AMDのRadeon RX 9070およびRX 9070 XT GPUが発売され、市場では早くも品薄状態が発生している。一部ではAMDが初回出荷後にメーカー希望小売価格(MSRP)を引き上げるのではないかとの噂が広がったが、AMDのFrank Azor氏はMSRPの維持を奨励する方針を示した。ただし、小売業者やAIBパートナーが価格を上げる可能性は否定されていない。
小売市場では在庫状況に地域差があり、Micro Centerの店舗では十分な供給が確認される一方で、オンラインストアでは注文キャンセルが相次いでいる。需要の高さを背景に、今後の価格動向は供給状況次第と見られる。AMDは適切な在庫確保を進めるとするが、市場の動向次第では価格変動が避けられない可能性もある。
AMD RX 9070シリーズの在庫状況と市場の反応

AMDのRadeon RX 9070およびRX 9070 XTは、発売直後から高い人気を誇り、一部の小売店では即座に完売となった。特にオンライン販売では在庫不足が顕著で、注文キャンセルの報告も相次いでいる。一方、イリノイ州のMicro Centerでは、RX 9070が170台、RX 9070 XTが440台と比較的潤沢な在庫が確認されており、店舗ごとの供給状況には大きな差がある。
需要の高さは、RDNA 4アーキテクチャによる性能向上や競争力のある価格設定に起因しているとみられる。特に中価格帯のゲーマーにとって、NVIDIAのRTX 5000シリーズに対する強力な選択肢となっていることが影響している。しかし、小売店によっては、すでに価格を上乗せする動きも見られ、販売状況次第でさらなる価格変動が生じる可能性もある。
こうした市場の動向に対し、AMDはMSRPの維持を強調しているものの、価格統制を直接行うことは難しい。AIBパートナーや小売業者の判断によっては、公式価格を超える販売が続くことも十分考えられる。供給が安定するまでは、入手が困難な状況が続く可能性がある。
AMDのMSRP維持方針と価格変動リスク
AMDのFrank Azor氏は、RX 9070シリーズのMSRPを維持する方針を表明しており、AIBパートナーと協力して小売在庫の補充を進める姿勢を示している。これにより、公式価格の引き上げは否定された形となったが、市場価格が安定する保証にはならない。小売店が在庫状況を見ながら価格を調整する動きは依然として続いており、実際の販売価格は流動的である。
特に、供給と需要のバランスが崩れた場合、価格の急騰は避けられない。過去の事例では、人気のあるGPUは発売後に転売市場で価格が高騰し、公式のMSRPを大幅に上回ることも珍しくなかった。今回のRX 9070シリーズも同様の傾向を辿る可能性があり、特にオンライン販売ではプレミア価格での取引が発生することが予想される。
また、NVIDIAのRTX 5000シリーズが品薄状態にあることも、RX 9070シリーズの価格動向に影響を与える要因となっている。競合製品の供給が不安定である限り、AMDの新GPUに対する需要は高まり続けるだろう。MSRPを維持する姿勢があるとはいえ、市場の動き次第では予測不可能な価格変動が生じる可能性は否定できない。
今後の価格安定には在庫確保が鍵
AMDがRX 9070シリーズの価格をMSRPに近い水準で維持するためには、十分な在庫を確保し、市場に安定供給することが不可欠である。現在、一部の店舗では大量の在庫を確保しているものの、オンライン販売では依然として需要が供給を上回っている状況であり、この不均衡が価格変動を引き起こしている。
NVIDIAのRTX 5000シリーズと比較すると、AMDは相対的に在庫管理をうまく進めているように見えるが、それでも人気モデルの供給不足は回避できていない。特に、RDNA 4アーキテクチャの新製品は、価格性能比の良さからゲーマー層に支持されやすく、一時的な品薄が続く可能性もある。
短期的には、小売市場の価格変動が続くとみられるが、中長期的には供給が安定することで価格も落ち着くことが予想される。そのため、AMDが継続的な在庫補充を実施し、小売店との調整を適切に行うことが、消費者にとって最も望ましい展開となるだろう。
Source:NotebookCheck