量子-古典ハイブリッドコンピューティングの先駆者であるリゲッティ・コンピューティング(RGTI)が、3月12日に開催されるカントール・グローバル・テクノロジー・カンファレンスで脚光を浴びる可能性がある。同社CEOのスボード・クルカルニ博士が登壇し、最新技術や市場戦略について議論する予定だ。
同社は2024年第4四半期決算で市場予想を下回ったものの、株価は発表翌日に4%上昇。特に台湾の大手クアンタ・コンピューターとの戦略的提携が評価され、今後5年間で総額2億ドル以上の投資を受ける計画が進行中である。この動きにより、リゲッティは量子コンピュータ分野における競争力を一層高めると見られる。
また、ウォール街のアナリストは同社の長期的な成長性に注目しており、目標株価を引き上げる動きが相次ぐ。強気な見通しを反映し、現在の平均目標株価は14.60ドルとされており、最大で120%の上昇余地があるとの分析もある。今後の発表が、投資家の評価を左右する重要な契機となるだろう。
リゲッティ・コンピューティングの技術的優位性と市場における立ち位置

リゲッティ・コンピューティング(RGTI)は、量子-古典ハイブリッドコンピューティングの分野で独自のポジションを築いている。同社は2017年から「Rigetti Quantum Cloud Services」を提供し、クラウドを介して量子演算の利用を可能にしてきた。さらに、マルチチップ量子プロセッサの開発に成功し、スケーラブルな量子コンピューティングの実現に向けた重要な一歩を踏み出している。
市場においても、リゲッティは注目を集めている。同社の株価は過去52週間で284%上昇し、直近6カ月では938%の急騰を記録した。これにより、S&P 500指数の9.5%の伸びを大きく上回るパフォーマンスを見せた。しかし、現在の株価売上比率(P/S比)は151.6倍と、業界の中央値である3.01倍を大幅に上回っており、市場の期待が過熱している可能性も指摘される。
リゲッティが今後も成長を維持するためには、技術の商業化が鍵となる。現在の量子コンピューティング市場は研究段階が中心であり、実用化に向けたマイルストーンの達成が投資家の信頼を左右する。3月12日のカントール・グローバル・テクノロジー・カンファレンスでは、同社の進捗がより明確に示されると見られる。
戦略的提携と投資がもたらす成長機会
リゲッティは、クアンタ・コンピューター(Quanta Computer)との戦略的提携を通じて、量子コンピュータの商業化を加速させる方針だ。クアンタはFortune 500企業にも名を連ねる大手サーバーメーカーであり、今後5年間で1億ドル以上の投資を行う予定である。また、クアンタはリゲッティへの3,500万ドルの株式投資も予定しており、現在、規制当局の承認待ちの段階にある。
この提携は、リゲッティにとって大きな成長機会となる可能性がある。クアンタはサーバー分野で豊富なノウハウを持ち、量子コンピュータとクラシカルコンピュータの統合を進める上で、技術・市場両面での相乗効果が期待される。また、クアンタが保有するグローバルな製造・供給網は、リゲッティの技術を商業化する上で強力な支援となるだろう。
しかし、量子コンピューティング市場は依然として発展途上であり、商業的成功には課題も多い。現在の技術ではエラー訂正やスケーラビリティの問題が残されており、クアンタとの提携がこれらの課題を解決するための実質的な成果を生むかが注目される。今後の進捗次第では、市場評価がさらに高まる可能性がある一方で、期待が過剰となるリスクもある。
アナリストの見解と投資家の期待
リゲッティの2024年第4四半期決算は、市場予想を下回る結果となった。売上高は2.3百万ドルと、予想の2.5百万ドルを下回り、前年同期比で32.6%の減少を記録した。また、1株当たり損失も0.68ドルと、予想の0.07ドルを大きく超える悪化となった。それにもかかわらず、投資家の反応は比較的落ち着いており、発表翌日に株価は4%上昇した。
ウォール街のアナリストは、リゲッティの短期的な財務指標よりも、技術開発の進捗と長期的な成長性を重視している。アライアンス・グローバルのブライアン・キンストリンガー氏は、クアンタとの提携を「同社のリーダーシップをさらに証明するもの」と評価し、目標株価を15ドルから16ドルに引き上げた。同様に、ニーダムは目標株価を17ドルに設定し、ベンチマークは2.50ドルから14.00ドルへと大幅に引き上げている。
現在、ウォール街のコンセンサスは「強い買い(Strong Buy)」であり、アナリスト5人のうち4人が「強い買い」、1人が「やや買い」としている。平均目標株価は14.60ドルで、これは現在の水準から89%の上昇余地があるとされる。最も強気な見方では17ドルとされ、120%の上昇が期待できるとの予測もある。ただし、これらの見解は量子コンピューティング市場の成長を前提としており、技術開発が予定通り進まなければ、市場の期待が修正される可能性も否定できない。
Source:Barchart.com