Microsoftの新しいOutlookアプリで、旧バージョンに戻るための切り替えボタンが正常に機能しない問題が発生している。本来ならばクラシックOutlookのダウンロードページへリダイレクトされるはずだが、現在はクリックするとアプリが予告なく終了してしまう状態だ。
Microsoftは2025年3月12日にこの問題を把握し、公式サポートページを作成。しかし、Windows 11の最新ビルドでも依然として解決されていない。手動で旧バージョンを入手する以外に回避策はなく、ユーザーはMicrosoft Storeを検索する必要がある。
新Outlookは「メール」と「カレンダー」アプリの置き換えとしてWindows 10/11に導入されたが、UIの不満や同期トラブルが相次ぎ、評価は低迷。Microsoftは問題修正を進めているが、今回の不具合が解消される時期は明らかになっていない。
旧Outlookへ戻る方法が実質封鎖された現状

本来、新Outlookから旧バージョンへ戻るためには、設定メニューから「クラシックOutlookに戻る」ボタンをクリックするだけで済むはずだった。しかし、現在このボタンを押すと、クラシックOutlookのダウンロードページへ遷移するどころか、アプリが即座に閉じてしまうという問題が発生している。
Windows 11 24H2のPCで検証を行ったところ、Microsoftの意図した動作とは異なり、フィードバックフォームが表示された後に何も起こらないという現象が確認された。本来ならば、ダウンロードページまたはMicrosoft StoreのクラシックOutlookのページへ誘導されるはずであるが、現在はその経路が機能していない。
これにより、新Outlookの利用に不満を持つユーザーは、手動でMicrosoft Storeを検索し、クラシックOutlookをダウンロードする必要がある。一部のユーザーは、Microsoftの公式ページに掲載されている直接ダウンロードリンクを利用することで旧バージョンへ戻ることができるが、手間がかかる上に利便性を大きく損なっている。
新Outlookは使いやすいのか 機能とユーザーの評価
新Outlookは、MicrosoftがWindows 10およびWindows 11にプリインストールする形で展開したアプリである。このアプリは、従来の「メール」および「カレンダー」アプリを統合する形で提供され、クラシックOutlookとは異なるUIや機能を備えている。しかし、導入後、多くのユーザーから使い勝手に関する批判が相次いでいる。
主な不満点としては、同期の遅延、UIの操作性の悪さ、一部機能の欠如が挙げられる。また、Web版Outlookに比べても特段の利便性が感じられず、むしろPWA(プログレッシブWebアプリ)をそのままデスクトップアプリ化しただけのような印象を受ける。さらに、アプリ内に広告が表示される点も批判の的となっており、Microsoftがメールの間に巧妙に広告を挿入していることがユーザーの不満を高めている。
新Outlookの正式リリースに伴い、Microsoftは機能追加や修正を進めているが、今回の切り替えボタンの不具合が修正される時期については明らかにされていない。現状では、Microsoftが公式に修正するのを待つか、手動で旧バージョンをダウンロードする以外に対応策はない。
Microsoftの対応と今後の課題
今回の問題について、Microsoftは公式サポートページを作成し、2025年3月12日に問題を認識したことを明らかにしている。しかし、具体的な修正予定や対応策についての詳細は明示されておらず、ユーザー側での対処が必要な状態が続いている。
また、新Outlookの導入により、旧バージョンへ戻るオプションはますます使いにくくなっている。現在の切り替えボタンの配置も分かりにくく、ヘルプメニュー内に隠されているため、見つけにくいという指摘がある。ボタンの位置をより分かりやすい場所に変更することが求められる。
加えて、フィードバックフォームの導入もユーザーにとっては煩雑な手順となっている。クラシックOutlookへ戻る際にアンケートの入力を求める仕様は、ユーザーの利便性を損なっていると考えられる。このような仕様変更を行う前に、Microsoftはユーザーの視点に立った設計を改めて見直す必要があるだろう。
Source:Windows Latest