PCメモリ大手のG.Skillが、AMD AM5プラットフォーム向けに最大8000MT/sの速度を誇るDDR5メモリキットを発表した。X870/X870Eマザーボードを活用するユーザーに向け、Trident Z5 NeoやRipJaws M5などの人気シリーズで提供される。

新モデルは、24GB×2のデュアルチャネル構成から、AIワークロードに最適な48GB×4の大容量構成まで幅広く展開される。特に192GBまで拡張可能なモデルは、6000MT/sの速度とCL28の低レイテンシを実現し、安定した動作が可能だ。

AMD Ryzen 7 9800X3Dを搭載したMSI MPG X870E Carbon WiFi環境での検証では、高速・高容量のメモリ構成が安定動作を確認。AMD EXPO技術の活用により、最適なパフォーマンスを提供する。G.Skillの最新メモリは、AMDユーザーにとって魅力的な選択肢となるだろう。

G.Skillの新DDR5メモリキットが実現する高性能と大容量の両立

G.Skillが発表した最新DDR5メモリキットは、AMD AM5プラットフォーム向けに最適化されており、最大8000MT/sという驚異的な転送速度を誇る。特にX870/X870Eマザーボードと組み合わせることで、安定した高パフォーマンスを提供できる点が特徴だ。

今回のラインアップには、Trident Z5 Neo RGB、Trident Z5 Royal Neo、RipJaws M5 Neo RGBといった人気シリーズが含まれ、それぞれ異なる特徴を持つ。例えば、RipJaws M5 Neo RGBはコストパフォーマンスに優れ、Trident Z5 Neo RGBはスタイリッシュなデザインと高い冷却性能を兼ね備えている。さらに、Royal Neo RGBは高級感のある仕上がりで、ビジュアル面にもこだわりたいユーザーに適している。

メモリ容量においても、多様なニーズに対応する仕様が用意されている。24GB×2の構成では6000MT/sの転送速度をCL26という低レイテンシで実現し、応答速度に優れる。一方、AIワークロードや大規模なデータ処理を想定した48GB×4構成では、最大192GBのメモリ容量を確保できる。これにより、クリエイティブ作業やゲーム開発、データ解析など、メモリ負荷の高い用途にも適応可能だ。

このメモリキットは、AMDのEXPO(Extended Profiles for Overclocking)技術に対応しており、最適なパフォーマンスを発揮する設定が容易に行える。EXPOを活用することで、初心者でも高度なメモリチューニングを実現できる点は大きな魅力と言える。

AMD Ryzen 7 9800X3Dとの組み合わせで示された圧倒的な安定性

G.Skillの最新メモリキットは、AMD Ryzen 7 9800X3Dを搭載したMSI MPG X870E Carbon WiFiマザーボードで検証が行われ、その高い安定性が確認された。特に、192GBメモリキットが6000MT/sの速度でCL28-36-36-96という設定で動作し、エラーゼロの結果を記録したことは注目に値する。

また、48GB×4のメモリ構成では、ROG Crosshair X870E HeroやMPG X870E Carbon WiFiとRyzen 9 9900Xの組み合わせでもテストが実施された。その結果、6000MT/sの速度をCL26-39-39-96という優れたレイテンシで達成し、システム全体の応答性を向上させることができた。

メモリの安定性は、PCの動作に大きな影響を及ぼす要素の一つである。特に、超高速なメモリは不安定になりがちな傾向があるが、G.Skillの新製品は高度な検証を経ており、信頼性が高い。加えて、AMD EXPO技術に対応しているため、適切なプロファイルを適用することで、さらなる最適化が可能となる。

こうした高性能メモリの安定動作は、特にプロフェッショナルな用途において有用だ。例えば、動画編集や3Dレンダリング、AIトレーニングといった分野では、大容量かつ高速度のメモリが求められる。今回の検証結果は、G.Skillの新メモリがこうした用途に適していることを示している。

高速化するメモリ市場でG.Skillが示す競争力

近年、PCメモリ市場ではDDR5への移行が加速し、より高速かつ大容量のメモリが求められている。Intel Z890向けに高性能なDDR5を投入したG.Skillが、今度はAMD AM5プラットフォーム向けに最適化したメモリを投入した背景には、競争の激化があると考えられる。

特に、AMDの800シリーズチップセットが登場し、より高性能なメモリの需要が高まっていることは見逃せない。G.Skillは、この流れに対応する形で、新しいTrident Z5 NeoやRipJaws M5シリーズを投入し、AM5環境におけるパフォーマンス向上を図っている。

一方で、高速メモリの採用は、すべてのユーザーにとって必要とは限らない。一般的なオフィス用途ではDDR5の恩恵を感じにくい場面もあるが、ゲーミングやクリエイティブ用途ではその差が顕著に表れる。G.Skillのメモリは、特に高い負荷がかかる環境で真価を発揮するため、用途に応じた選択が求められる。

今後、DDR5の普及がさらに進む中で、G.Skillのようなメーカーがどのような技術革新を続けるかが注目される。特に、より低消費電力でありながら高い転送速度を維持する技術が求められるだろう。G.Skillの最新メモリキットは、こうした市場の変化に対応しつつ、さらなる競争力を示していると言える。

Source: Wccftech