2025年の市場下落が続く中、AI関連株の押し目買いが注目されている。特に、Nvidia(NVDA)とPalantir(PLTR)は成長銘柄としての魅力を持ち、投資家の関心を集めている。
Nvidiaは、第4四半期の売上高が前年比78%増の393億ドルに達し、データセンター事業が急成長を遂げた。最新GPU「Blackwell」の成功も追い風となり、アナリストの目標株価は現在の株価を50%以上上回る177.59ドルとされている。一方、Palantirは米国商用部門の売上が前年比64%増となり、AI技術を活用した企業支援サービスが拡大。しかし、アナリストの評価は分かれ、目標株価は現状維持の85.11ドルにとどまる。
市場全体のボラティリティが高まる中で、AI革命の中心にある両社は今後の成長が期待されるが、直近の投資対象としては、割安感と上昇余地の大きいNvidiaの方が有望との見方が強まっている。
Nvidiaの成長加速 新アーキテクチャBlackwellが市場を牽引

Nvidiaは2025年度第4四半期において、売上高が前年比78%増の393億ドルに達し、AI市場の成長を背景にさらなる拡大を続けている。特に、データセンター部門の売上は前年比93%増の356億ドルとなり、同社の総売上の88%を占めるまでに成長した。AI向け半導体の需要増加が背景にあり、企業のAIインフラ投資が加速していることが要因とみられる。
同社の最新GPUアーキテクチャ「Blackwell」は、発売初期の売上が110億ドルに達し、Nvidia史上最も速い製品立ち上げとなった。BlackwellはAIモデルの学習や推論に最適化されており、データセンターやクラウド事業者の採用が急増している。2025年後半には「Blackwell Ultra」、さらにその後には「Vera Rubin」アーキテクチャの登場も予定されており、Nvidiaの技術革新が続くことは確実視されている。
Nvidiaの急成長は、AI時代におけるハードウェア基盤の支配力を強める動きと捉えられる。一方で、急速な売上成長に伴うコスト増加や、競争激化による市場シェアの変動にも注意が必要だ。特に、粗利益率は一時的に73.5%まで低下しており、今後のコスト管理が成長持続の鍵となるだろう。
PalantirのAI戦略 企業向けソリューションで市場を開拓
Palantirは2025年第4四半期において、前年比36%増の売上高8億2800万ドルを記録し、特に米国市場での成長が顕著だった。米国商用部門は前年比64%増、政府部門も45%増と堅調に推移し、AI技術を活用した企業向けソリューションの需要拡大が成長を牽引している。
同社の成長の中心には、「Artificial Intelligence Platform(AIP)」があり、企業がAIを実務に応用するための統合ツールとして機能している。CEOのアレックス・カープ氏は、企業のデータ資産とAIをシームレスに統合する「オントロジー」への投資が、同社の競争力の源泉であると述べる。実際、Palantirの契約総額は前年比56%増の18億ドルとなり、企業からの需要が拡大していることを示している。
一方で、Palantirの株価評価には慎重な見方もある。アナリストの評価は「強い買い」が3名にとどまり、「ホールド」が11名、「強い売り」が4名と意見が分かれる。目標株価も現在水準の85.11ドルとされ、大幅な上昇余地は示されていない。これは、AI関連市場における競争激化や、Palantirのビジネスモデルが特定の市場に依存している点が懸念材料とみられる。
AIブームの中で最適な投資先はNvidiaかPalantirか
市場全体がAI革命の波に乗る中で、NvidiaとPalantirは異なるアプローチで成長を遂げている。Nvidiaはハードウェアの供給を通じてAIインフラを支配し、Palantirは企業向けのAI活用支援を強みにしている。
短期的な投資判断では、Nvidiaの方が有利と考えられる。アナリストの目標株価は現在水準から50%以上の上昇が期待されており、技術革新による成長余地が大きい。一方、Palantirは安定した業績を上げているが、株価の伸びしろは限定的とされている。
ただし、長期的な視点では両社ともに有望な企業といえる。NvidiaはAI時代の基盤を築く一方で、PalantirはAI技術を実際のビジネス価値へと変換する役割を果たす。成長の方向性が異なるため、投資家は自らのリスク許容度と市場の展望を踏まえた選択が求められる。
Source: Barchart.com