SamsungがAndroid 16をベースとしたOne UI 8の社内テストを開始したことが明らかになった。Galaxy S25向けの最初のビルドが同社のサーバーで確認され、従来のスケジュールより約2か月早い段階で開発が進んでいる。

一方で、Android 15を採用するOne UI 7の正式展開は遅れが指摘されており、4月からの開始が予定されている。この遅延により、Samsungのアップデート戦略に疑問を抱く声もあるが、次期バージョンの開発スピードが加速していることは、今後のアップデートサイクルに変化をもたらす可能性がある。

また、GoogleのPixel 10およびAndroid 16のリリーススケジュールが前倒しされる見込みであり、Samsungの動きはこの影響を受けたものとも考えられる。One UI 7.1や7.1.1のようなマイナーアップデートを省略する可能性も指摘されており、One UI 8がより早く提供されることが期待される。

One UI 8の開発はなぜ2か月早まったのか

Samsungは例年、新型Galaxy Sシリーズのリリースに合わせて新しいOne UIの開発を進めるが、今回のOne UI 8の社内テストは従来のスケジュールより約2か月前倒しされている。Galaxy S25シリーズ向けの最初のビルドが同社サーバー上で確認されており、これまでより迅速なアップデート展開の可能性が浮上した。

この動きはGoogleの影響を受けたものと考えられる。GoogleはPixel 10シリーズとAndroid 16のリリーススケジュールを例年より早める可能性があり、Samsungもそれに歩調を合わせる形でOne UI 8の開発に着手したとみられる。

特に、Android 15をベースとするOne UI 7の展開が4月まで遅れていることから、ユーザーに対する次期アップデートの提供スピードを向上させる必要があると判断した可能性が高い。また、Samsungがソフトウェアアップデートの改善を意識している兆候もある。

従来のOne UIでは、新OSの展開が競合メーカーよりも遅れることが多く、一部のユーザーから不満の声が上がっていた。今回、開発スケジュールを前倒しすることで、アップデートの遅延を防ぎ、より迅速なユーザー体験の提供を目指しているのかもしれない。

One UI 7.1をスキップする可能性とその影響

One UI 8の開発が前倒しされている中、SamsungはOne UI 7.1や7.1.1といった小規模なアップデートを省略する可能性が指摘されている。これにより、次期メジャーアップデートに向けた開発リソースを集中させ、より完成度の高いOne UI 8を提供する狙いがあると考えられる。

通常、SamsungはOSアップデートの合間に小規模なバージョンアップを行い、機能の最適化やバグ修正を実施してきた。しかし、今回の動きが事実であれば、One UI 7の改良が十分に行われないまま、次のOSへと移行する可能性がある。これにより、一部のユーザーが安定性や機能面での不満を抱えることも考えられる。

その一方で、開発スケジュールの加速が成功すれば、Samsungは今後のOSアップデートサイクルを短縮し、より迅速な展開を実現できる可能性がある。GoogleのPixelシリーズが最新OSへの対応を素早く行う中で、Samsungがそれに近いレベルのスピードを実現できるかが注目される。

One UI 8はユーザー体験を大きく変えるのか

One UI 8の開発が通常より早く進められているが、現時点でその内容や機能の詳細は明らかになっていない。ただ、One UI 7が近年のSamsungのアップデートの中でも大規模な変更を伴ったものであったことを考えると、One UI 8は比較的マイナーな改良にとどまる可能性がある。

One UI 7では、デザインや操作性の大幅な見直しが行われ、より直感的なUIとシームレスな体験が強化された。一方で、One UI 8の開発が前倒しされた背景には、アップデートスケジュールの改善が主な目的としてあると考えられる。そのため、新機能の追加よりも、パフォーマンス向上や安定性の確保が優先される可能性がある。

それでも、Samsungがこれまでの遅延を補う形でソフトウェアアップデートのスピードを向上させようとしている点は、多くのユーザーにとって歓迎すべき動きだろう。GoogleのAndroid 16と同時期のリリースが実現すれば、Samsungのアップデート戦略が大きく変わる転換点となるかもしれない。

Source:Android Authority