AMDの未発表GPU「Radeon RX 9070 XT MBA(Made by AMD)」が中国でリークされた。RDNA 4アーキテクチャを採用するこのモデルは公式には発表されておらず、プロトタイプとみられる。中国の販売者が新品として提供し、保証条件や価格設定も明確だったが、販売ページはすぐに削除された。このカードはフルブラックのデザインを採用し、帯電防止袋に密封された状態で未使用の可能性が高い。
公開された画像にはシリアルコードが記載されており、AMDが出所を追跡する可能性も指摘されている。リファレンスモデルの存在が確認されたことで、AMDが一時は販売を検討していたのではないかという疑問が生じるが、公式な発表は依然としてない。流通したユニットの行方次第では、今後コレクターズアイテムとしての価値が高まるかもしれない。
中国で突如出現したAMD Radeon RX 9070 XT リファレンスモデルの詳細

AMDが公式に発表していない「Radeon RX 9070 XT MBA(Made by AMD)」が、中国のフォーラムを通じてリークされた。このGPUはRDNA 4アーキテクチャを採用し、物理的な製品として存在する可能性が高いとされる。販売ページには、新品状態で提供されることや1年間の保証が付属することが明記されていた。また、「分解禁止」「改造禁止」といった厳格な制約が示されており、メーカー側が管理していた特別なユニットであることがうかがえる。
価格設定は5000人民元(約700ドル)、配送と保険込みで5800人民元(約810ドル)とされ、カスタムAIBモデルと同等だった。しかし、販売情報が公開された直後にページは削除され、このGPUがどこへ流れたのかは不明である。
公開された画像にはシリアルコードが含まれており、AMDがこのユニットの出所を追跡する可能性も指摘されている。通常、未発表のリファレンスモデルが市場に流出するケースは稀であり、このGPUがプロトタイプなのか、市場投入を検討した上で取りやめたものなのかは依然として不透明だ。
フルブラックデザイン採用の背景とリファレンスモデルの意義
リークされたRadeon RX 9070 XTは、従来のAMDリファレンスカードと異なり、フルブラックのシュラウド(外装)を採用している。通常、AMDのリファレンスデザインはグレーやシルバーが主流であり、今回のデザインは従来のモデルと一線を画すものだ。冷却システムには3連ファンが搭載され、過去にリークされたレンダリング画像とも一致する点が多いことから、AMDの内部テスト向けデザインであった可能性がある。
このようなリファレンスモデルは、通常は開発者向けのエンジニアリングサンプル(ES)として扱われ、市場には出回らない。しかし、一部の試作品が何らかの経路で流出することは過去にも見られた。特に、AMDがリファレンスエディションの販売を計画していたが、最終的にAIBパートナー(Sapphire、ASUS、PowerColorなど)によるカスタムモデルのみを市場に投入する方針へと切り替えた可能性も考えられる。このGPUが正式に流通していた場合、AMDが設計した基準に沿ったリファレンスモデルとしての意義を持ち、標準的な冷却性能や動作仕様の指標となるはずだった。
AMDの意図と未発表リファレンスモデルの今後
AMDがRadeon RX 9070 XTのリファレンスモデルを公式に発表していないにもかかわらず、実際に物理的なユニットが確認されたことで、同社の方針に対する疑問が生じている。一般的に、AMDのリファレンスカードは、新アーキテクチャの性能を示す標準モデルとしての役割を果たす。しかし、今回のリークにより、AMDが公式なリファレンス版の市場投入を検討したものの、何らかの理由で取り止めた可能性が示唆される。
コスト削減や市場戦略、AIBパートナーとの調整などが決定を左右したと考えられるが、今後の動向次第では、他の未公開ユニットがリークされる可能性もある。もし今回のようなGPUがさらに流通すれば、AMDがリファレンスカードの展開を一部地域限定で計画していた可能性も浮上する。また、このモデルが市場での評価を受けることになれば、将来的に公式リファレンスエディションが改めて登場する可能性も排除できない。
Source: XiaomiToday