Appleが2025年に投入予定の「iPhone 17 Air」に、従来のバッテリー構造を一新する3D積層設計が採用される可能性が浮上した。著名アナリストのミンチー・クオ氏の報告によれば、同デバイスは超薄型設計を維持しながら高密度バッテリーセルを搭載し、電力効率の最適化を図るという。

この新技術は、従来のジェリーロール構造とは異なり、カソードやアノードを平面的に積み重ねることでエネルギー密度を向上させ、バッテリー容量の増加を実現する。さらに、Appleが独自開発するC1チップの採用が示唆されており、通信モデムの電力消費を抑えることで、バッテリー駆動時間の延長に寄与するとみられる。

また、iPhone 16eにおいて採用された4,005mAhの大容量バッテリー技術が継承される可能性もあり、バッテリー寿命はiPhone 13 miniと同等、またはそれ以上となる見込みだ。加えて、競合するSamsungのGalaxy S25 Edgeの動向も今後の比較対象となり、Appleのバッテリー技術がどの程度の革新を遂げるかが注目される。

iPhone 17 Airに採用される3D積層バッテリーとは何か

Appleが次世代スマートフォンに採用を検討している3D積層バッテリーは、従来のジェリーロール構造とは異なる設計を持つ。一般的なスマートフォン用バッテリーは、カソード、アノード、セパレーターを円筒状に巻き付けることで製造される。

一方、3D積層バッテリーでは、これらの要素を平面に重ねることで高密度化を実現し、同じ体積でもエネルギー容量を増加させることが可能となる。ミンチー・クオ氏のレポートによれば、この技術はiPhone Foldにも採用される可能性があるという。

iPhone 17 Airは超薄型設計を特徴としながらも、バッテリー性能を犠牲にしない工夫が求められる。3D積層構造を採用することで、従来のバッテリーよりも少なくとも10%のエネルギー密度向上が見込まれており、持続時間の改善が期待される。

スマートフォン市場では、エネルギー効率の向上が各メーカーの競争ポイントとなっている。Appleがこの技術を実用化すれば、従来のジェリーロール構造を採用する他社製品との差別化につながる。特に、Samsungが今後発表する可能性のあるGalaxy S25 Edgeとの比較において、3D積層技術の実用性が注目されることになるだろう。

C1チップがバッテリー効率向上の鍵となる理由

iPhone 17 Airのバッテリー寿命を左右するもう一つの重要な要素が、Apple独自のC1チップの存在である。このチップは、電力消費の最適化に特化したものであり、特に通信モデムの省電力化に貢献するとみられている。Appleは、独自の5Gモデム開発を進めており、その技術がこのC1チップに組み込まれる可能性がある。

WeiboのリーカーDigital Chat Stationによると、iPhone 17 Airのバッテリー容量は3,000mAhから4,000mAhの間になるとされる。バッテリー容量だけを見れば、特別に大容量とは言えないが、C1チップによる省電力化がこれを補う役割を果たす可能性がある。

特に、ソフトウェアとの連携によって電力の無駄を最小限に抑える仕組みが導入されれば、同程度のバッテリー容量でも実際の駆動時間は大幅に向上する可能性がある。Appleは過去にも、独自チップを用いた省電力技術に強みを持っていた。

Aシリーズチップの効率的な電力管理や、iOSの最適化によって、競合製品と比べてバッテリー寿命を長く維持してきた経緯がある。C1チップの導入により、iPhone 17 AirがiPhone 13 miniと同等、あるいはそれ以上のバッテリー持続時間を確保できるかが焦点となる。

超薄型設計とバッテリー寿命のバランスが課題に

iPhone 17 Airの最大の特徴は、その超薄型設計にあるとされる。これまでAppleは、軽量かつコンパクトなデザインを追求しながらも、バッテリー容量を確保するための技術開発を続けてきた。今回採用が噂される3D積層バッテリーは、その延長線上にある技術だが、それだけで持続時間の課題が完全に解決されるわけではない。

例えば、iPhone 16eは内部構造の見直しにより、4,005mAhの大容量バッテリーを搭載することに成功した。iPhone 17 Airにも同様の技術が応用される可能性はあるが、デバイスの薄型化が優先される場合、バッテリー容量の増加には限界がある。そのため、Appleはハードウェアだけでなく、iOSのソフトウェア最適化によって、電力効率をさらに向上させる必要がある。

また、折りたたみ式iPhone Foldの存在も、Appleの設計戦略に影響を与えると考えられる。iPhone Foldは7インチ以上の大型ディスプレイを搭載し、より大きなバッテリーを搭載できる可能性がある。一方、iPhone 17 Airは超薄型であるため、ハードウェア的なバッテリー容量の増加が難しく、省電力化技術の導入がより重要になる。

今後の発表で、Appleがどのようにこの課題を克服するのかが注目される。

Source:BGR