NVIDIAは、次世代ミドルレンジGPU「GeForce RTX 5060 Ti」と「RTX 5060」を正式に発表することを確認した。RTX 5060シリーズは、3種類のモデルが用意され、Tiと非Tiで共通のボード設計を採用する可能性が高い。CUDAコア数は前世代より増加し、特にRTX 5060 TiではGDDR7メモリを搭載することで帯域幅が大幅に向上するとみられる。

RTX 5060 Tiは4608基のCUDAコアを搭載し、RTX 4060 Tiと比較して6%増加。GDDR7メモリの採用により、帯域幅は前世代の50%以上増加する可能性がある。一方、RTX 5060は3840基のCUDAコアと8GBメモリを備え、GPUのグレードも向上している。

正式発表は明日に予定されており、発売時期は4月と見込まれる。発表はGDCに向けた動きの一環とされており、最新技術の紹介も期待される。新たなミドルレンジGPUが市場にどのような影響を与えるか注目される。


NVIDIAのGeForce RTX 5060シリーズが登場 最新ミドルレンジGPUの特徴とは

NVIDIAが正式発表するGeForce RTX 5060シリーズは、3種類のモデルが存在し、RTX 5060 Tiには16GBと8GBの2種類、RTX 5060(非Ti)は8GBのメモリ構成となる。これらのGPUは共通のボード設計を採用し、Tiと非Tiのモデル間で外観の違いはほとんどないとみられる。

RTX 5060 Tiは、4608基のCUDAコアを搭載し、前世代のRTX 4060 Tiと比較して6%の増加となる。最大の進化点はメモリ技術であり、GDDR7を採用することで帯域幅の大幅な向上が期待される。特に、28Gbpsのメモリ速度を実現する場合、前世代より50%以上も帯域幅が増加する計算となる。一方、RTX 5060は3840基のCUDAコアを持ち、前世代と比較して25%の増加が確認されている。また、GPUのグレードも向上し、RTX 4060のAD107からRTX 5060ではGB206へと変更された。

消費電力(TDP)は150Wから180Wとされ、一部のハイエンドモデルでは最大200Wに達する可能性がある。これは、前世代のRTX 4060シリーズと同程度であり、省電力性能とパフォーマンスのバランスを意識した設計といえる。なお、RTX 5050にはGB207 GPUが搭載される見込みであり、エントリーモデルの動向にも注目が集まる。

GDDR7メモリの採用がもたらす性能向上と市場への影響

RTX 5060 Tiの最大の強みは、新たに採用されるGDDR7メモリの性能である。従来のGDDR6Xと比較して、GDDR7はより高い帯域幅と効率性を誇る。NVIDIAがGDDR7の最大速度である28Gbpsを活かす場合、RTX 4060 Tiと比較して50%以上の帯域幅向上が見込まれる。この進化により、特に高解像度環境やレイトレーシング対応ゲームでのパフォーマンス向上が期待される。

また、GDDR7にはGDDR6Xのような「X」のバリエーションが存在せず、すべてのGDDR7が統一された規格で提供される。このため、NVIDIAとしては最大限のメモリ性能を引き出す設計を行う可能性が高い。これにより、特にメモリ帯域がボトルネックになりやすいタイトルでは大幅な改善が見込まれる。一方、RTX 5060(非Ti)はGDDR6メモリを採用するため、メモリ性能に関してはTiモデルとの明確な差が生じると考えられる。

市場への影響として、GDDR7の採用は今後のGPU設計の方向性を示す要素となる。現在、ハイエンドGPUではGDDR6Xが主流だが、今後の世代ではGDDR7が標準仕様となる可能性がある。また、メモリ帯域の大幅な向上により、特にコンテンツ制作やAI関連の負荷の高い処理を行うユーザー層にも一定の利点が生まれると考えられる。

RTX 5060シリーズの市場での立ち位置と今後の展開

RTX 5060シリーズは、ミドルレンジ市場における競争力の強化を目的とした製品群である。特にRTX 5060 Tiは、前世代比でCUDAコア数が6%増加し、メモリ帯域幅も大幅に向上することから、前世代のRTX 4060 Tiを超える性能が期待される。これにより、NVIDIAは競合するAMDやIntelのGPUと対抗し、価格帯別のシェア拡大を狙う狙いがあるとみられる。

RTX 5060(非Ti)は、RTX 4060と比較して25%のCUDAコア増加を果たし、GPUのグレードも上がったことで、エントリーからミドルレンジへの橋渡し的な役割を果たすと考えられる。ただし、メモリがGDDR6のままであるため、特に高解像度環境でのパフォーマンスにおいてRTX 5060 Tiとの差は明確になる可能性がある。

今後の展開として、NVIDIAは4月にRTX 5060シリーズを正式発売する予定であり、その後、エントリーモデルとなるRTX 5050の発表が控えているとみられる。また、今回の発表はGDC(ゲーム開発者会議)に向けた動きの一環とされ、開発者向けの新技術発表と合わせて、次世代ゲームに最適化されたドライバーや機能の紹介が行われる可能性もある。ミドルレンジGPU市場においてNVIDIAがどのような戦略を取るのか、引き続き注目される。

Source: VideoCardz.com