iPhoneとAndroid間のRCSメッセージが、ついにエンドツーエンド暗号化(E2EE)に対応する見込みだ。
GSMAの新たな「Universal Profile 3.0」により、RCSは「Messaging Layer Security(MLS)」を採用し、異なるメッセージングアプリ間でも安全な通信が可能となる。
Appleは今後のソフトウェアアップデートでこの新仕様を導入する予定だが、実際の適用には時間を要するとみられる。これにより、iPhoneとAndroid間のメッセージングはプライバシー保護の強化と機能向上の両面で進化を遂げることになるだろう。
RCSがiPhoneとAndroidの間でE2EEを実現 Universal Profile 3.0の導入とは

GSMAが発表した「Universal Profile 3.0」により、iPhoneとAndroid間のRCSメッセージにもエンドツーエンド暗号化(E2EE)が適用される。これにより、送受信されるメッセージは通信キャリアやサービスプロバイダーを含む第三者に閲覧されることなく、安全なやり取りが可能となる。
この仕様は、新たに「Messaging Layer Security(MLS)」というプロトコルを採用している。MLSは、異なるメッセージングプラットフォーム間でも暗号化を維持できる技術であり、ユーザーのプライバシー保護を強化する。これまでiPhone同士でのみ利用できたE2EEが、Androidユーザーとのやり取りにも拡大されることで、よりセキュアなメッセージ環境が整うことになる。
Appleは今後のiOSアップデートでこの新仕様を導入すると発表しているが、実装までの具体的な時期は未定だ。一方で、RCSの標準化が進む中、Universal Profile 3.0の適用範囲は今後も拡大すると考えられる。これにより、RCSはSMSやMMSの後継として、より高機能で安全なメッセージングツールへと進化する可能性がある。
iMessageとの違いとRCSの進化 Androidユーザーにとってのメリット
iPhoneユーザーにとっては、従来からiMessageによってE2EEが適用されていたため、今回のアップデートは直接的な変化とはならない。しかし、Androidユーザーとのやり取りにおいてもE2EEが適用されることで、プライバシー面での不安が解消される。特に、公衆Wi-Fiやキャリアのネットワークを介したメッセージ送信時の盗聴リスクが軽減されることは大きな利点だ。
また、RCSの導入により、iPhoneとAndroid間でのメッセージのやり取りは、これまでのSMSに比べて大幅に進化する。高画質の写真や動画、リアクション機能、グループチャットの充実など、従来のiMessageに近い体験が可能になる。さらに、iMessageとの最大の違いは、RCSがモバイル通信事業者を通じた通信規格である点だ。iMessageはApple独自のサービスであるのに対し、RCSはGSMAが推進する業界標準であり、より広範囲のデバイスに対応できる点が特徴となる。
ただし、現在のRCSはAndroid端末間でも完全な標準化が進んでいないため、Universal Profile 3.0の適用がどこまで広がるかが鍵となる。AppleがRCS対応を進めることで、他のメッセージングアプリにも影響を与え、将来的にはより統一されたメッセージング環境が構築される可能性がある。
Appleの対応と今後の課題 RCSの普及に向けたハードル
Appleは長年RCSの導入に消極的だったが、欧州連合(EU)などの規制強化を受け、ついにRCSをiPhoneに実装する方針を明らかにした。しかし、今回のUniversal Profile 3.0への対応が発表されたとはいえ、iMessageと同等の機能がすぐにRCSで利用できるわけではない。AppleがRCSをどの程度までiOSに統合するかは、今後の展開を見守る必要がある。
また、RCSはモバイル通信事業者が提供するサービスであるため、キャリアごとの対応状況によっては、利用できる機能にばらつきが生じる可能性がある。特に、E2EEの適用範囲が事業者ごとに異なる場合、完全な安全性が確保されるまでには時間がかかるかもしれない。
さらに、Android間のRCSメッセージは現在でもE2EEがデフォルトで適用されていないケースが多い。Universal Profile 3.0が普及すれば、この問題も解決される可能性があるが、既存のメッセージングアプリがどれだけ迅速に対応するかが重要なポイントとなる。Appleの対応が進むことで、Googleを含む業界全体でRCSの普及が加速することが期待される。
Source:Android Authority