マイクロソフトは、Windows 11 Insider Preview Build 27808をCanaryチャネル向けにリリースした。本ビルドでは、Microsoft Storeの大規模なアップデートが実施され、ストアのスポットライトエリアのデザイン刷新により、より多くのアプリやゲームが直感的に閲覧できるようになった。加えて、ダウンロードページが改善され、インストール済みアプリの更新状況を把握しやすくなっている。

このほか、タスクマネージャーも改良され、CPU使用率の計算方法が統一されたほか、新たな「CPUユーティリティ」列が追加された。さらに、Robloxの起動クラッシュ問題や印刷時のエラーなど複数の不具合が修正された。一方で、Windows Helloの認証エラーや特定アプリの起動障害といった既知の問題も報告されており、マイクロソフトはユーザーにフィードバックを求めている。


Microsoft Storeの刷新がもたらす新たなユーザー体験

Windows 11 Build 27808では、Microsoft Storeの大規模なアップデートが実施された。特に注目すべきは、スポットライトエリアのデザイン変更である。従来よりも視認性が向上し、スクロールすることなく、アプリやゲームの情報を一覧できるようになった。また、ダウンロードページも改良され、インストール済みのアプリやゲームの更新情報が直感的に確認可能になっている。これにより、ユーザーは手間なく最新バージョンへアップデートできる環境が整った。

この改善は、競合プラットフォームとの競争を意識したものと考えられる。特に、SteamやEpic Games Storeなどのゲームストアは、洗練されたUIと快適な更新管理を特徴としており、Microsoft Storeも同様の利便性を追求している。Windowsをゲームプラットフォームとして強化する動きは、PC市場における競争力を高める要素となる。マイクロソフトがこの分野に本格的に取り組むことで、ストアの利用率向上につながる可能性がある。

タスクマネージャーの改良がシステム管理に与える影響

本ビルドでは、タスクマネージャーの機能改善も注目に値する。CPU使用率の計算方法が統一され、プロセス、パフォーマンス、ユーザータブの情報が一貫性を持つようになった。さらに、「CPUユーティリティ」と呼ばれる新たな列が詳細タブに追加され、従来のCPU使用率と並行して詳細な負荷状況を把握できるようになった。この変更により、リソース管理の正確性が向上し、システム全体の監視がしやすくなっている。

この改良は、特にエンタープライズ環境での活用が期待される。企業で利用されるWindows端末は、業務アプリやバックグラウンドプロセスが多いため、CPUリソースの最適化が重要となる。今回の改善により、IT管理者は負荷分散をより効率的に行うことが可能になり、システムの安定性向上にも寄与するだろう。加えて、一般ユーザーにとっても、リソース消費の詳細な把握が可能となり、パフォーマンス最適化の判断材料として活用できる。

修正された不具合と未解決の既知問題

本ビルドでは、複数の不具合が修正された。ゲーム関連では、Robloxの起動時クラッシュ問題が解決され、安定したプレイ環境が提供されるようになった。印刷時に発生していたグリーンスクリーンエラーも修正され、業務利用時の障害が軽減された。また、検索ウィンドウのクラッシュや、スリープ復帰後のカラープロファイルの読み込み遅延といった問題も改善され、システム全体の安定性が向上している。

一方で、未解決の問題も存在する。特に、Windows HelloのPINおよび生体認証エラーは、一部のユーザーに影響を与える可能性がある。また、d3d9.dllのクラッシュにより、一部のアプリが起動できない事象も報告されている。これらの問題は、特定の環境で発生することが多いため、マイクロソフトはユーザーにフィードバックの提供を呼びかけている。今回のビルドは多くの改善を含むが、まだ完全ではなく、今後のアップデートでさらなる修正が求められる。

Source:Windows Report