SamsungのGalaxy Z Fold 6が、One UI 7のベータ版を通じて大幅な機能向上を遂げた。特に注目されるのは、アプリ継続機能の強化だ。従来は手動設定が必要だったが、今回のアップデートで3つの新しいオプションが追加され、操作の自由度が向上した。

新たに導入された「スワイプで継続」は、OnePlus OpenやPixel Foldの機能に近く、ユーザーがスムーズにアプリを引き継げるようになる。さらに、タスクバーの仕様も見直され、アプリ使用時には自動で隠れる設計に変更。利便性を高める工夫が随所に施されている。

One UI 7の新機能 アプリ継続の3つの選択肢がもたらす柔軟性

One UI 7のベータ版では、Galaxy Z Fold 6のアプリ継続機能が大幅に強化された。従来の設定では、アプリがメイン画面からカバー画面に移行するかどうかをユーザーが手動で設定する必要があった。しかし、新たに追加された3つのオプションにより、操作の幅が広がった。

最も注目されるのは「スワイプで継続」だ。これは、デバイスを閉じる際にスワイプ操作をすることでアプリをカバー画面に移行させる仕組みで、Pixel FoldやOnePlus Openの動作と類似している。このほか、「常に」ではデバイスを閉じるたびに自動的にアプリがカバー画面に表示される。一方、「しない」を選択すれば、アプリの移行を完全に無効化できる。

この変更により、ユーザーの好みに合わせた使い分けが可能になった。特に、外出時にスマートフォンを片手で扱う際には「スワイプで継続」が便利だろう。一方で、動画視聴などの場面では「しない」を選ぶことで誤作動を防げる。Samsungがこの機能を強化した背景には、折りたたみスマートフォンにおける画面の切り替えをより直感的にする意図があると考えられる。

進化したタスクバー操作性がGalaxy Z Fold 6の使い勝手を向上

One UI 7のベータ版では、Galaxy Z Fold 6のタスクバーにも改良が加えられた。これまでのOne UI 6では、タスクバーを「常に表示する」か「完全に隠す」かの二択しかなかったが、新バージョンではより柔軟な制御が可能になっている。

新たな仕様では、ホーム画面ではタスクバーが常に表示されるが、アプリを開くと自動的に非表示になる。必要なときは、画面下部からスワイプすれば簡単に呼び出せる仕様になった。これにより、不要なときにタスクバーが視界を妨げることなく、必要なときだけ素早くアクセスできるようになった。

この変更は、折りたたみスマートフォンの特性を活かしたものといえる。従来のスマートフォンと異なり、Z Fold 6ではタスクバーの役割が大きい。アプリの切り替えを素早く行うためにタスクバーが必要な場面もあれば、大画面をフルに活用するために非表示にしたい場面もある。Samsungはこのバランスを考慮し、利便性を向上させたのだろう。

Pixel Foldを意識したOne UI 7の変更点が示す折りたたみスマホの未来

One UI 7のアップデートでは、Galaxy Z Fold 6の操作性がPixel Foldに近づいたといえる。特に、アプリ継続機能の「スワイプで継続」は、Pixel Foldの仕様と類似しており、Samsungが競合機種を意識した調整を行ったことがうかがえる。

Pixel Foldは、折りたたみスマートフォン市場において、Google独自のUI設計を採用し、スムーズな画面移行を強みとしている。Samsungは、こうした点を参考にしつつも、より多くの選択肢を提供することで独自のアプローチを打ち出した。実際、「常に」「スワイプで継続」「しない」という3つのオプションを用意することで、ユーザーの好みに応じた柔軟な設定が可能になった。

この動きは、折りたたみスマートフォンの操作性が今後も進化していくことを示唆している。Samsungはこれまで独自路線を貫いてきたが、Pixel Foldのような競合機種との機能差を縮めることで、より洗練された体験を提供しようとしているのかもしれない。今後、正式リリースを迎えた際に、さらなる調整が加えられるのか、注目されるところだ。

Source:Android Central