Appleが最新のMacBook Air M4を発表した。最大の特徴は、CPUコアの増加とユニファイドメモリの拡張により、処理能力が向上した点だ。M3モデルでは24GBまでだったメモリが、M4では最大32GBまで対応し、パフォーマンスの向上が期待できる。

さらに、M4ではクラムシェルモードなしで2台の外部モニターに接続できるようになり、合計3画面の作業環境が実現。ビデオ会議向けの「Center Stage」対応カメラも新搭載された。

価格も注目ポイントで、999ドルのエントリーモデルには16GBのRAMが標準搭載される。M2やM3モデルとの違いを踏まえ、買い替えの判断が求められる。

M4チップの性能向上とメモリ拡張がもたらす違い

MacBook Air M4の最大の進化は、CPUの強化とメモリの拡張だ。M3チップでは最大8コアだったCPUが、M4では10コアに増加。これにより、マルチタスク性能が向上し、動画編集やプログラミングのような負荷の高い作業もスムーズにこなせるようになる。さらに、ユニファイドメモリの最大容量が24GBから32GBへと拡張されたことで、大量のデータを扱うアプリケーションでも快適な動作が期待できる。Appleの発表によれば、M1モデルと比較して最大2倍の処理速度を誇るとのことだ。

一方で、M3以前のモデルを持つユーザーにとって、M4の性能向上がどれほど実感できるかは慎重に見極める必要がある。M2やM3も依然として十分なパフォーマンスを発揮するため、普段の使用環境によっては大きな違いを感じない可能性もある。特に、ブラウジングや文書作成などの軽作業がメインなら、M4の強化ポイントを活かす場面は限られるだろう。

性能の向上は魅力的だが、すべてのユーザーが恩恵を受けられるわけではない。負荷の高い作業を日常的に行うかどうかが、買い替えを検討する上での大きな判断材料となる。

ついに3画面対応 外部ディスプレイの制約が緩和

AppleシリコンMacの課題の一つだった外部ディスプレイの接続制限が、MacBook Air M4でようやく改善された。従来のM1およびM2モデルは、6K解像度のディスプレイを1台しか接続できなかったため、マルチディスプレイ環境を求めるユーザーには不便な仕様だった。M3モデルでは、クラムシェルモードを条件に2台の外部ディスプレイ接続が可能になったが、M4では本体を開いたままでも2台の外部ディスプレイを利用できるようになった。

これにより、ノートパソコンのディスプレイを含めた合計3画面で作業が可能になる。複数のウィンドウを並べて作業したいクリエイターやプログラマーにとっては大きな進化と言える。特に、ドッキングステーションを必要とせず、Thunderbolt 4ポートのみで実現できる点は利便性が高い。

ただし、外部モニターの接続数が増えても、GPU性能の限界は考慮する必要がある。高解像度ディスプレイを複数接続すると、負荷が増すため、4K動画編集や高度なグラフィック処理には依然としてProモデルが適している。M4の進化によって作業環境の自由度は向上したが、使用用途によってはまだ制約があることを理解しておくべきだ。

価格とスペックのバランス M4は本当にお得なのか

MacBook Air M4は、999ドルの価格設定で登場した。これは、初代M1 MacBook Airと同じ価格だが、メモリが8GBから16GBに増量され、ストレージも256GBを維持している。これまでのモデルと比較すると、価格据え置きでスペックが向上した点は魅力的だ。

しかし、M3モデルが発売当初より100ドル値下げされたことを考えると、M4の価格が絶対的にお得とは言い切れない。M2やM3モデルの在庫処分が進む中で、型落ちモデルを割安で入手できる可能性もある。特に、ライトユーザーにとってはM2やM3でも十分な性能があり、コストパフォーマンスを重視するならそちらを選ぶのも一つの選択肢となる。

とはいえ、長期的な視点で見れば、M4は16GBメモリが標準搭載されているため、将来的なアップデートへの対応力が高い。特に、macOSの進化によってメモリ使用量が増加する傾向があることを考慮すると、長く使うことを前提にする場合、M4の方が結果的にコストパフォーマンスに優れる可能性がある。

Source:SlashGear