AMDの最新GPU「Radeon RX 9070」および「RX 9070 XT」の発売が、市場での価格高騰により混乱している。一部の小売業者が当初のメーカー希望小売価格(MSRP)を大幅に上回る価格で販売しており、最大で130ドルの上昇が確認された。

AMDはボードパートナーに対し、RDNA 4アーキテクチャを採用した新GPUの価格維持を求めていたが、実際にはそれが機能していない。この影響で、PCゲーマーの間ではAMDの価格戦略に対する不信感が高まっている。

GPU市場全体では、Nvidiaの新世代RTX 5000シリーズも価格高騰が進み、旧世代のRTX 4000シリーズも在庫不足の影響を受けている。PCゲーム環境のコスト増加が進む中、ゲーマーの選択肢はますます狭まっている。

小売業者による価格吊り上げが明らかに なぜMSRPが守られなかったのか

AMDのRadeon RX 9070シリーズの発売直後、一部の小売業者がメーカー希望小売価格(MSRP)を超える価格設定を行っていることが判明した。特に、Sapphire Pulse 9070 XTは本来の$599から$729.99に引き上げられ、わずかな期間で$130以上の価格上昇が生じた。Wccftechの報告によると、こうした価格変動は特定の小売店のみならず、複数の店舗で確認されている。

AMDはボードパートナーに対し、RDNA 4アーキテクチャの新GPUの価格を一定に保つよう奨励していたが、実際にはその方針が徹底されていない。ボードパートナーは発売直後の特定期間のみMSRPで販売し、その後価格を引き上げる戦略を取った可能性がある。これは市場の需要を見極めた上で価格調整を行う、いわゆる「限定価格設定」の一環と考えられる。

こうした状況は過去のGPU市場でも見られたが、特に現在の市場では価格の透明性が失われつつある。仮にこの価格設定が常態化すれば、AMDの価格競争力は大きく低下することになる。消費者の信頼を損なうリスクがある中で、AMDが今後どのような対応を取るかが注目される。

高騰するGPU市場 なぜゲーマーは新製品を敬遠しつつあるのか

近年、GPUの価格高騰が続いており、特にハイエンドモデルにおいて顕著な傾向となっている。今回のRadeon RX 9070シリーズに限らず、NvidiaのRTX 5000シリーズも高額な価格設定が予想されており、旧世代のRTX 4000シリーズですら市場価格がMSRPを大きく超えている。こうした状況が続けば、PCゲーマーにとって最新GPUの購入はますます難しくなる。

さらに、PCゲームの最適化問題も市場の停滞に拍車をかけている。近年のAAAタイトルは要求スペックが高まり続けており、ハイエンドGPUでなければ満足なパフォーマンスを得られないケースが増えている。にもかかわらず、適正価格で最新GPUを手に入れるのは容易ではない。これにより、PCゲームからコンソールゲームへと移行するユーザーも増えつつある。

PCゲーミング市場は長らく性能向上と価格のバランスを取ることで成長を続けてきたが、ここに来て大きな転換点を迎えている。AMDとNvidiaの価格戦略が今後も強気のままであれば、PCゲーマーの選択肢はさらに狭まり、PCゲーム市場全体に影響を及ぼす可能性がある。

Source:TechRadar