Microsoftは、Windows 11のスタートメニューに新機能「スマートスナップ提案」をテストしている。この機能は、ユーザーが最近スナップしたアプリの組み合わせを学習し、スタートメニューの「おすすめ」セクションに最適なアプリグループを表示するものだ。作業の効率化が期待されるが、従来から不評の多い「おすすめ」セクションの使い勝手が改善されるかは不透明である。

また、設定アプリの「バージョン情報」内にPCスペックに関するFAQセクションが追加される予定だ。ストレージやGPU、RAMなどの基本情報を分かりやすく解説し、初心者が自身のPCスペックを理解しやすくなるとみられる。これまでWindows 10で採用されていた「カードUI」もWindows 11に移植される見込みで、より直感的なインターフェースが実現する可能性がある。

スタートメニューの「スマートスナップ提案」とは何か

Microsoftは、Windows 11のスタートメニュー「おすすめ」セクションに「スマートスナップ提案」を導入するテストを進めている。この機能は、ユーザーが過去にスナップしたアプリの組み合わせを分析し、スタートメニュー上で提案する仕組みだ。

スナップとは、複数のアプリを画面上で並べ、作業環境を最適化する機能である。これにより、マルチタスクの効率向上が期待される。従来、スナップ機能はアクティブなウィンドウを手動で調整する必要があった。しかし、「スマートスナップ提案」により、ユーザーはよく使用するアプリの組み合わせを即座に呼び出せるようになる。

特に、同じ作業フローを繰り返すビジネスシーンでは、時間短縮の効果が大きい。たとえば、ブラウザとエクセルを常に並べて使う場合、これらを即座にセットアップできるようになる。一方で、この機能がどの程度カスタマイズ可能かは不明である。

ユーザーが手動で提案内容を編集できるのか、それとも完全にシステム側の学習結果に依存するのかによって、利便性は大きく変わる。また、スタートメニューの「おすすめ」セクションは不要だとする声も多く、新機能の受け入れられ方にも注目が集まる。

PCスペックFAQの導入がもたらす影響

設定アプリの「バージョン情報」内にPCスペックに関するFAQセクションが追加される。これにより、ユーザーはストレージやGPU、RAM、プロセッサの詳細を直感的に理解しやすくなる。Windows 10で採用された「カードUI」も、Windows 11の23H2および24H2で再導入される見込みだ。

このインターフェースの特徴は、テキストとビジュアルを組み合わせ、情報を整理しやすくする点にある。FAQセクションの目的は、特に初心者向けにPCの基本仕様を説明することにある。たとえば、「このPCのGPUはゲームに適しているか」「RAMの増設は可能か」といった一般的な疑問に答える形となる。

ただし、上級者向けの詳細な技術情報には踏み込まないため、すべてのユーザー層にとって十分な情報源になるかは疑問が残る。現時点では、FAQセクションは単なる表示機能にとどまっており、クリックして詳細を確認することはできない。

将来的にインタラクティブな要素が追加される可能性はあるが、公式の発表はない。PCスペック情報の理解を容易にする試みは歓迎されるべきだが、FAQが静的な情報提供に終始する場合、利用価値は限定的になるだろう。

Microsoftの新機能はWindows 11の評価を変えられるか

Windows 11はリリース以来、ユーザーインターフェースの変更やシステム要件の厳格化により、評価が分かれてきた。特に、スタートメニューの「おすすめ」セクションは不評が多く、これを活用しようとする「スマートスナップ提案」がどのように受け入れられるかは不透明である。

この機能が実装されれば、マルチタスクを頻繁に行うユーザーにとってはメリットが大きい。しかし、提案されるスナップグループが適切でなければ、使い勝手は向上しない。また、カスタマイズ性が低い場合、ユーザーが思うように利用できず、結局無視される可能性もある。

一方、PCスペックFAQの追加は、初心者層にとって有益なアップデートとなるだろう。ただし、現在の状態では情報が限定的であり、ユーザーの疑問に十分に対応できるかは未知数である。今後、FAQの内容が充実し、インタラクティブな操作が可能になれば、より幅広い層にとって有用な機能となる可能性がある。

Microsoftのこれらの取り組みがWindows 11の評価向上につながるのか、今後の展開が注目される。

Source：Windows Latest