Nvidia(NASDAQ: NVDA)の株価が今週、100ドルを割り込む可能性が高まっている。直近の取引で5%以上下落し106.98ドルまで落ち込んだことで、AIブームによる過去数年の利益が消失するとの懸念が広がっている。

2025年に入り、同社の株価は年初来22%以上の下落を記録。特に、第4四半期の好調な決算にもかかわらず市場の弱気トレンドが続いており、100ドルの節目を維持できるかが焦点となっている。

Nvidia株、100ドルの壁を試す市場の動きとは

Nvidia(NASDAQ: NVDA)はAI市場での圧倒的な存在感を維持しつつも、直近の株価下落により100ドルのサポートラインが試されている。3月の取引では5%以上の急落を記録し、106.98ドルで引けた。これは年初からの下落幅が22%以上に達することを意味し、昨年の高騰とは対照的な展開となっている。

市場では、広範な売り圧力とテクニカルな要因が重なり、100ドルを下回る可能性が指摘されている。特に、Nvidiaの第4四半期決算が過去最高の売上を記録したにもかかわらず株価が反発しなかった点は、投資家心理の弱さを示している。

一方で、過去の値動きから見ると、Nvidia株は重要なサポートを試した後に大きく反発する傾向がある。2024年8月5日には同様の状況から急騰し、直近11カ月では日足RSIが34に達した際、26.85%以上の上昇を見せている。この動きが繰り返されるかどうかが、今後の展開を左右する。

テクニカル分析が示す反発と下落のシナリオ

Nvidia株の今後を占う上で、テクニカルな指標が重要な役割を果たす。著名トレーダーのTradingShotは、同株が2024年6月以来「上昇チャネル」の範囲内で動いており、現在の下落が「弱気局面」に該当すると指摘する。これまでのパターンに従えば、一定の下落の後に反発する可能性がある。

特に、現在の価格水準は「高値の切り上げトレンドライン」に接しており、過去にこの水準で反発が起こっている。これを考慮すると、短期的な持ち直しも視野に入る。一方で、Stock Whaleの分析では、Nvidia株が既に重要なトレンドラインを割り込み、102ドルから77ドルのサポートゾーンを目指していると指摘されている。

中でも、91ドルや75ドルの水準が重要なピボットポイントとなり、これを下回るとさらなる下落リスクが高まる。市場の不安定な動きが続く中、「落ちるナイフ」を掴もうとするのは危険だとの見方もある。短期的な値動きに翻弄されるよりも、中長期の視点での判断が求められる局面だ。

AI時代を支えるNvidiaの成長ポテンシャル

NvidiaはAI市場のリーダーとしての地位を確立しており、ファンダメンタルズは依然として強固だ。同社の第4四半期決算では、売上高が393億3,000万ドルに達し、市場予想を上回った。特に次世代AIチップ「Blackwell」が110億ドルの売上を記録し、最も急速に普及した製品となった。

さらに、Nvidiaは2025年第1四半期の売上予想を430億ドルとしており、前年同期比65%の成長を見込んでいる。この勢いを考慮すると、短期的な株価の動きとは別に、同社の成長ストーリーには大きな期待が寄せられている。

ウォール街のアナリストの予測では、今後12カ月でNVDA株は150ドルを突破する可能性があるとされている。しかし、市場のセンチメントやマクロ経済の影響も無視できず、短期的にはさらなる調整局面も想定される。株価の変動が激しい中で、Nvidiaの技術革新と市場での競争力がどのように反映されるかが、今後の焦点となるだろう。

Source:Finbold