ARK Investの創設者であり最高投資責任者(CIO)であるキャシー・ウッドが、AI関連銘柄としてGitLab(GTLB)の株式を積極的に取得している。GitLabは、開発・セキュリティ・運用を統合したDevSecOpsプラットフォームを提供し、AIを活用したソフトウェア開発の最適化を推進する企業である。

同社は2025会計年度第4四半期に前年比29%増の売上を記録し、大口顧客の拡大も進んでいる。高い利益率と無借金経営を維持しつつ成長を続ける点が、ARK Investの投資判断に影響を与えた可能性がある。ウォール街のアナリストも強気の見解を示しており、今後の株価上昇が期待される局面にある。


キャシー・ウッドがGitLabを選ぶ理由 破壊的イノベーションへの投資戦略

キャシー・ウッドが率いるARK Investは、破壊的イノベーションを推進する企業への投資を方針としている。その一環として注目されたのが、DevSecOps分野におけるGitLab(GTLB)への資金投入である。GitLabは、開発・セキュリティ・運用を統合したクラウドネイティブなプラットフォームを提供し、AIを活用してソフトウェア開発の生産性向上を実現する。

ウッドは、3月初旬にARK Innovation ETF(ARKK)およびARK Next Generation Internet ETF(ARKW)を通じてGitLabの株式を追加取得し、ARKKでは400万ドル、ARKWでは120万ドル相当の投資を行った。これは、AI関連の開発基盤としてGitLabの成長性を評価した結果と考えられる。実際に同社の2025会計年度第4四半期の売上は前年比29%増の2億1140万ドルに達し、企業向け導入も拡大している。

AI技術の進化に伴い、ソフトウェア開発の高度化が求められる中、GitLabのAI対応プラットフォームは企業にとって不可欠なインフラとなりつつある。ARK Investの投資は、この市場変革の流れを見据えたものといえよう。

GitLabの成長を支える財務基盤と市場動向

GitLabは、売上成長に加え、健全な財務基盤を維持している。同社の年間売上は前年比31%増の7億5920万ドルに達し、高い成長率を示している。さらに、調整後粗利益率は91%と極めて高く、効率的なコスト管理と強力な価格決定力を持つことがわかる。無借金経営を続けることで、財務の安定性と将来の成長への柔軟性を確保している点も、ARK Investの投資判断に影響を与えた可能性がある。

企業向け市場での成長も顕著であり、年間10万ドル以上を支払う大口顧客は29%増加、100万ドル以上の顧客も28%増加した。この動きは、GitLabがエンタープライズ向けの採用を加速させていることを示しており、長期的な収益基盤の強化につながる。さらに、残存パフォーマンス義務(RPO)は9億4500万ドルに達し、前年同期比40%増と、将来的な収益確保の見通しも明るい。

一方で、成長銘柄特有の高いバリュエーションがリスク要因となる。GitLabの2026年予想利益に対する株価収益率(PER)は84倍と高水準にあるため、市場の変動による影響は小さくない。今後の成長持続性と市場評価のバランスが重要なポイントとなるだろう。

ウォール街の評価と今後の株価見通し

GitLabに対する市場の見解は強気である。ウォール街のアナリスト26人のうち20人が「強い買い」、3人が「適度な買い」、3人が「ホールド」と評価しており、ポジティブな見方が支配的だ。平均目標株価は78.96ドルであり、現在の株価水準から41%の上昇余地があるとされている。最も強気な予測では90ドルに達する可能性が指摘され、61%の上昇余地が見込まれている。

こうした評価の背景には、GitLabの市場拡大と財務の安定性があると考えられる。特に、AIを活用したDevSecOpsソリューションの普及は、開発効率の向上を求める企業のニーズと一致している。さらに、2026会計年度の売上成長率は23%と予測され、市場の期待を裏付けるものとなっている。

しかしながら、急成長銘柄である以上、市場の変動や競争環境の変化には注意が必要である。現在の株価は過去52週間の最高値から21.4%下落しており、割安感があると見る向きもあるが、長期的な成長ストーリーが維持できるかが今後の株価動向を左右する要因となるだろう。

Source: Barchart.com