Microsoftは、Windows 11およびWindows 10向けにXAMLベースのUIを採用した「ネイティブCopilotアプリ」を発表した。Insiderプログラムを通じて先行テストが進められており、今後の正式展開が期待される。一方、Windows 11の最新バージョン24H2では、省電力モードへの意図しない移行やCPUクロック速度の低下などの不具合が報告されており、ユーザーからの不満が高まっている。

また、PowerToysの新バージョン0.89ではAdvanced PasteやFancyZonesの強化が行われたほか、Microsoft EdgeやFirefoxなどのブラウザもアップデートが進んだ。Windows 11の利用率がSteam調査で低下し、Windows 10が再び首位に立ったことも興味深い。今後のアップデートがこれらの課題をどのように解決するかが注目される。

Copilotネイティブアプリが登場 AI統合が加速するWindows環境

Microsoftは、Windows 11およびWindows 10向けに「ネイティブCopilotアプリ」を発表した。XAMLベースのUIを採用し、Windowsのシステムとより深く統合されたアプリケーションとして設計されている。このアプリは、Windows Insiderプログラムのカナリーチャネルおよびベータチャネルで先行提供されており、ユーザーは最新のAI機能を試すことができる。

ただし、現段階では一部の機能が未実装であり、今後のアップデートを通じて本格的な展開が行われる見通しだ。Copilotの進化は、Windowsの利用体験を大きく変える可能性を持つ。従来のWebベースのAIアシスタントとは異なり、ネイティブアプリとして提供されることで、システムレベルでの最適化が進み、応答速度や機能の拡張性が向上することが期待される。

MicrosoftはCopilotを「o3-mini high model」へアップグレードし、無制限の無料AIアクセスを提供する方針を示しており、AIをWindowsの標準機能として普及させる戦略が鮮明になってきた。AI統合の流れは、Windowsだけにとどまらない。

Operaは「Operator」というAIブラウザを発表し、AIアシスタントの導入を進めている。GoogleもBardやGeminiを強化し、AIをOSレベルで活用する構想を持っている。Windows環境におけるCopilotの展開は、競争が激化するAI市場においてMicrosoftの優位性を確立する鍵となるだろう。

Windows 11 24H2の新たな問題 省電力モードへの意図しない移行

Windows 11の最新バージョン24H2で、ユーザーから新たな問題が報告されている。特定の状況下でアプリやウィンドウを最小化すると、OSが意図せず省電力モードに移行し、CPUクロック速度が大幅に低下する現象が発生している。これにより、PCのパフォーマンスが著しく低下し、特に高負荷の作業を行うユーザーにとって大きな問題となっている。

Windows 11の24H2は、最新の機能を提供する一方で、リリースごとに新たな問題が発生している。過去にも互換性の問題やパフォーマンスの低下が指摘されており、今回の省電力モードの不具合もその一環とみられる。Microsoftは既にこの問題を認識しており、今後のアップデートで修正が行われる可能性が高い。

ただし、正式な修正パッチの提供時期については明らかにされていない。この問題は、Windows 11の導入率にも影響を与える可能性がある。Steamのハードウェア&ソフトウェア調査(2025年2月)では、Windows 11の利用率が低下し、Windows 10が再びトップの座を奪還した。最新機能の導入よりも安定性を重視するユーザーが依然として多く、新バージョンへの移行をためらう傾向がうかがえる。

Microsoftが今後、安定性と新機能のバランスをどのように取るかが、Windows 11の普及における重要な課題となるだろう。

Source:Neowin