Epic GamesはQualcommと提携し、Windows 11のArm環境でフォートナイトがプレイ可能になることを発表した。これにより、Snapdragon Xシリーズを搭載したCopilot+ PCでの動作が実現し、ゲーミングの選択肢が広がる。

Windows on Armはx64アーキテクチャとの互換性の課題を抱えていたが、Epic GamesはEasy Anti-Cheat(EAC)を対応させることで解決を図る。EACはApex LegendsやElden Ringを含む500以上のタイトルで採用されており、この動きはフォートナイトにとどまらず、他のゲームのArm対応も進む可能性がある。

フォートナイトがArm搭載PCで動作可能に Epic GamesとQualcommの狙い

Epic Gamesは、Qualcommと協力し、Windows 11のArm環境でフォートナイトをプレイできるようにすることを発表した。この実現には、Easy Anti-Cheat(EAC)のArm対応が大きな役割を果たしている。EACは現在、Apex LegendsやElden Ringなど500以上のゲームで採用されているため、この対応が他のタイトルにも影響を与える可能性がある。

Armアーキテクチャは、消費電力の低さやモバイル向けの最適化が特徴だが、PCゲームにおいてはx64アーキテクチャとの互換性の課題があった。Epic Gamesは、この問題を解決するためにQualcommと提携し、Arm上でも安定したゲームプレイを実現することを目指している。特にSnapdragon Xシリーズを搭載したCopilot+ PCでは、バッテリー駆動時間の長さや軽量設計が強みとなるため、フォートナイトの対応が新たなユーザー層の獲得につながる可能性がある。

EACの導入によって、フォートナイトがArmデバイスで動作可能になったことは、PCゲーム市場におけるArm環境の可能性を示す大きな一歩だ。これがどの程度のパフォーマンスを発揮するかは今後の検証次第だが、従来のx86環境に頼らない新たなゲーミングプラットフォームの選択肢として注目されている。

ArmゲーミングPCはx86環境に対抗できるのか

Snapdragon Xシリーズを搭載したノートPCの登場により、Armアーキテクチャがゲーミング用途にも適用され始めた。しかし、現在のゲーミングPC市場は依然としてIntelやAMDのx86アーキテクチャが主流であり、Armが本格的に対抗するにはまだ多くの課題が残されている。

最大の問題は、ゲームの最適化だ。x86向けに開発されたゲームが多く、Arm環境でスムーズに動作するためには追加の最適化が必要になる。例えば、MacBookのMシリーズチップはArmアーキテクチャを採用しているが、多くのゲームはネイティブ対応ではなく、エミュレーションを介して動作している。そのため、Snapdragon XシリーズのCopilot+ PCでも、最適化が進まなければ同様の課題に直面する可能性がある。

一方で、Armプロセッサの強みとして、電力効率の良さが挙げられる。Snapdragon X Eliteを搭載したPCは、長時間のバッテリー駆動を実現しており、これは外出先でのゲームプレイやストリーミング用途に適している。また、ファンレス設計のモデルも多く、静音性が求められる環境でも使いやすい。これらの特徴を活かせば、ゲーミングPCとしての新たな市場が生まれる可能性がある。

ただし、現時点では高性能なグラフィックス処理が求められるAAAタイトルを快適に動作させるには、ArmベースのPCはまだ発展途上といえる。特に、ディスクリートGPUを搭載したゲーミングノートPCと比較すると、Qualcomm Adreno GPUのパフォーマンスは限定的であり、今後の進化が求められる。

Arm対応の拡大がもたらす新たなゲーミング環境

フォートナイトのArm対応は、単なる1タイトルの動作改善にとどまらず、今後のPCゲーム市場全体にも影響を与える可能性がある。特に、EACの対応により、Arm環境でプレイ可能なゲームが増えれば、ゲーミングPCの選択肢が広がることになる。

近年、Steam DeckやAsus ROG AllyといったハンドヘルドゲーミングPCが注目を集めている。これらのデバイスはx86アーキテクチャを採用しているが、Armベースのデバイスが今後登場すれば、省電力かつ高効率なゲーム環境が実現する可能性もある。例えば、スマートフォン向けゲームが進化したように、PC向けゲームもArmに最適化されれば、新しいプレイスタイルが確立されるかもしれない。

また、クラウドゲーミングの発展もArmデバイスにとって追い風となる。NVIDIA GeForce NowやXbox Cloud Gamingのようなストリーミングサービスが普及すれば、デバイスのスペックに依存せず高品質なゲーム体験が可能になる。Snapdragon Xシリーズがクラウドゲーミングに最適化されれば、ゲーミングPCの概念自体が変わる可能性がある。

Epic GamesとQualcommの提携によって、Arm環境でのゲーミングが現実のものとなりつつある。この流れが加速すれば、従来のPCゲーム市場とは異なる新たなトレンドが生まれるかもしれない。今後の動向を注視したい。

Source:TechRadar