Microsoftは、特定のバージョンのAutoCAD 2022との互換性問題により課されていたWindows 11 バージョン24H2のアップグレード制限を解除した。これは、Autodeskが提供する最新のAutoCAD 2022.1.4アップデートによって、起動時のバグが解決されたことを受けたものである。

影響を受けていたのはAutoCAD 2022を利用するユーザーのみで、2023以降のバージョンでは問題が発生しない。Microsoftによると、更新適用後、最大48時間以内にWindows 11 24H2の提供が再開されるが、システムの再起動により検出を早めることが可能である。

なお、Windows 11 24H2では他にもCPUクロックの異常制限や統合カメラの不具合、特定のゲームでのアンチチートソフトウェアとの互換性問題が報告されており、Microsoftはこれらの修正対応を進めている。


Windows 11 24H2のアップグレード制限解除 影響を受けたユーザーと対応手順

Microsoftは、AutoCAD 2022の特定バージョンとの互換性問題により、Windows 11 24H2のインストールを一部ユーザーに制限していた。この問題は、Autodeskが提供するアップデート「S182.0.0 AutoCAD 2022.1.4」により修正され、Microsoftはアップグレード制限を解除した。

影響を受けたのはAutoCAD 2022を使用するユーザーであり、2023、2024、2025のバージョンを利用している場合は問題なくWindows 11 24H2へ移行できる。Microsoftの公式発表によると、制限が解除されるまで最大48時間の遅れが発生するが、システムを再起動することでアップグレードが即座に適用される可能性がある。

この問題はAutoCAD 2022のみに限定され、Windows 11の過去のバージョンでは発生していない。Microsoftは、今後も他のソフトウェアとの互換性問題に対する検証を続けると述べており、企業ユーザーや設計業務に携わる技術者は、ソフトウェアのバージョン管理と定期的なアップデートを怠らないことが重要となる。

Windows 11 24H2で発生している他の不具合とその影響

Windows 11 24H2では、AutoCADとの互換性問題以外にもいくつかの技術的な問題が報告されている。その中でも注目されるのが、特定のPC環境でCPUクロックが制限される現象だ。一部のユーザーは、システムが意図せずクロック速度を低下させ、パフォーマンスに影響を及ぼしていると報告している。

また、統合カメラの動作不良も確認されており、特定のデバイスではカメラが正常に認識されない事例が発生している。加えて、一部のゲームタイトルではアンチチートソフトウェアとの互換性問題があり、起動時にエラーが発生するケースがある。これらの不具合について、Microsoftは公式ページで情報を公開し、現在調査と修正対応を進めていると発表している。

Windows 11 24H2のリリースは多くの新機能を伴う重要なアップデートであるが、このような技術的課題が浮上することで、一部のユーザーにとっては慎重な対応が求められる。特に業務で使用するデバイスの場合、Microsoftの最新情報を注視し、十分な準備を整えた上でアップグレードを行うことが推奨される。

互換性問題の背景とOSアップデート時に求められる対策

OSのアップグレード時に特定のソフトウェアとの互換性問題が発生することは珍しくない。Windows 11 24H2におけるAutoCAD 2022の問題もその一例であり、ソフトウェアの更新が必要となるケースは過去にも見られた。特に、業務用の専門ソフトウェアはシステムの挙動に深く関わるため、新OSリリース時には慎重な対応が必要となる。

企業や個人ユーザーにとって、こうした問題に備えるためには、ソフトウェア開発元の対応状況を確認し、事前に適用すべきアップデートがないかを把握することが不可欠である。また、OSの大型アップデート前には、互換性リストの確認や、バックアップの作成といった基本的な対策も怠るべきではない。

Microsoftは今回の事例を受け、互換性検証プロセスの改善を進める可能性があるが、最終的な対応はユーザー側にも求められる。特に業務で影響を受ける可能性がある場合は、慎重に動向を見極め、最適なタイミングでのアップグレードを検討することが重要となる。

Source:Neowin