ASUSは、GeForce RTX 5090およびRadeon RX 9070シリーズの価格を大幅に引き上げた。RTX 5090の最上位モデル「Astral OC」はわずか1か月で280ドルの値上げとなり、現在の価格は3,359.99ドル。一方、RX 9070 XTのPrimeモデルは719ドル、TUFモデルは799ドルに設定されている。
ASUSのRTX 5090とRX 9070シリーズ、価格高騰の背景とは

ASUSは最新世代のグラフィックカード、GeForce RTX 5090とRadeon RX 9070シリーズの価格を大幅に引き上げた。RTX 5090 Astral OCの価格は、2月初旬の3,079.99ドルから3,359.99ドルへとわずか1か月で280ドルの値上げ。RX 9070シリーズも同様で、Prime RX 9070 XTは719ドル、TUF RX 9070 XTは799ドルとなり、いずれも当初の価格より100ドル以上高騰している。
価格上昇の理由として、メーカー側はGPUやVRAMのコスト増加を挙げている。特にGDDR7メモリの価格が影響しているとされ、これが最終価格の押し上げにつながっている。ただし、NVIDIAやAMDが大量出荷を行い、供給が安定しているにもかかわらず、販売価格がMSRPの1.5倍から2倍に達している状況は異例と言える。メーカーの設定価格が市場全体に影響を与え、各地の小売業者もそれに追従する形で値上げが続いている。
この流れは、単なる部材コストの上昇にとどまらず、メーカーの戦略的な価格設定も要因の一つになっている可能性がある。RTX 50シリーズやRX 9000シリーズは最新世代の製品であり、需要が高い段階で価格を引き上げることで利益を最大化する狙いも考えられる。今後も価格が下がる兆しは見えず、高性能なGPUを求めるユーザーにとっては厳しい状況が続くだろう。
RTX 5090とRX 9070、もはや高級品?高価格化がもたらす影響
RTX 5090やRX 9070シリーズの価格は、もはやハイエンドPCユーザーの間でも容易に手が出せる水準を超えつつある。特にRTX 5090は、TUF OCモデルでさえ2,999ドルと、これまでのハイエンドGPUとは次元の異なる価格帯となっている。RTX 40シリーズと比較しても、大幅な値上がりが見られ、従来のゲーミングPC市場とは異なる動きが起こっている。
高価格化の影響は、PC市場全体にも波及している。ハイエンドGPUの値上がりにより、組み立てPCの総額も大きく上昇し、従来であれば50~60万円台で構築できたハイエンドゲーミングPCが、現在では80万円以上の予算を要するケースも増えている。こうした価格の変化により、PCゲーマーやクリエイターの間では、アップグレードを見送る動きも出始めている。
また、RTX 5090やRX 9070シリーズが一部のマニア層向けの製品となることで、価格帯が低いRTX 5080やRX 9060シリーズへの需要が集中する可能性もある。これにより、ミドルレンジのGPU市場も価格変動の影響を受ける可能性がある。高性能GPUの高価格化は、単なるコスト増ではなく、PC市場全体のトレンドを変える重要な要素となりつつある。
Source:Wccftech