Googleは、車載システム「Android Auto」の最新ベータ版14.0をリリースした。今回のアップデートでは目立ったユーザー向けの変更はないものの、アプリのコード内に新機能の痕跡が確認されている。

新たにデフロスト機能の制御コードが追加され、フロントおよびリアの霜取りスイッチが導入される可能性がある。また、Googleマップのアラート管理機能が開発されており、渋滞や事故の通知をユーザーが調整できる仕組みが準備されているようだ。

これらの機能は現時点では有効化されていないが、今後の正式リリースで実装される可能性が高い。Android Auto 14.0の正式版公開は数週間以内と予想されている。

Android Auto 14.0に見る温度制御の進化 フロント・リアデフロスト機能の実装は近いか

Android Auto 14.0のベータ版では、温度管理機能のコードが新たに発見された。特に注目すべきは、フロントとリアのデフロスト機能のトグルスイッチがアプリ内に追加されている点である。デフロスト機能は、フロントガラスやリアウィンドウの霜や曇りを除去するために不可欠な要素であり、これが車載システムに統合されることで、より直感的な操作が可能になると考えられる。

現在のAndroid Autoでは、車両の空調システムと連携する機能は限られている。しかし、Googleは以前から車内の温度調整に関する改良を進めており、過去のアップデートでもエアコン制御に関するコードが発見されていた。今回のデフロスト機能の追加は、単なる霜取りだけでなく、全体的な気候コントロール機能の強化につながる可能性がある。

実際にこの機能が有効化されれば、ユーザーはスマートフォンの操作だけでなく、音声コマンドやタッチ操作でより柔軟に車内環境を管理できるようになるだろう。ただし、現時点ではベータ版のコード内に存在するだけであり、正式リリースでどのように実装されるかは明らかになっていない。デフロスト機能が完全に統合されれば、Android Autoは単なるナビゲーションシステムから、より包括的な車両管理ツールへと進化する可能性を秘めている。

Googleマップのアラート管理が強化 ユーザー主体の通知設定へ

Android Auto 14.0のコード解析では、Googleマップの通知管理機能が新たに追加される兆しが確認された。特に、事故や渋滞といったインシデントに関するアラートを、ユーザーが個別に制御できる仕組みが導入される可能性がある。現行のAndroid Autoでは、これらの通知は一律に表示されるため、情報量が多すぎると感じるユーザーもいるだろう。

新たな設定オプションが追加されれば、ナビゲーション中の不要な通知を削減し、ドライバーの負担を軽減できると考えられる。特に、長距離運転時や交通量の多い都市部では、過剰なアラートがかえって運転の妨げになるケースもあるため、カスタマイズ性の向上は歓迎されるはずだ。また、Googleマップが他のナビアプリと差別化を図る上でも、柔軟な通知管理機能の追加は大きな意味を持つ。

ただし、この機能が実装されるとしても、どこまで細かくカスタマイズできるのかは不明である。例えば、特定のエリアのみ通知を受け取る設定や、アラートの種類ごとのオン/オフ機能が搭載されるかどうかは現時点で不明瞭だ。今後の正式リリースで、ユーザーがどの程度通知を自由に管理できるかが注目される。

Android Auto 14.0の正式リリースは近いが、機能解放は段階的か

Android Auto 14.0の正式リリースは数週間以内と見られているが、今回確認された新機能がすぐに利用可能になるとは限らない。Googleはこれまでも、ベータ版でコードを追加した後に、数カ月のテスト期間を経て正式に有効化するケースが多かった。特に、デフロスト機能や通知管理といった車両システムに直接関わる機能は、実装時の安全性が問われるため、慎重に調整が進められる可能性が高い。

過去のAndroid Autoのアップデートを振り返ると、新機能の多くは初期リリースでは非アクティブの状態で含まれ、後のアップデートで段階的に展開される傾向にある。例えば、Android Auto 13.9では温度制御機能のコードが追加されたものの、実際には有効化されず、今回の14.0でその開発がさらに進んだ形となっている。

そのため、ユーザーが今回のアップデートを適用しても、すぐに新機能を体験できるとは限らない。しかし、ベータ版の段階でコードが発見されたということは、少なくともGoogleが実装を視野に入れていることは確かである。今後のアップデートで、これらの機能がどのように展開されていくのかが注目される。

Source:9to5Google