SamsungがGalaxy Z Fold 6向けに提供するOne UI 7のベータ版で、新たにPixel Foldの機能を取り入れたことが判明した。今回のアップデートでは「スワイプでアプリを継続利用できる機能」と「自動で隠れるタスクバー」の2つが追加され、フォルダブル端末の操作性が向上している。
スワイプによるアプリ継続機能は、OppoやHonorのフォルダブル端末、そしてPixel 9 Pro Foldではすでに実装されていたものだが、Samsungは今回初めて導入。この機能により、内側のディスプレイで開いていたアプリを、端末を閉じた後もロック画面からスワイプするだけで即座に継続利用できるようになった。
Galaxy Z Fold 6に追加された2つの新機能とは

Galaxy Z Fold 6のOne UI 7アップデートでは、「スワイプでアプリを継続」と「自動で隠れるタスクバー」の2つの機能が新たに導入された。これらの機能は、Pixel FoldシリーズやAndroid標準の進化を取り入れる形でSamsungのフォルダブル端末に適用された。
「スワイプでアプリを継続」機能は、内側ディスプレイで開いていたアプリを、デバイスを閉じた後もスムーズに使い続けられるようにするものだ。Pixel 9 Pro FoldやOppoのフォルダブル端末ではすでに実装されており、ユーザーの利便性向上に大きく貢献している。今回、Galaxy Z Fold 6にも採用されることで、複数のアプリを柔軟に使いこなせる環境が整った。
もう一つの「自動で隠れるタスクバー」は、GoogleがAndroid 13で追加した機能で、必要なときにのみ表示される仕組みだ。従来のGalaxy Z Foldシリーズではタスクバーは固定されており、画面の一部を常に占有していた。One UI 7のアップデートにより、ユーザーはタスクバーの表示方法を選択できるようになり、画面の使い方がより柔軟になった。
SamsungがPixel Foldの機能を取り入れた理由
Galaxy Z Foldシリーズはフォルダブル端末市場の先駆者であるが、ソフトウェア面では他社の進化に後れを取ることもある。特に、GoogleのPixel FoldやOppo、Honorのフォルダブル端末が取り入れた機能が、Samsungでは実装されていないケースがこれまで見られた。今回のアップデートは、そうした状況を改善するための一環と考えられる。
GoogleはAndroidの開発を主導する立場にあるため、フォルダブル端末向けの最適化を先行して行うことができる。そのため、Pixel Foldシリーズには最新のUIや機能がいち早く搭載される傾向がある。今回SamsungがOne UI 7で「スワイプでアプリを継続」と「自動で隠れるタスクバー」を導入したのも、Androidの標準機能との整合性を保つための動きと見ることができる。
また、フォルダブル端末市場の競争が激化していることも要因の一つだ。OppoやHonorなどのメーカーが独自のソフトウェア改善を進める中、Samsungも最適なユーザー体験を提供するために、他社の優れた機能を取り入れる必要があった。こうしたアップデートが継続されることで、Galaxy Z Foldシリーズはさらなる進化を遂げることになるだろう。
One UI 7の正式リリースと今後の展開
One UI 7の正式版は2025年4月に配信予定とされている。現在のベータ版ではGalaxy Z Fold 6向けの新機能が試されている段階であり、今後のフィードバックを受けて細かな調整が行われる可能性がある。
今回のアップデートは、Galaxy Z Fold 6のユーザーにとって利便性向上の大きな一歩となる。特に、「スワイプでアプリを継続」機能によるシームレスなアプリ切り替えや、「自動で隠れるタスクバー」による画面の有効活用は、日常的な使用において実感しやすい改善点となるだろう。
今後の展開として、Galaxy Z Fold 5以前のモデルにこれらの機能が提供されるかどうかも注目される点だ。Samsungの過去のアップデート傾向を考慮すると、最新モデル以外にも機能が展開される可能性はあるものの、すべての機能が適用されるとは限らない。正式版の配信後、どの範囲の端末にこれらの改善が及ぶのか、引き続き注目したい。
Source:9to5Google