バンダイナムコの人気ゲーム『塊魂』シリーズに完全新作が登場する。タイトルは『塊魂 Rolling Live』で、4月3日よりApple Arcade限定で配信される。本作では「王様」がライブ配信者となり、プレイヤーが塊を転がして視聴者を増やしていくという新たなストーリーが展開される。

過去にリマスター作品が発売されたものの、新作としてのリリースは久しぶりとなる。開発にはオリジナルの生みの親である高橋慶太氏は関与していないが、シリーズの持つ独特のユーモアやプレイ感覚は受け継がれているようだ。

また、Apple Arcadeでは4月に『Space Invaders Infinity Gene Evolve』や『ローラーコースタータイクーン Classic+』なども配信予定で、クラシックゲームの進化形がラインナップに加わる。Apple Arcadeの新作発表は、モバイルゲーム市場の活性化に影響を与える可能性がある。

Apple Arcade限定タイトル『塊魂 Rolling Live』がもたらす新たなゲーム体験

『塊魂 Rolling Live』は、Apple Arcade専用タイトルとして4月3日に配信される。本作は、過去のリマスター作品とは異なり完全新作であり、シリーズのユニークなゲーム性と新たなテーマを融合させた作品となる。主人公の「王子」は、父である「王様」のライブ配信を成功させるため、塊を転がして視聴者を集めることが目的となる。

このストーリー設定は、現代のストリーミング文化を意識したものと考えられ、シリーズの奇抜な世界観に新たな解釈を加えた形だ。ゲームプレイの基本構造は従来の『塊魂』と同様に、あらゆる物を巻き込みながら塊を大きくしていく方式が採用されている。

ただし、操作方法は過去のSwitch版リメイクに見られたジャイロ機能ではなく、一般的なジョイスティック操作となる可能性が高い。ビジュアル面では、過去作のカラフルで独特なアートスタイルを維持しつつ、新たな表現技法が加えられているようだ。

Apple Arcadeは従来のコンソール市場とは異なるユーザー層を持つため、本作の配信は、これまで『塊魂』シリーズに触れてこなかったプレイヤーにとっても新鮮な体験をもたらすだろう。本作の開発には、『塊魂』シリーズの生みの親である高橋慶太氏は関与していない。

しかし、過去作のリマスター版を手掛けたバンダイナムコが制作しており、オリジナルの精神を継承しつつ、新たなアイデアを盛り込んでいると考えられる。Apple Arcade限定というプラットフォームの特性を活かし、スマートフォンやタブレットでの快適なプレイ環境がどのように実現されるかが注目される。

Apple Arcadeの新作ラインナップとクラシックタイトルの進化

『塊魂 Rolling Live』の配信と同時に、Apple Arcadeでは複数の新作タイトルが登場する。その中でも特に注目されるのが、『Space Invaders Infinity Gene Evolve』である。このタイトルは、往年のアーケードゲーム『スペースインベーダー』をベースに、プレイを重ねるごとにゲームが進化していく仕組みを取り入れている。

クラシックな8ビットのシューティングから始まり、最終的には3Dの弾幕シューティングへと変化するというシステムは、長年のファンにとっても新鮮な驚きを提供するだろう。また、『ローラーコースタータイクーン Classic+』も4月の新作としてリリースされる。

初代『ローラーコースタータイクーン』およびその続編のエッセンスをモバイル向けに最適化した本作は、懐かしさと新たなプレイ体験を兼ね備えた作品となる。『塊魂 Rolling Live』のように独特なゲームデザインを持つタイトルと並び、シミュレーションジャンルの名作が加わることで、Apple Arcadeのラインナップがさらに充実することになる。

このようなクラシックタイトルの進化型ゲームが続々と登場する背景には、近年のゲーム市場における「レトロブーム」があると考えられる。特にモバイルゲーム市場では、かつての名作が現代向けにリメイクされ、新たなプレイヤー層に受け入れられる傾向が顕著だ。

Apple Arcadeは買い切り型のサブスクリプションモデルを採用しているため、ユーザーにとっては追加課金の必要なく、これらの新作を存分に楽しめる点も大きな魅力となる。

Apple Arcadeの戦略とモバイルゲーム市場の今後

Apple Arcadeは、従来のスマートフォン向けゲームとは異なり、広告なし・追加課金なしの定額制モデルを採用している。これは、プレイヤーが純粋にゲームを楽しめる環境を提供する一方で、開発者側にとっては収益モデルの変化を意味する。

『塊魂 Rolling Live』のような有名シリーズの新作を独占タイトルとして配信することで、Appleはプラットフォームの魅力を高め、契約者数の増加を狙っていると考えられる。また、Apple Arcadeは単なるカジュアルゲームのプラットフォームにとどまらず、『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』のようなRPGや、高品質なインディーゲームなども積極的に取り入れている。

今回の『塊魂 Rolling Live』のリリースも、こうした戦略の一環として捉えられる。過去には、Netflixがゲーム事業への進出を図る動きも見られたが、Apple Arcadeはそれとは異なり、独自のラインナップを築きながら、定額制ゲーム市場を確立しようとしているようだ。

モバイルゲーム市場では、基本プレイ無料のタイトルが主流となっているが、Apple Arcadeのような買い切り型サブスクリプションモデルがどこまで浸透するかは未知数である。今後の展開次第では、ほかのプラットフォームやメーカーが同様のモデルを採用する可能性も考えられる。『塊魂 Rolling Live』の配信が、この市場にどのような影響を与えるか、注目が集まる。

Source:The Verge