GoogleがAndroid 16 Beta 3で「バッテリーの健康状態」機能を追加した。この機能により、ユーザーはバッテリーの劣化具合を数値で確認できるが、現時点ではPixelデバイスにのみ提供されている。
設定メニューの「バッテリーの健康状態」タブから、バッテリーの最大容量を新品時と比較してチェック可能。さらに、適応充電の設定変更や、バッテリー寿命を延ばすための推奨記事も確認できる。
この機能の実装は、長年iPhoneには備わっていたバッテリー管理機能への対応とも言え、将来的に他のAndroidデバイスにも展開される可能性がある。ユーザーの期待にどこまで応えられるかが注目される。
Pixel限定のバッテリー健康状態機能 その詳細と活用法

Android 16 Beta 3で追加された「バッテリーの健康状態」機能は、Pixelユーザーにとって待望のアップデートとなった。iPhoneではすでに標準機能として提供されていたが、Androidではこれまで公式の手段がなく、バッテリー管理アプリなどに頼るしかなかった。
この新機能は「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの健康状態」から確認でき、現在のバッテリー容量が新品時の何%に相当するかを表示する。100%に近いほど劣化が少なく、低い数値の場合は交換を検討する目安となる。さらに、このメニュー内にはGoogleが推奨するバッテリーの長寿命化に関する情報も掲載されており、適応充電の設定変更も可能だ。
この機能の提供は現在Pixelシリーズに限定されているが、将来的に他のAndroidデバイスへ拡大する可能性はある。Androidユーザーの間では、メーカーごとにバッテリー管理機能の提供状況が異なるため、Googleによる標準機能としての導入を歓迎する声も多い。
iPhoneとの差が縮まるAndroidのバッテリー管理機能
バッテリーの健康状態を可視化する機能は、AppleがiOS 11.3で導入して以来、多くのiPhoneユーザーにとって欠かせないものとなっている。これに対し、Androidでは長年、バッテリーの劣化具合を公式に確認する手段が提供されていなかった。
そのため、サードパーティ製アプリに頼るしかなく、正確性や信頼性に不安を感じるユーザーも少なくなかった。今回、Googleが公式にこの機能を実装したことで、Androidユーザーもシステムレベルでバッテリーの状態を把握できるようになった。特に、適応充電との連携により、劣化を抑える工夫が可能になった点は大きい。
ただし、Appleの「ピークパフォーマンス管理機能」のようなバッテリー劣化によるパフォーマンス低下を防ぐ機能はまだ搭載されていない。今後のアップデートでどこまで改良されるかが注目される。
Pixel限定の背景と今後の展開
現時点でこの機能がPixelシリーズのみに提供されている理由は明らかではない。しかし、PixelはGoogleの純正スマートフォンであり、新機能の試験運用が優先的に行われる傾向があるため、その一環と考えられる。
一方で、Androidは多くのメーカーが独自のUIや機能を追加しているため、統一的なバッテリー健康状態の管理が難しい事情もある。例えば、Samsungは「バッテリー保護機能」を提供しており、XiaomiやOnePlusも独自の最適化機能を備えている。
しかし、Googleがこの機能をOSレベルで導入したことで、今後は他のAndroid端末にも提供される可能性がある。メーカー独自の実装とは異なり、統一されたバッテリー管理機能が広まることで、ユーザーの利便性はさらに向上するだろう。
Source:MSPoweruser