Appleが独自開発したC1モデムが、次にiPhone 17 Airに搭載されることが明らかになった。超薄型デザインを特徴とするこの新モデルは、C1モデムの省電力性能を活かし、バッテリー持続時間の向上を図るとみられる。
一方で、iPhone 17、17 Pro、17 Pro Maxは引き続きQualcomm製の5Gモデムを採用する見込みだ。iPadシリーズやMacBook AirもC1モデムの導入を見送られたことから、Appleは新モデムの採用を段階的に進めていると考えられる。
AppleがC1モデムの全面展開に慎重な理由には、Qualcommとの契約、接続性の課題、リスク管理の方針があると推測される。2026年にはC2モデムの登場も予想されており、Appleのモデム戦略が今後どのように展開されるのか注目が集まる。
AppleのC1モデムがiPhone 17 Airに搭載される理由とその影響

Appleは長年にわたり、独自の5Gモデム技術の開発を進めてきた。その成果として登場したC1モデムは、初めてiPhone 16eに採用され、次にiPhone 17 Airに搭載されることが決定した。iPhone 17 Airは、従来のPlusモデルに代わる新たなポジションのデバイスとして登場する見込みであり、Appleのモバイル戦略における転換点となる可能性がある。
C1モデムの最大の特徴は、省電力性能と通信品質の向上にある。Appleがソフトウェアとハードウェアを緊密に統合することで、従来のQualcomm製モデムと比較して効率的な電力管理が可能になり、特にバッテリー容量が限られる薄型モデルにとっては大きな利点となる。また、通信の応答性が向上することで、混雑したネットワーク環境でも安定した接続が期待される。
一方で、Appleはすべての新モデルにC1モデムを搭載するわけではない。iPhone 17、17 Pro、17 Pro Maxは引き続きQualcomm製モデムを採用する見込みであり、これはC1モデムの性能や供給体制が完全に整っていない可能性を示唆している。Appleは独自モデムの普及を段階的に進める戦略をとることで、リスクを最小限に抑えながら技術の成熟を待つ姿勢を見せている。
なぜC1モデムはすべてのApple製品に搭載されないのか
AppleはiPhone 17 AirにC1モデムを搭載する一方で、iPhone 17シリーズの他のモデルや、iPad、MacBookには採用しない方針を取っている。その理由として考えられるのは、技術的な課題、契約上の制約、そして市場戦略の3つの要因である。
技術的な面では、C1モデムはAppleの初の自社開発5Gモデムであり、性能や互換性の面で完全な成熟には至っていない可能性がある。特にハイエンドモデルで求められる高度な接続性を確保するには、現時点ではQualcomm製モデムの方が安定していると判断されたのかもしれない。
また、C1モデムの供給量が限られている場合、Appleはまず特定のモデルに搭載し、市場での実績を積みながら徐々に展開する方針を取る可能性がある。契約上の問題も無視できない。Appleは過去にQualcommと法廷闘争を繰り広げたものの、最終的に一定の契約を締結している。
この契約には、一定期間にわたってQualcommのモデムを採用する条項が含まれている可能性があり、その影響でC1モデムの全面採用が難しくなっている可能性もある。市場戦略としては、C1モデムを段階的に導入し、消費者の反応や性能評価を確認しながら次世代のC2モデムへの移行を図る計画が考えられる。
Appleは2026年のiPhone 18シリーズでC2モデムを全面採用する可能性が指摘されており、それまでの期間で技術を洗練し、量産体制を確立する意図があると考えられる。
Appleの独自モデム戦略と今後の展望
AppleはC1モデムの導入を進めることで、Qualcommへの依存度を低減し、通信技術の完全内製化を目指している。これは単なるコスト削減ではなく、Appleのエコシステム全体の最適化という観点からも重要な意味を持つ。
Appleは従来から、自社製品のハードウェアとソフトウェアを緊密に統合することで、パフォーマンスとユーザー体験の向上を図ってきた。モデム技術の内製化もその延長線上にあり、C1モデムが成功すれば、今後のApple製品はさらに高いシナジーを発揮できる可能性がある。
また、Apple独自の5Gモデムが成熟すれば、iPhoneだけでなく、iPadやMacにもセルラーモデルが導入される可能性が高まり、特にMacBookにとっては新たな価値をもたらすことになる。一方で、独自モデムの開発には膨大な投資と長期的な技術革新が必要であり、AppleがQualcommの技術を完全に代替できるまでにはまだ時間を要する。
C1モデムの初期導入は限定的であり、完全移行には数年を要すると考えられる。2026年に登場すると予測されるC2モデムがどこまで進化するかが、Appleのモデム戦略の成否を左右する重要なポイントとなるだろう。
Source:9to5Mac