Microsoftは、Windows 11のInsider向け最新ビルド「22631.5116」をリリースした。本アップデートでは、システム設定の利便性を向上させる「トップカード」の追加、エクスプローラーの視認性向上、ゲームパッド対応の強化など、多岐にわたる機能改良が施されている。
特に「設定」アプリでは、デバイススペックを一目で確認できる新しいカード機能が追加され、アカウントページの表示改善も行われた。また、エクスプローラーではアクセシビリティが向上し、ファイル操作の利便性が強化されている。
設定アプリの進化 スペックカードで一目でデバイス情報を把握

Windows 11ビルド22631.5116では、「設定」アプリに新たな「トップカード」機能が導入された。これにより、ストレージやグラフィックス、RAMなどのデバイス情報が設定画面の上部に表示され、ユーザーが詳細なシステム情報を即座に確認できるようになった。加えて、商用デバイス向けには「アカウント」カードが提供され、アカウント関連の管理がより直感的に行えるようになっている。
従来、システム情報を確認するには「このPCについて」や「デバイスマネージャー」などを開く必要があったが、今回の変更により、基本的なスペックをすぐに把握できるようになった。特に、PCの性能を気にするユーザーにとっては便利な改良といえる。また、日本語環境では「姓 名」の順に表示されていたアカウント名の修正も行われ、視認性の向上が図られた。
この変更は、WindowsのUI改善の一環と考えられる。Microsoftは以前から「設定」アプリの一元化を進めており、今回のアップデートもその流れに沿ったものだ。特に、新しいトップカードはスマートフォンの設定画面を思わせるデザインとなっており、より直感的な操作性を実現している。
エクスプローラーの改良 視認性とアクセシビリティが向上
今回のアップデートでは、エクスプローラーの操作性向上にも焦点が当てられている。特に、アクセシビリティ向上の一環として、「設定 > アクセシビリティ > テキストのサイズ」で設定した文字サイズが、エクスプローラーのフォルダ名やファイル名にも適用されるようになった。これにより、視覚的な快適さが増し、小さな文字が読みづらかったユーザーにとっては大きな改善となる。
さらに、エクスプローラーのコンテキストメニューにはラベルが追加され、項目の意味をより明確に理解できるようになった。これまで、Windows 11の新しいコンテキストメニューはアイコンのみの表示が多く、直感的に操作しづらいという意見もあった。今回の改良により、どのオプションが何の機能を持つのかが一目で分かるようになり、特に新規ユーザーには利便性が増したといえる。
これらの変更は、Windows 11が従来の「モダンUI」を維持しつつも、使い勝手の向上に配慮した結果と考えられる。デザインの洗練さを保ちながら、実用性も重視することで、幅広いユーザーにとっての快適な使用環境が実現されつつある。
ゲームパッド操作を強化 Xboxコントローラーでの入力がより快適に
Windows 11ビルド22631.5116では、タッチキーボードの「ゲームパッドキーボードレイアウト」が有効化された。この機能により、Xboxコントローラーを使って、Windows上でのテキスト入力やナビゲーションが可能となる。具体的には、Xボタンでバックスペース、Yボタンでスペースを入力するなど、コントローラーのボタン配置を活用した新たな操作体系が導入された。
従来、ゲームコントローラーでの入力は、仮想キーボードを操作するか、外部ソフトウェアを利用する必要があった。しかし、このアップデートにより、Windows標準の機能として組み込まれることで、よりシームレスな入力が可能になった。また、キーボードのキーが縦方向に配置されることで、コントローラーの操作に最適化されたレイアウトとなっている。
この改良は、Windowsをゲーム用プラットフォームとしても強化する狙いがあると考えられる。Xbox Game Passの普及や、クラウドゲームの発展により、PCをゲーム機として活用するケースが増えている。今回のアップデートは、そんな流れを反映したものであり、PCゲームユーザーにとってより快適な環境が整いつつあることを示している。
Source:Neowin