Appleが折りたたみiPhoneの開発を本格化させているとの報道が相次いでいる。最新情報によれば、同社は2024年第2四半期までに仕様を確定し、2026年第4四半期に量産開始を目指すという。初回出荷台数は最大500万台とされ、2027年には2000万台規模へと拡大する可能性が指摘されている。

しかし、価格は2000ドル超と見込まれ、普及には課題が残る。Apple株は年初来13%下落しているが、業績は市場予想を上回る好調ぶりを維持。株価の先行きについては、アナリストの評価が分かれる状況となっている。Appleの成長戦略として折りたたみ端末が新たな市場を切り開くか、注視される。

Appleの折りたたみiPhone計画 量産は2026年、出荷台数は2000万台規模へ

Appleは折りたたみiPhoneの開発を進めており、2024年第2四半期までに仕様を確定する予定とされる。量産開始は2026年第4四半期が見込まれ、初回出荷台数は300万~500万台に達する可能性がある。さらに、2027年には2000万台規模の出荷を目指しており、折りたたみスマートフォン市場に本格参入する計画だ。

この動きは、サムスンやGoogleなど競合他社がすでに折りたたみスマートフォン市場に進出していることに対抗する形となる。特にサムスンの「Galaxy Z」シリーズは市場で一定の成功を収めており、Appleとしても新たな成長領域を確保する狙いがあるとみられる。

ただし、Appleが折りたたみ端末を成功させるには、技術面や価格面での課題を克服する必要がある。折りたたみディスプレイの耐久性向上や、ヒンジ部分の耐摩耗性、バッテリー持続時間の確保など、解決すべき技術的課題は多い。さらに、価格が2000ドルを超えると予測されており、普及の妨げとなる可能性も指摘されている。Appleがこのハードルをどう乗り越えるかが、折りたたみiPhoneの成否を左右するだろう。

Apple株の下落と今後の評価 収益力は堅調も市場の見方は分かれる

Appleの株価は2024年に入り13%下落しており、市場の評価は割れている。現在、Apple株の株価収益率(PER)は32.6倍、株価売上高倍率(PSR)は8.7倍、株価純資産倍率(PBR)は51.1倍と依然として高い水準を維持している。これらの指標は、Appleブランドへの強い期待と高い収益性を反映しているが、一方で成長鈍化の懸念が影響している可能性がある。

Appleの2024年第4四半期の決算は市場予想を上回り、1株当たり利益(EPS)は2.40ドルと、予想の2.36ドルを超える結果となった。過去4四半期連続で市場予想を上回る業績を発表しており、同社の強固な収益基盤を示している。2025年第1四半期の業績ガイダンスは慎重な内容となっているが、アナリストはEPSが前年比5.23%増の1.61ドルに達すると予測している。

一方で、ハードウェア売上の減速に対する懸念は依然として残る。AppleはiPhoneをはじめとする主力製品の販売動向に大きく依存しており、新たな成長分野の開拓が急務となっている。折りたたみiPhoneを含む新製品やサービス部門の成長が、今後の株価回復のカギを握ることになりそうだ。

折りたたみiPhoneは市場のゲームチェンジャーとなるか

Appleの折りたたみiPhoneは、スマートフォン市場におけるゲームチェンジャーとなる可能性がある。折りたたみ端末は、スマートフォンとタブレットの中間的な存在として、新たなユーザー体験を提供することが期待される。特に、Appleが得意とするソフトウェアとハードウェアの統合設計により、他社製品にはない洗練されたUIやエコシステムの強みを活かせるかが焦点となる。

しかし、Appleがこの市場で成功を収めるには、価格設定と市場戦略が重要となる。2000ドル超という価格帯は、多くの消費者にとって高額であり、プレミアム層向けの製品としての位置づけが求められる。過去のAppleの戦略を見ると、初期モデルは高価格で投入され、次第に価格を引き下げながら市場を拡大するパターンが多い。

また、折りたたみスマートフォン市場自体がまだ成熟していないため、Appleがどのようにブランド力を活かして新たな需要を喚起するかが鍵となる。現在、折りたたみ端末の需要は特定の層に限られており、Appleがこれをどこまで一般化できるかが今後の成功を左右するだろう。

Source: Barchart.com