Googleは、AndroidゲームをPCでプレイ可能にする「Google Play Games」のアップデートを発表した。これにより、開発者が明示的に拒否しない限り、ほぼすべてのAndroidゲームがWindows上で動作する仕組みに変更される。キーボードやマウスのカスタマイズ機能も強化され、PC環境に最適化された操作性が実現する。

また、互換性ラベルが導入され、ゲームごとの動作状況が分かりやすくなる。さらに、GoogleはPCメーカーと協力し、Google Play GamesをプリインストールしたPCを年内に発売予定。今後の正式リリースに向け、PCとAndroidの境界がさらに縮まる展開となりそうだ。

Google Play Gamesの最新アップデート すべてのAndroidゲームがPCで動作可能に

Googleは「Google Play Games」のアップデートを発表し、Windows PCでAndroidゲームをプレイできる環境をさらに拡張した。これまでベータプログラムとして限定的に提供されていたが、今後は開発者が明示的に拒否しない限り、ほぼすべてのAndroidゲームがWindowsで動作するようになる。これにより、モバイルゲームのPC移行が一気に加速する可能性が高い。

これまでの仕様では、開発者は自らのゲームをGoogle Play Gamesに対応させるためにオプトイン方式を選択する必要があった。しかし、今回のアップデートによりデフォルトでPC互換が有効化され、開発者側がオプトアウトしない限り自動的にPCでプレイ可能となる。この変更は、PCユーザーにとってAndroidゲームの選択肢を大幅に増やすことになりそうだ。

加えて、Googleは互換性ラベルの導入を発表。「最適化済み」「プレイ可能」「未検証」の3段階でゲームの動作状況を表示する。ValveのSteam Deckが採用している方式に似ており、ユーザーはプレイ環境に応じたゲームを選びやすくなる。この新機能がどのように受け入れられるかは今後の展開次第だが、PCでのモバイルゲーム体験がより快適になることは間違いない。

カスタマイズ機能が強化 キーボードやマウス操作の自由度が向上

今回のアップデートでは、PCでAndroidゲームを快適にプレイするための操作カスタマイズ機能が大幅に強化された。特に注目されるのは、キーボードやマウスの操作をモバイルゲームのタッチ操作に対応させる新しいカスタマイズオプションだ。これにより、スマホ向けに設計されたゲームでも、PCならではの操作性でプレイしやすくなる。

例えば、仮想ジョイスティックをキーボードの「WASD」キーに割り当てる機能が追加され、タッチ操作をマウスクリックに変換することも可能だ。従来、Androidエミュレーターなどを使ってPCでモバイルゲームをプレイする際には、タッチ操作の再現に苦労する場面が多かったが、Google Play Gamesのネイティブサポートにより、こうした問題が解消される可能性がある。

さらに、複数のアカウントを同時に利用できる機能も追加される予定だ。これにより、異なるアカウントで別々のゲームをプレイしたり、ゲーム内でのマルチアカウント管理が容易になる。これらの変更は、PCでのAndroidゲーム体験をより快適にし、スマートフォンとの垣根を取り払う大きな一歩となるだろう。

PC向けGoogle Play Gamesの正式リリースへ 今後の展開は

Google Play GamesのPC向け拡張は、ベータ版から正式版へと移行する段階に入った。これまでテスト段階だったが、今後はPCメーカーとの提携により、Google Play GamesがプリインストールされたPCが年内に市場に登場する予定だ。この動きは、PCとモバイルの統合をより加速させる可能性がある。

現在、Google Play Gamesを通じてプレイできるPC向けタイトルは約50本にのぼり、今後さらに増えると予想される。最新のアップデートでは、『Dredge』『TABS』『Disco Elysium』の新バージョンが追加される予定だ。特に『Disco Elysium』の新バージョンは縦画面対応となり、TikTokユーザーを意識したデザインに変更されるという。ただし、開発元のZA/UMではオリジナル版の主要クリエイターが離脱しており、新バージョンの評価は未知数である。

Googleの動きは、Microsoftがかつて試みたWindows 11でのAndroidアプリ統合とは異なるアプローチを取っている。Windows 10にも対応し、PCゲームとしての完成度を高めている点が大きな特徴だ。今後、どのようにユーザーに受け入れられるか、正式リリース後の動向に注目したい。

Source:TechSpot