Google I/O 2025が5月20日に開催される。今年もカリフォルニア州マウンテンビューのショアライン・アンフィシアターで実施され、基調講演をはじめとする多彩なセッションが予定されている。ライブ配信も行われるため、世界中の開発者やテクノロジー愛好者が最新情報をリアルタイムでチェックできる。

注目の発表として、Android 16の新機能、Pixel 9aの登場、Samsungと共同開発中のAndroid XR、Wear OS 6の進化などが予想される。特にAI分野では、Google Assistantの完全なGemini移行や新しいインターフェースの導入が期待されており、GoogleがAIに本格的にシフトしていく様子が明らかになる可能性が高い。

また、昨年同様、Googleはイベントのスケジュールをパズル形式で公開し、Gemini APIとAI Studioを活用した仕掛けを導入した点も興味深い。Pixel 10に関するティザー発表の可能性もあり、ハードウェアとソフトウェアの両面で進化が感じられるイベントとなるだろう。

Android 16がもたらす進化とは？新機能とリリーススケジュール

Google I/O 2025での発表が期待されるAndroid 16は、内部コードネーム「Baklava」として開発が進められている。既にPixel向けには2つのベータ版が提供されており、開発チームは「Trunk Stable」のフェーズに突入している。この段階では、すべての開発者が統一されたコードベースに注力し、正式リリースに向けた最終調整を行っている。MWCでの発表によれば、Android 16の正式リリースは6月に予定されているとのことだ。

新機能の詳細はまだ明らかになっていないが、ベータ版ユーザーの間では「Live Updates」や「オーディオ共有機能」が注目されている。特にLive Updatesは、アプリのリアルタイム通知をよりシームレスにする技術であり、スポーツの試合経過やフードデリバリーのステータスなどが瞬時に更新される仕組みになると考えられている。また、オーディオ共有機能の安定版提供も期待されており、複数のユーザーが一つの音源を簡単に共有できるようになる見込みだ。

Android 16のリリースサイクルは近年のGoogleの傾向に沿ったものとなっている。過去数年、Googleは新OSのベータ版を数回に分けて提供し、開発者からのフィードバックを反映させながら改良を進めてきた。今年も同様のプロセスが取られており、I/Oでの発表後にさらに洗練されたバージョンが登場する可能性が高い。これにより、Androidユーザーはより快適な体験を手にすることができるだろう。

Pixel 9aは登場するのか？リーク情報から読み解く可能性

Googleは例年、I/Oの場で新たなPixelデバイスを発表してきた。昨年のI/OではPixel 8aが披露されており、今年もPixel 9aの登場が期待されている。ただし、一部のリーク情報によれば、Pixel 9aは5月のI/Oではなく、3月に発表される可能性があるという。これはGoogleが発売スケジュールを前倒しする戦略を取っているためかもしれない。

Pixel 9aのスペックについては、48MPのメインカメラと13MPの超広角カメラが搭載されると見られている。特に注目すべきは背面デザインの刷新で、従来のピル型カメラバンプが廃止される可能性が高い。さらに、GoogleのAI機能である「Magic Editor」や「Add Me」が搭載されるとの情報もある。これにより、写真編集の自由度が大幅に向上し、より直感的な補正や合成が可能になるだろう。

バッテリー性能についても進化が期待される。5,100mAhのバッテリーを搭載し、23Wの有線充電、7.5Wのワイヤレス充電に対応するとみられている。価格は450〜500ドル（約6万7千円前後）で、ストレージオプションは128GBと256GBの2種類になる可能性がある。これらのスペックを見る限り、Pixel 9aはミドルレンジスマートフォンの中でもトップクラスの性能を誇るデバイスとなりそうだ。

AIの進化はどこまで進む？Geminiの役割とGoogle Assistantの変化

Googleは近年、AI技術の開発に力を入れており、I/O 2025ではその成果が披露されるとみられている。特に注目されるのが、Google Assistantの完全なGeminiへの移行だ。GeminiはGoogleの最新AIモデルであり、従来の音声アシスタントとは異なる高度な言語理解能力を備えている。これにより、Google Assistantは単なる音声コマンドの受け付けを超えて、文脈を理解し、より自然な対話を可能にする方向へ進化することになるだろう。

さらに、「Hey Google」のウェイクワードが不要になる可能性がある点も興味深い。従来、音声アシスタントを起動するには特定のフレーズを発する必要があったが、今後はユーザーの声を常時認識し、自然なタイミングでアシスタントが応答する形になるかもしれない。この技術が実現すれば、スマートフォンやスマートスピーカーの使い勝手が大幅に向上することが予想される。

また、GoogleはAIを活用した新たな機能も発表する可能性がある。たとえば、Android 16と連携し、スマートリプライの精度を向上させる機能や、写真・動画編集の高度化などが考えられる。特にPixelシリーズではAIを活用した機能が多数搭載されており、I/O 2025でもさらなる進化が示されることになりそうだ。GoogleのAI戦略がどのように展開されるのか、今後の発表に注目したい。

Source：Android Central