パランティア(PLTR)の株価はかつて急騰を見せたが、現在は大きく調整されている。国防予算の削減などを背景に市場の期待感が薄れる中、それでも強気の姿勢を崩さないアナリストがいる。

Wedbushのダン・アイヴスは、パランティアを「2025年に買うべきトップ銘柄」と評価し、目標株価を120ドルに設定。これは現在の水準から約42%の上昇余地を示唆する。彼は以前から同社の成長を高く評価しており、時価総額1兆ドルの可能性も示唆していた。

ダン・アイヴスが示すパランティアの成長予測 その根拠とは

Wedbushのアナリストであるダン・アイヴスは、パランティア(PLTR)の株価が2025年に向けて大きく上昇すると予測している。彼の強気な見解の背景には、AI技術の成長、国防および企業向けソフトウェア分野での同社の地位、そして実際の市場パフォーマンスがある。特に、パランティアは政府機関や大手企業向けに高度なデータ解析ツールを提供しており、その需要は今後さらに拡大すると考えられている。

アイヴスは、パランティアの目標株価を120ドルと設定し、これは現在の水準から約42%の上昇を見込むものだ。また、彼は以前から「AI界のメッシ」としてパランティアを称し、時価総額が今後1兆ドルに達する可能性があるとも述べていた。これまでの株価推移を見ても、彼の予測が的中する場面は多く、今回の評価も決して無視できるものではない。

しかし、AI関連株全体が市場のトレンドに左右されやすいことも事実だ。2024年にはAI市場の拡大とともにパランティアの株価も上昇したが、直近1か月で4分の1の下落を記録している。この変動の中で、アイヴスの予測がどこまで的中するのか、多くの投資家が注目している。

ウォール街の評価が割れるパランティア 今後の展開はどうなるのか

パランティアに対する市場の評価は二極化している。ダン・アイヴスのように強気の姿勢を貫くアナリストがいる一方で、多くの専門家は慎重な見解を示している。現在、19人のアナリストがパランティアをカバーしており、そのうち「売り」を推奨するのは4人、「中立寄りの売り」が1人、「ホールド(中立)」が11人、そして「買い」を推奨するのはわずか3人にとどまる。

これらのデータからも分かるように、大半のアナリストはパランティアの成長を疑問視しており、株価の急騰を警戒している。実際に、現在の平均目標株価は85.11ドルであり、直近の株価はこれをやや下回る水準にある。過去にはこのラインを維持していたが、最近の市場環境の変化によってやや下落している。

また、今後の市場環境もパランティアにとって楽観的とは言い難い。特に、トランプ前大統領の国防費削減案や、米中貿易摩擦による影響などが不透明要素として残る。これらの政策がどのように推移するかによって、同社の業績や株価が大きく左右される可能性がある。投資家はAI市場の成長だけでなく、政治・経済要因にも目を向ける必要があるだろう。

AIバブルか本物の成長か パランティアの今後を見極めるポイント

パランティアの将来は、AI市場の成長と密接に関係している。しかし、現在の市場がAIバブルの最中にあるのか、それとも持続的な成長が期待できるのかは慎重に見極めるべきポイントだ。

現在、パランティアのPER(株価収益率)は751倍という異常な水準にあり、これは期待先行の投資が株価を押し上げていることを示している。もしAI市場の成長が続けば、この評価が正当化される可能性もあるが、市場が冷え込めば一転して大幅な下落に見舞われる可能性も否定できない。

一方で、パランティアは長期的な成長ストーリーを持つ企業でもある。政府機関や大企業向けのデータ分析事業は他社が簡単に参入できる分野ではなく、一定の需要が継続することが見込まれる。特に、国防やセキュリティ分野での役割は大きく、世界情勢の変化によっては同社のサービスの需要がさらに高まる可能性もある。

今後のポイントは、パランティアが単なるAIブームに乗った企業ではなく、確固たる成長基盤を築けるかどうかだ。短期的な株価の上下に惑わされず、長期的な視点で同社の動向を見極めることが重要になる。

Source:Barchart