世界最大の資産運用会社BlackRockが、保有するビットコイン(BTC)の総量を56万7000BTC超とし、その評価額は478億ドルを超えたことが明らかになった。同社はビットコインを「デジタルゴールド」と位置付け、資産運用の一環として積極的に取り入れている。
最新の取得データによれば、3月14日にCoinbase Primeから268BTC(2200万ドル超)がBlackRockのiShares Bitcoin ETF(IBIT)ウォレットへ移動。さらに同社はビットコイン以外にも120万ETH(23億ドル超)、7000万USDCなど多様なデジタル資産を保有している。
一方、2025年初頭には仮想通貨ETF市場で4週間連続の資金流出が発生し、BlackRockのIBITも影響を受けた。しかし、同社は2月にIBITを自社のモデルポートフォリオへ組み入れ、受動的投資家層の参入を促している。この戦略により、ビットコイン市場への長期的な資本流入の可能性が注目される。
BlackRockのビットコイン保有戦略と市場への影響

BlackRockは資産評価額478億ドル超のビットコインを保有し、金融市場における暗号資産の位置付けを強化している。同社の最新の取得データによれば、3月14日にCoinbase Primeから268BTC(2200万ドル相当)がiShares Bitcoin ETF(IBIT)へ送金された。これにより、同ETFの保有量がさらに拡大し、流動性供給の役割が一層高まっている。
同社は単なる保有にとどまらず、ビットコインをモデルポートフォリオに組み入れることで、より幅広い投資家層へ普及を進めている。特にETF市場の拡大により、従来の株式市場の投資家がデジタル資産にアクセスしやすくなり、新たな資本の流入が見込まれる。こうした動きは、ビットコインの市場成熟を示す重要な要因となっている。
しかし、2025年初頭には仮想通貨ETF全体で47億5000万ドルの資金流出が発生し、BlackRockのIBITも1億9300万ドルの流出を記録した。このような資金流出の背景には、マクロ経済の不透明感や地政学的リスクが影響しており、投資家のリスク回避傾向が強まった可能性がある。ただし、長期的には金融市場の安定化に伴い、再びビットコインへの資本流入が進むことも考えられる。
ETF市場の変動とBlackRockの対応策
ビットコインETFは「史上最も成功したETFの立ち上げ」と評されるほど急速に市場を拡大してきたが、2025年2月から3月にかけて4週間連続で資金流出が続いた。特に3月9日の週だけで8億7600万ドルの流出が確認され、投資家のセンチメントに大きな変化が生じたとみられる。BlackRockのIBITも同様の影響を受けており、仮想通貨市場全体の流動性に影響を与えている。
こうした市場の変動は、ビットコインの価格動向にも大きく関係しており、資金流入が鈍化すれば価格の下押し圧力となる可能性がある。しかし、BlackRockはビットコインをモデルポートフォリオに組み込むことで、市場の安定化を図ろうとしている。この取り組みは、特に受動的投資家層が仮想通貨市場へ参入するきっかけを作り、ETFを通じた資本流入を促進することが期待される。
また、BlackRockはビットコインのみならず、120万ETH(23億ドル超)や7000万USDCなど、さまざまな暗号資産を保有しており、分散投資の観点からもリスク管理を行っている。これにより、特定の資産クラスに依存することなく、長期的な成長を見据えた戦略を展開していると考えられる。
BlackRockの戦略とビットコイン市場の今後
BlackRockのビットコイン保有量が拡大する一方で、市場全体の流動性確保や投資家の行動変化が今後の動向を左右する。ビットコインETFの普及により、伝統的な金融市場とデジタル資産市場の境界が徐々に曖昧になってきており、従来の金融機関も仮想通貨市場への関心を強めている。
一方で、ビットコインのボラティリティや規制の不確実性は依然として高く、資産運用会社による投資判断は慎重なものとなる可能性がある。BlackRockがビットコインを「デジタルゴールド」と見なしていることは、その資産としての長期的価値に着目していることを示唆するが、市場の成熟度や規制環境が整わなければ、さらなる普及は難しい側面もある。
しかし、BlackRockのETF戦略が一定の成功を収めた場合、他の金融機関も同様のアプローチを取り始める可能性があり、機関投資家の参入が加速することも考えられる。これにより、ビットコイン市場の安定性が向上し、デジタル資産の位置付けがより確立されることが期待される。
Source: Cointelegraph