を示唆するものと捉えられる可能性がある。政治的な思惑が絡む銘柄として、他のテクノロジー企業とは異なる株価形成要因が存在する点は特筆に値する。
しかし、ウォール街のコンセンサス評価は依然「ホールド(中立)」であり、平均目標株価も85ドルと現在の株価から2%程度の下落余地が示されている。この水準は、AIプレミアムを一定程度織り込みつつも、成長鈍化や軍事費縮小のリスクを加味した保守的な評価と言える。
政治家の保有動向が長期的な成長期待を示す可能性はあるものの、目先の業績や政策動向によるボラティリティは避けられない。AI関連銘柄としての期待と、国防関連銘柄としてのリスクの双方を冷静に見極める姿勢が、パランティア株を巡る今後の投資判断において重要な要素となる。
Source:Barchart.com