メタ・プラットフォームズ(META)の株価は過去1年間で22%上昇するも、直近の高値からは15%以上下落している。この状況下で、同社が2025年4月にリリース予定の次世代AIモデル「Llama 4」の発表を控え、投資家の注目が集まっている。
Llama 4はAIエージェントの機能強化を目指し、同社の技術革新を象徴するものとされる。加えて、2025年4月29日には初の「LlamaCon AIカンファレンス」開催が予定されており、メタのAI事業の方向性が明確になる可能性がある。
META株は過去3年間でS&P500を大きく上回る234%のリターンを記録し、直近の決算では売上・利益ともに市場予想を上回る成長を見せた。アナリストの評価も総じて強気で、平均目標株価は現在の水準より19%上昇余地があるとされる。AI事業の進展が同社の株価をさらに押し上げるか、投資家の判断が試される局面だ。
メタのAI戦略とLlama 4の位置付け

メタ・プラットフォームズは、AI領域において急速に競争力を高めている。2025年4月に発表予定の「Llama 4」は、同社のAI技術の新たな飛躍を示す重要なモデルとなる。特にAIエージェントの強化が大きな特徴とされ、複雑なマルチステップタスクの自律的処理が可能になるとされる。AIエージェントは、パーソナルアシスタントから業務自動化まで幅広い分野で活用が見込まれ、競争が激化するAI市場においてメタの存在感を示すものとなるだろう。
また、メタはLlama 4の発表と合わせて、2025年4月29日に「LlamaCon AIカンファレンス」の開催を予定している。これは、同社のAI技術の方向性を示し、開発者や企業との連携を強化する場となる可能性が高い。特に、AIの商用利用に向けた戦略や、競合であるOpenAIやGoogleとの比較が議論の中心となることが予想される。
メタは広告収益を主軸とするビジネスモデルからの転換を模索しており、AI事業への本格的な投資がその一環と考えられる。Meta AIの独立型アプリが2025年第2四半期にリリースされる可能性も指摘されており、ジェネレーティブAI市場における同社の競争力をさらに強化する要素となるだろう。Llama 4の性能と実用性が、メタの今後の事業戦略に与える影響は大きい。
META株の成長と市場の評価
META株は、過去1年間で約22%の上昇を記録しているものの、52週高値からは15%以上の下落を見せている。この背景には、テクノロジー株全体の調整局面が影響していると考えられる。しかし、長期的に見れば、同社の成長性は依然として強く、過去3年間のリターンは234%とS&P500を大きく上回っている。
直近の決算では、2024年第4四半期の売上高が483.9億ドル、通年では1,645億ドルと、それぞれ前年比で21%と22%の増加を記録した。純利益は前年同期比で49%増の208.4億ドル、通年では59%増の623.6億ドルに達し、特に利益成長が顕著である。営業利益率も前年の41%から48%へと拡大し、同社の収益性の高さが確認された。
アナリストの評価も総じて強気であり、53人中45人が「強い買い」を推奨している。目標株価の平均は747.70ドルで、現在の株価より約19%の上昇余地があると見られる。ただし、株価は短期的なボラティリティを伴うため、Llama 4の発表や今後の決算がどのように影響を与えるかが鍵となる。特に、AI戦略の進展が株価の新たな上昇要因となるかが注目される。
AI市場におけるメタの競争力と今後の課題
メタ・プラットフォームズは、広告事業の成長鈍化を補うべく、AI事業へのシフトを加速させている。Llama 4の投入により、同社はジェネレーティブAI市場における競争を本格化させる構えだ。しかし、競合のOpenAIやGoogleもAI技術を強化しており、市場の支配権を巡る競争は一層激化するだろう。
特に、メタのAI事業は収益化の道筋が明確ではない点が課題とされる。広告事業と異なり、AI分野ではサブスクリプションモデルやクラウドサービスが主流となっており、メタがどのようにマネタイズ戦略を築くかが焦点となる。Meta AIの独立型アプリがどのような形で市場に投入されるかによって、同社の成長戦略が見えてくるだろう。
さらに、AI規制の強化もメタにとってのリスク要因となる可能性がある。米国や欧州では、AIの倫理的な問題やデータプライバシーに関する規制が強化されつつあり、メタがこれらの要件を満たしながら事業を拡大できるかが問われる。AI技術の進化が事業成長に直結する一方で、それに伴う社会的責任と規制への対応が同社の今後の発展において重要なポイントとなるだろう。
Source:Barchart.com