AI革命の中心にいるNvidia(NVDA)は、ここ数年で驚異的な株価上昇を遂げた。しかし、直近の市場動向により、その評価額が改めて注目を集めている。投資会社Bernsteinのアナリストは、同社の成長ポテンシャルを評価し、依然として「アウトパフォーム」との見解を示した。

2025年のGTC AIカンファレンスを控え、Nvidiaの次なる戦略が期待される中、Blackwell AI半導体チップの需要拡大やデータセンター事業の成長が引き続き業績を押し上げる要因と見られている。また、最新決算では市場予想を上回る売上・利益を記録し、2026年度の見通しも力強いものとなった。

アナリストの評価では、目標株価が現在の水準から最大で105%の上昇余地があるとされており、Nvidiaの成長に対する市場の期待は依然として高い。果たして今が買い時なのか、それともさらなる調整を待つべきなのか、投資家にとっての判断が問われる局面となっている。

Nvidiaの最新決算が示す驚異的な成長と市場の期待

Nvidiaは2025年度第4四半期決算で、売上高393億ドルという過去最高の業績を記録した。市場予想の381億ドルを上回り、前年比77.9%増という驚異的な成長を遂げた。利益面でも、調整後EPSは0.89ドルと市場予想の0.85ドルを超え、71.2%の増加を見せた。この成長の中心にあるのがデータセンター事業で、売上は前年比でほぼ2倍となる356億ドルに達している。

データセンター向けのAI半導体「Blackwell」シリーズの需要が急拡大し、大手クラウドプロバイダーであるAmazonやMicrosoftとの提携がさらなる成長を後押ししている。また、自動車業界でもトヨタやヒュンダイとの協業が進み、AI技術の活用範囲が広がっている点も注目される。2026年度第1四半期の売上予測は430億ドル(±2%)とされ、前年同期比65%増の成長が見込まれている。

このように、NvidiaはAI市場の拡大を背景に力強い成長を続けているが、今後もこの勢いが維持されるのかが焦点となる。Blackwellチップの供給状況や新たな競争環境の変化が、成長を左右する要因になる可能性がある。AI市場の進展に伴い、Nvidiaの戦略がどのように変化するのか、投資家だけでなく技術の進化を注視するユーザーにとっても目が離せない状況だ。

Nvidiaの評価額は依然として割安なのか

過去3年間で409.9%という驚異的な株価上昇を遂げたNvidiaだが、一部の指標では依然として割安と評価されている。同社の予想株価収益率(P/Eレシオ)は26.71倍で、テクノロジーセクターの平均を下回る水準にある。また、予想株価売上高倍率(P/Sレシオ)は13.47倍で、過去5年の平均よりも32.8%低い。これらの指標から見れば、依然として成長の余地があるとの見方ができる。

しかし、これほどの成長を続けた企業が、今後も同じペースで株価を伸ばせるかは慎重に見極める必要がある。半導体業界では、需要と供給のバランスが株価に大きな影響を与えるため、AIブームが続くかどうかが鍵となる。また、競合企業との技術開発競争が激化する中で、Nvidiaが独占的なポジションを維持し続けられるかどうかも重要だ。

アナリストの間では、Nvidiaの目標株価を185ドルとする見解もあり、現在の水準から65%の上昇余地があるとされている。一方で、市場の変動要因を考慮すると、短期的な調整が入る可能性も否定できない。これからの数年間で、Nvidiaがどのように市場環境の変化に対応するのかが、今後の評価額を大きく左右することになるだろう。

Source:Barchart.com