Nvidiaの最新GPU「GeForce RTX 5090」が異常な価格高騰に直面している。米国のシステムインテグレーターPowerGPUによると、同GPUは販売業者によって最低でも3000ドル以上の価格で提示されており、適正価格での入手は極めて困難な状況だ。

発売から1.5カ月が経過しても供給は安定せず、企業ですら定価での調達が不可能な事態に陥っている。特にエントリーレベルのAIBモデルでさえ3050ドル以上の価格が設定され、PowerGPUのCEOは「気分が悪い」とコメント。

一般消費者への影響も深刻で、このままでは適正価格での購入は絶望的とみられる。Nvidiaによる早急な対応が求められている。

RTX 5090の供給不足が深刻 販売業者による価格吊り上げの実態

RTX 5090は発売から1.5カ月が経過しているにもかかわらず、市場ではほぼ入手不可能な状態が続いている。特にアメリカでは、システムインテグレーター(SI)ですら正規の価格での仕入れができない事態に陥っており、販売業者が3000ドル以上の価格を提示するケースが相次いでいる。PowerGPUのCEOによると、エントリーモデルのAIB(カスタム)版でさえ3050ドル以上の水準となっており、標準的な価格での調達は困難だ。

こうした異常な価格設定の背景には、供給不足が大きく影響している。NvidiaはRTX 5090の生産量について公式には明らかにしていないが、市場には十分な在庫が行き渡っていないことは明らかだ。一方、競合のAMDはRDNA 4 RX 9000シリーズの供給が安定しているとされ、PowerGPUもその在庫状況の違いを指摘している。

この価格高騰の波は一般消費者にとっても深刻な問題となっている。販売業者が価格を吊り上げている現状では、個人が適正価格でRTX 5090を購入することはほぼ不可能と言える。この状況を受け、転売市場ではさらに高値での取引が行われる可能性があり、今後も高額化の傾向は続くとみられる。

RTX 50シリーズの期待と現実 価格と供給のバランスが崩壊

RTX 50シリーズはNvidiaが投入した次世代GPUとして、高いパフォーマンスが期待されていた。特にRTX 5090は前世代のRTX 4090と比較して大幅な性能向上が見込まれ、多くのユーザーから注目を集めていた。しかし、現在の供給不足と価格高騰の問題により、実際に手に入れられるユーザーは限られている。

今回の問題は、Nvidiaの販売戦略にも起因している可能性がある。供給量の制限によって市場価格が高騰し、メーカーや販売業者がより高い利益を得る構造になっていると考えられる。また、発売直後の限られた供給量は、転売市場の活性化を招き、一般のユーザーが適正価格で購入できる機会を奪っている。

競合のAMDが比較的安定した供給を実現している点も興味深い。PowerGPUのCEOは、RX 9000シリーズはRTX 50シリーズよりも在庫が豊富であることを指摘している。この差は、Nvidiaが高性能なハイエンドGPUに重点を置いているのに対し、AMDは幅広い層に向けた供給戦略を採っている可能性を示している。RTX 5090の供給が改善されなければ、ユーザーは代替としてAMD製品を選択するケースも増えるかもしれない。

消費者にとって厳しい選択肢 Nvidiaの対応がカギ

RTX 5090の価格高騰と供給不足により、消費者にとって厳しい選択が迫られている。現状では、適正価格で購入できる可能性はほぼなく、もし販売店で見つけたとしても3000ドル以上の価格が付けられていることがほとんどだ。

この状況を打開するには、Nvidiaが何らかの対応を取ることが不可欠だ。たとえば、供給量を増やすことで販売業者の価格操作を抑制することができるだろう。しかし、これまでの動向を見る限り、短期間で状況が改善する見込みは薄い。販売業者の手に渡る段階で価格が高騰しているため、メーカー側が直接的にコントロールできる範囲は限られている。

最終的に、消費者にとっては待つか、他の選択肢を検討するかの二択となる。AMDのRX 9000シリーズは在庫が豊富とされており、代替手段として考える価値はあるだろう。RTX 5090が適正価格で手に入る日は来るのか。今後の市場動向とNvidiaの対応が注目される。

Source:NotebookCheck.net