OpenAIは、新たな開発者向けAPI「Responses API」を発表し、AIエージェントの機能を大幅に強化した。このAPIは「GPT-4o Search」および「GPT-4o Mini Search」へのアクセスを提供し、ウェブを閲覧しながら情報を引用しつつ、質問に回答できる機能を備えている。
特に注目されるのは、事実の正確性が大きく向上した点だ。「SimpleQAベンチマーク」によると、GPT-4o Searchは90%、GPT-4o Mini Searchは88%のスコアを記録し、従来のGPT-4.5の63%を大幅に上回る成績を示した。ただし、完全な精度にはまだ遠く、10%の確率で事実誤認を含む回答を生成している点が課題として残る。
OpenAIの新API「Responses API」とは何か 検索機能を備えたAIの進化

OpenAIが発表した「Responses API」は、GPT-4o SearchおよびGPT-4o Mini Searchを活用し、AIがウェブを検索しながら回答を生成する新機能を提供する。従来のモデルは内部データに依存していたが、このAPIでは最新の情報を取得し、引用を提示することで、精度を向上させる仕組みだ。
「SimpleQAベンチマーク」によると、GPT-4o Searchのスコアは90%、GPT-4o Mini Searchは88%を記録し、ウェブ検索機能を持たないGPT-4.5の63%を大きく上回った。これにより、事実の正確性を向上させる効果が期待されている。しかし、完全な正確性には至らず、GPT-4o Searchで10%、GPT-4o Mini Searchで12%の確率で誤情報を含む回答を生成する点が課題として残る。
この技術の進化は、AIの実用性を大きく前進させるものの、ユーザーがその情報を盲信することにはリスクもある。特に、AIが提示する引用元の信頼性や、情報の解釈に対する注意が必要だ。技術の進歩により精度が向上する一方で、誤情報を見抜くためのリテラシーが求められる時代になっている。
「Agents SDK」の登場 AIエージェントのカスタマイズと管理が容易に
OpenAIは「Responses API」に加え、新たなオープンソースツール「Agents SDK」も発表した。このSDKを利用することで、開発者はAIエージェントの動作を細かく調整し、内部システムへの統合が容易になる。これにより、独自のAIアシスタントや業務支援ツールの開発が加速することが期待される。
「Agents SDK」は、安全対策の強化にも寄与する。AIが誤情報を生成するリスクを考慮し、特定の制限を設けたり、ユーザーの問い合わせに対するレスポンスを監視する機能が組み込まれている。これにより、開発者はAIの動作をリアルタイムで確認しながら、適切な修正を加えられるようになる。
一方で、この技術が万能というわけではない。AIエージェントは依然として完全な理解力を持たず、意図しない挙動を示すこともある。また、開発者のカスタマイズ次第でAIの応答品質が大きく変わるため、技術的な知識が求められる。今後のアップデートや改善によって、より直感的なカスタマイズが可能になるかが注目される。
AIエージェントの進化と課題 事実と誇張の狭間
AIエージェント技術の進化は著しいが、その実用性には依然として課題がある。今週、中国のスタートアップ「Butterfly Effect」が発表した「Manus AI」が、事前に発表していた機能を十分に実現できなかったことが明らかになった。これは、技術の現状と市場の期待との間にギャップがあることを示している。
OpenAIのAIエージェント技術も、万能ではない。ウェブ検索機能を持つことで精度は向上したものの、誤情報を完全に排除するには至っていない。特に、CUA(カスタムユーザーエージェント)のナビゲーション問題や、検索結果の解釈ミスなどが報告されている。これは、AIが情報を扱う際の限界を示している。
技術の進歩は確実に続いているが、AIエージェントが過大に評価される傾向も否めない。特に、マーケティングの観点から「革新的な機能」が誇張されることが多く、ユーザーが過度な期待を抱くケースが増えている。AIを活用する側も、技術の限界を理解し、適切な期待値を持つことが重要になってくる。
Source:Ars Technica