Microsoftは、Windows 11の新たなプレビュー版「Build 26120.3380(KB5053660)」をDevおよびBetaチャンネル向けに公開した。本バージョンでは、スタートメニューの「推奨」セクションにスナップグループの提案が追加され、マルチタスクの利便性が向上。また、システムトレイには、絵文字やGIFを素早く入力できる新しいボタンが導入された。

加えて、ファイルエクスプローラーには推奨ファイルの表示機能が拡張され、企業や学校アカウント利用者はより多くの候補を活用できるようになった。さらに、中国語(簡体字)のリアルタイム翻訳がCopilot+ PCで利用可能になり、ライブキャプション機能の強化が図られている。

その他、PCスペックを簡単に確認できる「トップカード」や、Microsoftアカウント関連の新たなトースト通知の導入など、多岐にわたる改良が実施された。既知の不具合も報告されているが、今後の修正が見込まれる。アップデートにより、より直感的かつ快適なWindows 11環境の実現が期待される。

Windows 11のスタートメニューが進化 スナップグループの推奨機能を追加

Windows 11 Build 26120.3380では、スタートメニューの「推奨」セクションに新たなスナップグループの提案機能が導入された。この機能は、ユーザーが頻繁に使用するアプリの組み合わせを分析し、最適なグループを提示するものだ。

従来のスタートメニューは、最近使用したアプリやファイルの表示にとどまっていたが、今回のアップデートで作業の効率化を促す仕組みが強化された。スナップグループは、Windows 11のマルチタスク機能「スナップレイアウト」の一環であり、複数のアプリを画面上で並べて作業する際に活用される。

例えば、ブラウザと文書作成ソフトを並べて使用する場合、過去の利用履歴から最適な組み合わせを提示し、ワンクリックで再現できる。これにより、作業環境の復元が容易になり、業務の効率向上が期待される。

この機能は、特にリモートワークの増加に伴い、マルチタスクを多用するユーザーにとって有益となるだろう。従来、作業環境を整えるために都度アプリを手動で起動・配置していたが、スナップグループの推奨機能により、その手間が軽減される。こうした小さな改善が、作業のストレスを減らし、Windows 11の利便性をさらに向上させていく。

システムトレイの新機能 絵文字・GIF入力を手軽に

Windows 11 Build 26120.3380では、システムトレイに新たな入力支援ボタンが追加された。このボタンをクリックすると、絵文字、GIF、顔文字(Kaomoji)が簡単に選択・入力できる。従来、これらの入力には「Win + .」のショートカットを使用する必要があったが、新機能により、より直感的な操作が可能となった。

この機能の導入により、ビジネスチャットやSNS、メールなどでのコミュニケーションがスムーズになることが期待される。特に、リモートワークが普及し、非対面でのやり取りが増えた現在、表情や感情を視覚的に伝える手段として絵文字やGIFは重要な役割を果たす。

従来のWindowsでは、サードパーティ製のアプリを活用するケースも多かったが、今回の機能追加により、OS標準の環境で手軽に利用できるようになった。また、システムトレイの設定からこの機能をカスタマイズすることも可能だ。

不要な場合は非表示にできるため、シンプルな環境を求めるユーザーにも配慮されている。Microsoftは、従来の「Win + .」ショートカットも引き続き利用できるとしており、新機能と併用することで、より快適な入力環境を実現できるだろう。

「トップカード」機能が追加 PCスペックの確認を容易に

新たに導入された「トップカード」機能により、Windows 11の「システム > 詳細情報」ページで、PCのスペックが一目で確認できるようになった。この機能は、プロセッサ、RAM、ストレージ、GPUの情報を整理し、視認性の高い形で表示するものだ。

従来、ユーザーがこれらの情報を確認するには、詳細な設定画面を開く必要があったが、新機能の追加により、手間をかけずにハードウェアの状態を把握できるようになった。特に、PCのパフォーマンスを意識するユーザーにとって、簡単にスペックを確認できることは大きな利点となる。

例えば、処理速度の低下を感じた際に、CPUやメモリの負荷状況を素早くチェックできる。また、ストレージの残容量を即座に把握することで、不要なファイルの整理や、外部ストレージの活用といった判断が容易になる。

ただし、この機能は企業向けの管理されたPCでは利用できない仕様となっている。主に個人ユーザー向けに設計されており、特にデスクトップPCでの利用を想定している。Microsoftは今後もWindows 11の利便性向上を進めていく方針であり、本機能のような視認性の向上施策は、ユーザーの満足度を高める要素となるだろう。

Source:Neowin