サムスンがGalaxy S26 Ultraで、かつてGalaxy S9シリーズに搭載されていた可変絞り(バリアブルアパーチャ)機能を復活させる可能性が浮上した。著名リーカーIce Universeによると、同機能の搭載が検討されており、これが実現すればフォーカスの自由度や低照度撮影性能が向上することになる。
可変絞りは、Galaxy S9シリーズで初めて導入され、Note 10シリーズまで採用されていたが、S20シリーズ以降は姿を消していた。一方で、HUAWEIやXiaomiといったメーカーは近年、より柔軟な可変絞り技術を採用し始めており、サムスンがどの仕様で復活させるのかが注目される。
Galaxy S26 Ultraに可変絞りが復活する理由とは

サムスンは2018年のGalaxy S9シリーズで可変絞り技術を導入した。この技術は、暗所ではF1.5、明るい環境ではF2.4と、2段階で絞りを調整することで、撮影環境に応じた最適な光量を確保できるものだった。しかし、Galaxy S20シリーズ以降、可変絞りは姿を消した。その理由として、スマートフォンのイメージセンサーの進化により、ソフトウェア処理のみで十分な明るさ調整が可能になったことが挙げられる。
一方で、近年はHUAWEIやXiaomiといったメーカーが、より多段階の可変絞りを搭載したモデルを発表しており、光学的なアプローチが再評価されつつある。特に、ポートレート撮影や夜景撮影のクオリティ向上のため、可変絞りのメリットが再び注目を集めている。これにより、サムスンも最新の技術を取り入れた新たな可変絞りを採用する可能性が浮上した。
可変絞りの再導入がGalaxy S26 Ultraのカメラ性能をどこまで引き上げるのかは未知数だ。ただし、近年のトレンドを踏まえれば、従来の2段階式ではなく、より柔軟な調整が可能な新技術が採用される可能性もある。
可変絞り搭載で期待される撮影体験の進化
可変絞りが再び採用されることで、ユーザーの撮影体験にはいくつかの大きな変化が生じる。まず、ポートレートモードのクオリティ向上が期待できる。F1.5の広い絞り値では背景のボケが美しくなり、より一眼カメラに近い自然な被写体表現が可能になる。逆に、絞りを狭めれば、複数の被写体にしっかりとピントが合った写真を撮ることができる。
また、夜間撮影の強化も見逃せないポイントだ。広い絞りを利用することで、より多くの光を取り込み、暗所でも鮮明な写真を撮影できる。現在のスマートフォンカメラでは、AIによるナイトモード処理が主流となっているが、光学的に適切な明るさを確保できれば、より自然な仕上がりの夜景写真が可能になるかもしれない。
加えて、可変絞りは動画撮影にも影響を与える可能性がある。シーンごとに適切な絞りを設定することで、ダイナミックレンジの最適化や、動きのある被写体をより滑らかに捉えることができるようになる。スマートフォンでの動画撮影が一般化する中、可変絞りはその進化を加速させる要素となるかもしれない。
Galaxy S26 Ultraの可変絞りは従来の2段階式か新技術か
Galaxy S9シリーズでは、可変絞りはF1.5とF2.4の2段階だった。このシンプルな仕組みは、当時のスマートフォンとしては画期的だったが、現在ではHUAWEIやXiaomiがより高度な可変絞り技術を採用している。そのため、Galaxy S26 Ultraが再び可変絞りを搭載する場合、2段階式のままなのか、より細かく調整できる方式へ進化するのかが注目される。
HUAWEI Mate 50 Proなどでは、複数の絞り値を選択できるマルチステップの可変絞りが採用されている。これにより、シーンに応じたより細かい光量調整が可能となり、写真の仕上がりに大きな差が生まれる。サムスンがGalaxy S26 Ultraでこの技術に近づくのであれば、従来の2段階式ではなく、より多彩な絞り調整が可能な新技術を導入する可能性がある。
ただし、可変絞りの実装にはコストや内部スペースの問題も伴うため、Galaxy S26 Ultraのすべてのモデルで採用されるとは限らない。また、絞り機構の可動部分が増えることで、耐久性やメンテナンス性への影響も懸念される。これらの点をどのように克服し、進化した可変絞りを実現するのか、今後の情報に注目したい。
Source:Android Authority