Appleの最新チップ「M3 Ultra」のベンチマークスコアがGeekbench上で確認された。シングルコアスコアは3,221で、M4 Maxの3,925を下回ったものの、マルチコアスコアでは27,749を記録し、M4 Maxの25,647を大幅に上回る結果となった。
M3 Ultraは、M3 Maxを2基組み合わせた設計とされ、合計32コアCPUを搭載している。その結果、マルチコア処理においてはM4 Maxを約8%上回る性能を示した。一方で、シングルコア性能はクロック周波数の高いM4シリーズが優位に立つ構造となっている。
本ベンチマーク結果は3月12日のMac Studio発売に先駆けたもので、今後さらに詳細な検証が進む見込みだ。M4 Ultraの存在については未発表だが、Appleの動向に注目が集まる。
Apple M3 Ultraのベンチマーク結果が示す実力とその特徴

Appleの最新チップ「M3 Ultra」のGeekbenchスコアが公開され、同社のチップラインナップにおける位置付けが明確になった。シングルコア性能ではM4 Maxに及ばないものの、マルチコア性能では圧倒的な強さを発揮している。M3 Ultraは、M3 Maxを2基接続した設計となっており、32コアCPUを搭載することで並列処理能力を飛躍的に向上させた。
Geekbench 6.4.0のテスト結果では、M3 Ultraのマルチコアスコアは27,749を記録し、M4 Maxの25,647を約8%上回った。これは、M3 Ultraが多くのパフォーマンスコアを持つことに起因すると考えられる。一方、シングルコア性能ではM4 Maxが3,925、M3 Ultraが3,221と、クロック周波数の差が影響しM4シリーズが優位に立つ結果となった。
このスコア比較から、M3 Ultraは単独の処理速度よりも、マルチスレッド処理が求められる作業に適していることが示唆される。動画編集や3Dレンダリングなどの負荷の高い処理を行うユーザーにとっては、M3 Ultraの強みが活かされる場面が多い。一方で、シングルスレッド性能が重視される用途ではM4シリーズが優位な選択肢となるだろう。
Appleのチップ設計戦略とM4 Ultraの可能性
Appleのシリコンチップは、世代を重ねるごとに性能向上を果たしているが、今回のM3 Ultraの発表により、その進化の方向性がより明確になった。M3 Ultraは、従来のUltraシリーズと同様、2基のM3 Maxを接続する形で構成されている。これはM1 UltraやM2 Ultraと同様のアプローチであり、マルチコア性能の向上に特化した設計となっている。
しかし、Appleは未だM4 Ultraを発表していない。これまでの傾向を考えれば、M4シリーズの最上位モデルとしてM4 Ultraが登場する可能性は十分にある。ただし、Appleは「すべての世代でUltraバージョンを用意するわけではない」と述べており、その計画は明確になっていない。
M4 Ultraが登場する場合、現行のM4 Maxと同様に高クロックのシングルコア性能を維持しながら、デュアルチップ構成によるマルチコア性能の向上が期待される。これにより、M3 Ultraと比較してさらに大幅な性能向上を実現する可能性がある。Appleのチップ開発のロードマップを踏まえると、次世代のMac ProやMac Studioに向けたより強力なチップの登場に期待が高まる。
M3 Ultra搭載Macの市場への影響
M3 Ultraを搭載したMac Studioは、3月12日から正式に発売される予定であり、その性能を活かした新たなワークステーション市場の動向が注目される。特に、クリエイティブ業界や高度なコンピューティングが求められる分野において、そのマルチコア性能の高さが評価される可能性が高い。
一方で、M4 Maxがシングルコア性能で優位に立つことから、MacBook ProやiMacなどのラインナップではM4シリーズが引き続き選ばれるケースが多いと考えられる。これは、一般的な業務用途やソフトウェア開発などではシングルスレッド性能が重要視されるためである。
今後、M3 UltraとM4 Maxの市場評価がどのように分かれるのかは、実際の使用感やアプリケーションの最適化状況によって変わるだろう。特に、M3 Ultraの高いマルチコア性能を活かした用途が増えれば、M4シリーズとの差別化が明確になる可能性がある。Appleのシリコン戦略がどのように展開されるか、引き続き注目したい。
Source:Tom’s Hardware