サムスンの新型タブレット「Galaxy Tab S10 FE」がGeekbenchに登場し、その仕様が一部明らかになった。注目すべきは、ミッドレンジスマートフォン「Galaxy A56」と同じExynos 1580チップセットを搭載している点だ。このチップは8コア構成で、AMDと共同開発されたGPUを採用しており、パフォーマンスの安定性と電力効率の向上が期待される。

また、Geekbenchのデータによれば、このタブレットは約8GBのメモリを搭載し、最新のAndroid 15がプリインストールされている。ベンチマークスコアはシングルコアで1,349、マルチコアで3,882を記録し、普段使いからエンタメ用途まで十分な処理能力を持つ可能性が高い。

さらに、上位モデルとされる「Galaxy Tab S10 FE Plus」の存在も浮上しており、サムスンが複数モデルを展開する可能性が示唆されている。ただし、FEシリーズは一貫したリリーススケジュールを持たないため、発売時期や価格の詳細は依然として不明のままだ。

Geekbenchで判明したGalaxy Tab S10 FEの詳細スペック

Galaxy Tab S10 FEのベンチマークデータがGeekbenchに登録され、主な仕様が明らかになった。モデル番号「SM-X520」はWi-Fi版と見られ、ミッドレンジ向けのExynos 1580チップセットを搭載。CPUは8コア構成で、高クロックと低クロックのコアを組み合わせた設計になっている。さらに、AMDとの協力によって開発されたGPUが採用されており、グラフィックス処理性能の向上が期待できる。

また、搭載メモリは約8GBとされ、複数のアプリを同時に快適に動作させる余裕がある。OSは最新のAndroid 15がプリインストールされ、サムスン独自のOne UIによるカスタマイズも施されるだろう。Geekbenchのスコアでは、シングルコアが1,349、マルチコアが3,882を記録し、同じチップを搭載するとされるGalaxy A56と同等の性能を示している。

このタブレットは、昨年のGalaxy Tab S9 FEシリーズの後継モデルと位置付けられる。サムスンのFEシリーズは手頃な価格でプレミアム機能を提供することを目的としており、今回のS10 FEもその路線を引き継ぐ可能性が高い。特に、Exynos 1580チップの採用により、電力効率とパフォーマンスのバランスが取れたモデルとなることが予想される。

Exynos 1580搭載の狙いは何か 同チップ採用の背景を考察

Galaxy Tab S10 FEがExynos 1580を採用する理由として、コストパフォーマンスの向上が挙げられる。サムスンはこれまでもFEシリーズにAシリーズのスマートフォンと同じプロセッサを搭載する戦略をとってきた。これは、研究開発コストを抑えつつ、一定の性能を保証する手法として有効である。今回のS10 FEも同様のアプローチを採用し、Galaxy A56と同じチップを搭載することで、安定したパフォーマンスを実現しつつ価格を抑える狙いがあると考えられる。

また、Exynos 1580はAMDの技術を取り入れたGPUを搭載しており、グラフィック性能の向上が見込まれる。過去のExynosチップは、GPU性能の面で競合他社に遅れを取ることが多かったが、今回の採用によって、ゲームや動画編集などの用途にも適した仕様となる可能性がある。特にタブレットは、大画面でのマルチメディア利用が前提となるため、この選択は合理的だ。

一方で、Exynos 1580はフラッグシップモデルに搭載されるSnapdragonシリーズほどの高性能を持たないため、ハイエンドモデルと比較すると処理能力に差が出る可能性がある。特に、高負荷なゲームや動画編集を長時間行う場合、性能の限界が見えてくるかもしれない。それでも、一般的な用途には十分な性能を備えており、価格とのバランスを考えれば魅力的な選択肢となるだろう。

「Galaxy Tab S10 FE Plus」の可能性 上位モデルの投入はあるか

Geekbenchのデータには、Galaxy Tab S10 FEに加えて「Plus」モデルの存在を示唆する情報も含まれている。サムスンが通常版とPlusモデルを並行して展開する可能性が浮上しているが、過去のFEシリーズの動向を考えると、確実なものとは言えない。

仮にS10 FE Plusが登場する場合、通常版よりも大画面や高性能なプロセッサを搭載する可能性がある。サムスンは、これまでのタブレットシリーズにおいて、無印とPlusの2種類を展開してきた経緯があり、FEシリーズでも同様の方針を取ることは十分にあり得る。ただし、過去のモデルでは、FEシリーズのリリースが必ずしも一貫しておらず、特定の市場限定での販売となる可能性も考慮すべきだ。

また、タブレット市場において、上位モデルの需要はスマートフォンほど高くないことも影響する。特にミッドレンジ帯のタブレットは、価格が重視される傾向があり、複数のバリエーションを展開することが採算面で難しい場合もある。そうした背景から、Galaxy Tab S10 FE Plusが投入されるとしても、一部地域限定での展開や、通常版との性能差が小さいモデルになる可能性もあるだろう。

Source:PhoneArena