AMD Ryzen 7 9800X3Dの損傷が、新たにMSI X870E Tomahawk WiFi上で報告された。これまで主にASRock製マザーボードでの問題が指摘されてきたが、MSI製のX870Eシリーズでも発生したことにより、影響範囲が拡大する可能性がある。

Redditユーザーによる報告によると、AMD EXPOを有効化した直後にシステムが起動不能となり、エラーポストコード「00」が表示された。その後、CPUの中心部に膨らみが見られ、物理的な損傷が確認されたが、マザーボード側は無傷であった。

ASRockに続きMSIのX870/X870Eシリーズでも類似の問題が確認されたことで、BIOSのバグや電圧供給の異常が関与している可能性が浮上している。ASRockはすでに対応策として新BIOSを提供しており、MSIの対応が注目される。


AMD Ryzen 7 9800X3D、EXPO有効化後の故障事例が拡大 MSI X870E Tomahawk WiFiでも発生

AMD Ryzen 7 9800X3Dの損傷が、MSI X870E Tomahawk WiFiマザーボードでも確認された。これまで、ASRock X870/X870Eシリーズでの発生が報告されていたが、異なるメーカーのマザーボードでも同様の症状が発生しており、影響範囲の広がりが懸念される。

Redditユーザー「u/Realistic_Age_718」の投稿によれば、EXPOを有効化した直後にシステムが起動不能となり、エラーポストコード「00」が表示された。EXPOとは、AMDが提供するメモリオーバークロック技術であり、メモリのクロック速度を向上させるが、それによりCPUやマザーボードへの負担が増す可能性がある。

このケースでは、BIOSのフラッシュバックを試みたものの症状は改善せず、最終的にRyzen 7 9800X3D自体が物理的に損傷していることが判明した。CPUの中心部に膨らみが確認されたが、マザーボードは無傷であり、電力供給や設定変更が直接の要因となった可能性がある。

CPU焼損の原因はBIOSのバグか電圧スパイクか ユーザーエラーの可能性は低い

AMD Ryzen 7 9800X3Dの損傷事例は、ASRockだけでなくMSIのX870/X870Eシリーズでも発生している。これらのマザーボードの共通点として、BIOSのバージョンやEXPOの設定が影響している可能性が指摘されている。

今回のケースでは、EXPOを有効化しただけでCPUが故障しており、ユーザーによる取り付けミスや過電圧設定の変更といった要因は考えにくい。事実、同じ環境でRyzen 7 8500Gを使用するとシステムは正常に起動しており、CPUそのものがEXPO有効化により損傷した可能性が高い。

この問題の根本的な原因として、BIOSのバグによる電圧供給の不安定化や、一時的な電圧スパイクが発生した可能性がある。ASRockはすでに「3.20 Beta BIOS」を公開し、安定性の向上を図っているが、MSIも同様の対策を講じる必要があるだろう。EXPOの安全性や、最新世代CPUとマザーボードの組み合わせに対する検証が改めて求められる。

EXPOによるリスクとマザーボードメーカーの対応 今後の展開に注目

EXPOは、AMDが提供するメモリオーバークロック機能であり、パフォーマンス向上を目的として広く活用されている。しかし、今回のケースのように、特定のCPUとマザーボードの組み合わせにおいて、予期せぬトラブルを引き起こす可能性があることが改めて示された。

AMDはEXPOの導入を積極的に推奨してきたが、今回のような問題が続けば、メーカー側の対応が不可欠となる。ASRockはすでに新BIOSを提供し、問題の解決を図ろうとしているが、MSIがどのような対応を取るのかはまだ明らかではない。

今後、AMDやマザーボードメーカーがどのような対応策を講じるかが焦点となる。BIOSのアップデートや電圧管理の最適化が進めば、EXPOの安全性も向上する可能性がある。一方で、EXPO自体の仕様に問題がある場合、さらなる調査と対策が求められるだろう。

Source: Wccftech