NVIDIAの次世代GPU「GeForce RTX 5060 Ti」と「RTX 5050」の詳細スペックがリークされた。RTX 5060 Tiは「GB206-300」ダイを採用し、4608のCUDAコアを搭載。メモリは8GBと16GBのGDDR7の2モデルが用意され、バス幅は128ビットとなる。これに対し、RTX 5050は「GB207-300」ダイを採用し、2560のCUDAコアと8GB GDDR6メモリを搭載。
RTX 5060 Tiのメモリ帯域幅は448GB/sに達し、前世代の4060 Tiを55%上回る見込みだ。TDPは5060 Tiが180W、5050が130Wとされる。発売時期は5060 Tiの16GB版が3月末、8GB版と5050は4月に予定されている。NVIDIAのメインストリーム向け最新GPUの動向に注目が集まる。
RTX 5060 TiとRTX 5050のスペック詳細 ー メモリ、バス幅、TDPの違い

RTX 5060 Tiは、GB206-300ダイを搭載し、4608のCUDAコアを備える。メモリは8GBと16GBのGDDR7モデルが存在し、128ビットのバス幅を採用。これにより、最大448GB/sのメモリ帯域幅を実現し、RTX 4060 Tiの帯域幅を約55%上回る。一方、RTX 5050はGB207-300ダイを採用し、CUDAコア数は2560。メモリは8GB GDDR6で、バス幅も128ビットに設定されている。
消費電力(TDP)は、RTX 5060 Tiが180Wで、前世代より20Wの増加。一方、RTX 5050は130Wで、RTX 4060よりも低い値となる。これにより、RTX 5050は電力効率の高いエントリー向けGPUとしての位置付けが強まる。RTX 5060 Tiは16GBモデルが3月末、8GBモデルが4月に発売予定で、5050も4月の登場が見込まれる。
RTX 5060 Tiのメモリ帯域幅の向上により、特に高解像度環境での性能向上が期待される。GDDR7の採用により、より高いデータ転送速度が可能になり、最新のゲームタイトルにおいてもパフォーマンスの安定性が向上すると見られる。特に、メモリ容量が16GBのモデルは、4K解像度や高度なレイトレーシング設定での使用を想定した製品となるだろう。
NVIDIAの戦略 ー RTX 5060 TiとRTX 5050が示すメインストリームGPUの進化
NVIDIAは、RTX 50シリーズにおいて、これまでの60クラスと50クラスのGPUを明確に差別化している。RTX 5060 Tiは、従来の60クラスに比べCUDAコア数が増加し、より高性能なメモリを搭載。メモリ帯域幅も強化されており、RTX 4060 Tiと比較して確実な進化を遂げている。一方で、RTX 5050は50クラスの復活という点で注目される。
RTX 40シリーズでは、50クラスのモデルがスキップされたが、RTX 5050の登場により、NVIDIAはエントリー向けGPU市場にも再び力を入れ始めたと考えられる。RTX 5050は2560のCUDAコアを搭載し、GDDR6メモリを採用。エントリーモデルとしては十分なスペックを持ち、コストパフォーマンスを重視するユーザー層に訴求する製品となる。
RTX 5060 Tiは、高性能志向のゲーマー向けとして設計され、特に16GBモデルは長期間にわたり高いパフォーマンスを維持できる可能性がある。一方、RTX 5050は低消費電力ながらもRTXの恩恵を受けることができ、ライトゲーマーやクリエイターにも適したモデルとなるだろう。
NVIDIAの戦略として、メインストリーム市場とエントリー市場を明確に切り分け、それぞれのユーザー層に最適化した製品展開を行っていることが伺える。
発売時期と市場への影響 ー RTX 5060 TiとRTX 5050の登場で変わる競争環境
RTX 5060 TiとRTX 5050の発売は、それぞれ3月末と4月に予定されている。特に5060 Tiの16GBモデルは、同価格帯での競争を優位に進める要素となる可能性がある。昨今のゲーム市場では、VRAMの使用量が増加しており、16GBメモリを搭載したモデルは、将来的なゲーム環境にも適応しやすい。これにより、ミドルクラスGPUの選択肢が広がり、競争が激化することが予想される。
エントリー市場では、RTX 5050がGTX 1650やRTX 3050の後継としての役割を果たすことになる。価格次第では、手頃な価格帯でレイトレーシングやDLSSの恩恵を受けられるGPUとして注目を集める可能性がある。AMDやIntelの競合製品と比較し、価格設定がどのように行われるかが市場の動向を左右する要素となるだろう。
また、RTX 5060 TiのGDDR7メモリの採用は、次世代メモリ技術の普及に向けた動きとしても興味深い。これにより、将来的にエントリークラスのモデルにもGDDR7が搭載される可能性があり、グラフィックス市場全体のスペック向上につながる展開も考えられる。RTX 5060 TiとRTX 5050の登場は、NVIDIAのGPU戦略の方向性を示す重要な出来事となるだろう。
Source:Wccftech