Samsungの次期フラッグシップモデルGalaxy S26 Ultraに、**可変絞り(バリアブルアパーチャ)**が復活する可能性があるとリーカーのIce Universeが報じた。この技術は、かつてGalaxy S9に搭載されていたものの、その後のモデルでは採用が見送られていた。
可変絞りは、光量の調整によって明るさや被写界深度をコントロールできる機能であり、特に暗所撮影やポートレート撮影での精度向上が期待される。最近ではXiaomi 14 UltraやHuawei Mate 50 Proなどが採用し、スマートフォンカメラの進化を象徴する要素となっている。
可変絞りの仕組みとGalaxy S26 Ultraへの影響

可変絞り(バリアブルアパーチャ)は、レンズの開口部を調整することで光の取り込み量を制御する技術である。従来のスマートフォンカメラは固定絞りを採用しており、撮影環境に関わらず同じ絞り値で撮影する。しかし、可変絞りを搭載すれば、状況に応じて最適な光量を確保し、画質の向上が期待できる。
Samsungは2018年に発売されたGalaxy S9でこの技術を採用し、f/1.5とf/2.4の2段階の切り替えを可能にした。この仕組みにより、暗所ではf/1.5で明るく撮影し、明るい環境ではf/2.4に切り替えることでシャープな写真が得られた。しかし、S10以降は採用が見送られ、最新のGalaxy Sシリーズではこの機能は姿を消している。
Galaxy S26 Ultraで可変絞りが復活すれば、より大きなセンサーと組み合わせることでその恩恵が大きくなる可能性がある。最近のスマートフォンカメラはセンサーサイズが拡大しており、より繊細な光量調整が求められる。特に夜景撮影やポートレート撮影において、従来よりも自然なボケ表現やノイズ低減が期待される。
可変絞りの採用はトレンドか 他メーカーとの比較
Samsungが可変絞りを再び採用する背景には、他メーカーの動向が影響している可能性がある。近年、XiaomiやHuaweiはスマートフォンカメラの革新を加速させ、可変絞りを搭載するモデルを市場に投入している。例えば、Huawei Mate 50 Proはf/1.4からf/4まで細かく調整できるシステムを採用しており、Xiaomi 14 Ultraも類似の機能を搭載している。
このような流れを受け、Samsungが再び可変絞りを取り入れるのは不自然ではない。特にXiaomi 14 Ultraは、TechRadarのレビューでもカメラ性能が高く評価されており、Samsungとしても競争力を維持するために新技術の導入が必要と判断した可能性がある。
一方で、Appleはこの分野には慎重な姿勢を見せており、iPhoneシリーズには可変絞りは採用されていない。そのため、Samsungがこの技術を推進することで、Androidスマートフォン全体のカメラ技術の方向性に影響を与えるかもしれない。ただし、可変絞りはハードウェア的な強みである一方、AIによる画像処理技術も進化を続けているため、実際の画質向上にどれほど寄与するかは未知数である。
実際の使い勝手はどうなるのか メリットと課題
可変絞りの導入によって、撮影体験はどのように変化するのか。まず、大きなメリットとして挙げられるのは、環境に応じた最適な露出の確保である。夜景では絞りを開けて光を多く取り込み、日中の撮影では絞りを狭めてディテールを維持することができる。また、ポートレート撮影時には、絞りを開放することで背景を自然にぼかし、一眼カメラに近い表現が可能になるだろう。
しかし、課題も存在する。まず、可変絞りのメカニズムが搭載されることで、カメラモジュールの厚みが増し、スマートフォンのデザインに影響を与える可能性がある。また、可変絞りを生かすにはソフトウェアの最適化も重要であり、Samsungの画像処理アルゴリズムとの相性が問われる。
さらに、ユーザー側の操作性も考慮する必要がある。Galaxy S9では自動的に絞りが切り替わる仕様だったが、より細かい調整が可能になれば、マニュアル設定の自由度が増す一方で、操作が煩雑になる可能性もある。こうした点をSamsungがどのように調整するかが、可変絞りの成功を左右する要素となるだろう。
Source:TechRadar